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読書メモ The Joy of Living

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チベットの高僧Yongey Mingyur Rinpocheが仏教の瞑想について、仏教の素養の無い人でも実践できるように書いた本の読書メモです。彼自身が10代の頃に瞑想の実践によ…
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#マインドフルネス

読書メモ The Joy of Living 17

Part Two: The Path - Chapter 17 - The Biology of Happiness チベット仏教寺院で幼少から育つといった環境がなくても、仏教の瞑想の技術を練習することでそこから利益を得られるのだろうか? ブッダは何百、何千もの農民、羊飼い、王族、商人、軍人、乞食、犯罪者にも教え、彼らは生物学的、環境的な条件を超えて継続的な幸福を達成した。 あなたが思うことの全て、あなたが言うことの全て、あなたがすることの全てはあなたに返ってくる。誰かに

読書メモ The Joy of Living 16

Part Two: The Path - Chapter 16 - An Inside Job 遺伝的に、人間は個として生き残るため飲食やセックスなど、一時的な幸福を追い求めるようにプログラムされているようだ。しかしこのような遺伝的な傾向は上書きすることが可能であることが分かっている。より持続する幸福のために、自分を訓練することができる。 最近の研究では、繰り返し経験されたことは脳の構造と機能を変化させることが分かり始めている。 親切心や思いやりを作り出すのは大脳辺縁系

読書メモ The Joy of Living 15

Part Two: The Path - Chapter 15 - Problems and Possibilities 瞑想で心を休めると素晴らしいことが起きる。 多くの人に共通するのは喜び、明瞭さ、そして概念にとらわれなくなること。 概念に囚われないとは心がオープンになるということだ。 一方で、瞑想をしようという志は、瞑想をした結果がどうかより重要だ。 継続することが大切なので、息を吐いて吸う間だけ心を休めることも非常に役に立つ。それを何回も繰り返す。 瞑想をしてい

読書メモ The Joy of Living 14

Part Two: The Path - Chapter 14 - The How, When and Where of the Practice 瞑想にはなぜそんなに多くのやり方があるのか、どれが自分に合っているのかとよく質問される。多くのやり方があるのは人によって何が効果的と感じるかは異なるからで、どれが自分に合っているのかは試行錯誤しないと分からない。 技術的なことは問題ではない。どのように自分の心を休めることができるかが重要だ。心を観察し、心に振り回されないように

読書メモ The Joy of Living 13

Part Two: The Path - Chapter 13 - Compassion: Opening the Heart of the Mind もし私たちがお互いに対する親切心(loving-kindness)と思いやり(compassion)を育くむことができれば、法律や軍隊や警察や拳銃や爆弾は必要ないだろう。広い心を持つことは最上の安全保障だ。 仏教では、親切心によって全ての生き物が同じ喜びと自由を感じられる。知的なコンセプトとしてではなく、親切心の対照を全て

読書メモ The Joy of Living 12

Part Two: The Path - Chapter 12 - Working with Thoughts and Feelings 瞑想中に考えが沸き起こってきたら、それを良くないこととは思わずにそれは空であることを認識し、そのままにしておく。 様々な思考と感情の「狂った猿(crazy monkey)」は神経学的には人類の生き残りへの脅威に対してする反応としてプログラムされている。しかしこれら古代の生き残るためのパターンを離れて自由を発見することは可能だ。 考える

読書メモ The Joy of Living 11

Part Two: The Path - Chapter 11 - Next Steps: Resting on Objects 心をリラックスさせるために感覚を利用する方法がある。人間には五感を心が知る6つ目の感覚がある。人の心の中にいる猿を静かにさせる方法として、一つの感覚に注意を集中する方法がある。対象物を利用した瞑想では感覚を利用して心を静かにする。 肉体的感覚:瞑想中に身体の一部に意識を集中するボディスキャンをするなど。 痛みなど特定の感覚を避けようとしたり、心

読書メモ The Joy of Living 10

Part Two: The Path - Chapter 10 - Simply Resting: The First Step 仏陀の教えた瞑想は分析的、非分析的の2つに分類されるが、分析的な瞑想には教授者が必要となるため、この本では非分析的な瞑想について述べる。 対象物のない非分析的な瞑想は、あたかも仕事の長い1日を終えた後のようにリラックスして行う。思考や感情に曇らされていたとしても、仏性は常に明るく開かれた状態で存在している。あまりに普通のことと思うかもしれないが

読書メモ The Joy of Living 6

Part One: The Ground - Chapter 6 - The Gift of Clarity 仏教の見方では、空(emptiness)と意識(awareness)は切り離すことはできない。この自発的な意識を仏教の用語では明瞭さ(clarity)という。食べなければ、行かなければ、ここに居なければといったはっきりした意識がないと我々は行動したり物事を感じることができない。 明瞭さは筋肉のように育てる物ではなく、そこにあることに気づく必要がある。明瞭さ、あるい

読書メモ The Joy of Living 5

Part One: The Ground - Chapter 5 - The Relativity of Perception 思考、感情、感覚などの経験は、絶対的な物ではなく、脳が作り出す認知に過ぎないことが心理学などで分かっている。訓練によりこの認知を変更して不安や苦痛を軽減し、幸福や平和を感じることができるようになる。主観と対象の二元論を超えると、経験とその知覚は繋がっていることが分かり、するとその繋がりの制限から解放されて自由になれる。 日常的な物の見方を変えると

読書メモ The Joy of Living 4

Part One: The Ground - Chapter 4 - Emptiness - Reality beyond Reality 心を休めている時に感じる心の広がり(openness)は空(emptiness)である。仏教の空は何もないという意味ではなく、全てが出現し、変化し、消滅する無限の可能性のことである。 心をそのままにする訓練を積み重ねると、心は自然と静まるようになる。空間の広がりを感じることができるようになり、偏見なく物事が見られるようになる。 空と

読書メモ The Joy of Living 3

Part One: The Ground - Chapter 3 - Beyond the Mind, Beyond the Brain 全ての人は仏性を持っているが、それに気づかない。ニューロンの習慣として形成されたイメージで自らを見ているため、自己と他、苦痛と快楽、持てる者持たざる者と言った二元論に陥ってしまう。限界、不安、恐怖といったものはニューロンの噂話に過ぎない。この噂話の習慣は変えることができる。 Natural mind、あるがままの心あるいは仏性は言語化す

読書メモ The Joy of Living 2

Part One: The Ground - Chapter 2 - The Inner Symphony 心(mind)というのはどこにあるのか。科学も仏教もこの問に答えられない。 食べ物が美味しいとかまずいとか感じるのは脳かと思うが、そう単純ではない。 経験を繰り返すことにより脳の働きは変化させることができる。例えば犬は怖い、から犬は可愛い、と変化させられる。このように仏教の教えでは不幸へと導く考え方の癖(mental habits)を無くそうとしている。 脳は脳

読書メモ The Joy of Living 1

Part One: The Ground - Chapter 1 - The Journey Begin 著者は子どもの頃はパニック障害に苦しんだが、瞑想の隠遁生活を行う中で克服した。 チベットの仏教では聖人は生まれ変わるという考え方があり、著者も聖人の生まれ変わりであると言われている。 チベットにおける仏教の教えは師から口伝などによって直接伝えられることが重要。 著者は仏教教育と7年にわたる瞑想の隠遁生活を終え、MITなどの大学で心理学などの近代科学についても学ぶ機