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読書メモ The Joy of Living 5

Part One: The Ground - Chapter 5 - The Relativity of Perception

思考、感情、感覚などの経験は、絶対的な物ではなく、脳が作り出す認知に過ぎないことが心理学などで分かっている。訓練によりこの認知を変更して不安や苦痛を軽減し、幸福や平和を感じることができるようになる。主観と対象の二元論を超えると、経験とその知覚は繋がっていることが分かり、するとその繋がりの制限から解放されて自由になれる。

日常的な物の見方を変えると、絶対的な現実(absolute reality)はつかみ所が無いことが分かる。自分と世界に関する見方を変える練習を重ねると、実際に自分や世界の見方は変わるが、空の自由を感じることができるようになるには時間がかかる。しかし時間とは何だろうか。

過去と未来は観念に過ぎない。一方、現在とは何か。時間をいくら分割してみても、何が現在とは言うことができない。仏教の逸話では一瞬と永遠を同じような物だとしている。空間と時間のスケールを拡大し続けると、物理学では何が起こるか説明のつかない状態に陥る。このように、私たちは本質的には無限の可能性を秘めている。

同様に、私という概念をどのように分析してみても私というのは絶対的に何なのかを掴むことはできず、自我を構成する様々な要因を考えてみると自分という概念に対する固執が緩み、自分の思考や感情や感覚も現れるままに無限の宇宙の可能性の一つとして受け取ることができるようになる。だがそうなるまでには忍耐が必要だ。

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