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4月3日水曜日〜4月9日火曜日の日記

春休みの最後に、キャンプへ行った。新学期が始まり、子どもは新しいクラスで学び始めた。そんな一週間でした。


四月三日(水) 雷雨

四時半頃にいちど目が覚めた。そういえば昨夜も、同じくらいに目を覚ました。
トイレに行き、洗面所の椅子に腰掛けてなんとなくスマホを見ていたら、寝室から「ままー」という声がした。やっぱり目を覚ましたか、と思いながら寝室にもどる。

子どもはわたしがいないと眠れないらしい。幼稚園のお泊まり保育で、わたしと離れているのが寂しすぎて昼間から涙ぐみ(泣きながらお弁当を食べていた、と先生談)、夜は眠れずに先生にずっと添い寝をしてもらったようだ。その経験が、「ぼくは、ままがいなければねむれないんである」という思いを強固なものにしてしまった。

子ども(と相方)が出かけたあと、ストレッチと呼吸。背中をしっかりとほぐす。
朝はまだ雨が降っておらず、「予報がはずれたか。またあの緑道を歩きにいきたい」と思っていたのだが、天気はたちまちに悪化し、雨と雷がひどくなった。飛行機の欠航がたくさん出たらしい。

夕方からPTAの顔合わせ。今年、どうしたことかPTAの副会長をやることに。小学校生活二年目でなにもわかっていない。
委員さんたちはほとんどが去年からの継続の人たち、と安心していたけれど、継続の人たちも子どもたちがあと数年で卒業するので完全に「引き継ぎモード」で荷が重い。「参加できるだけで参加してもらえたらいい」と言ってくれるけれど、委員の人数がどんどん減っていく中、自分がやらなければ結局、誰かの負担になるだけだからなあ。
この数年でかなり人数を減らし、負担を減らすという流れできている。その流れを保ちつつ、誰でも気軽に出入りできるような組織をつくっていけるのがベストなのだろうな。(難しいけれど)

帰宅したのは十九時すぎ。家を出る前に仕込んでいた夕飯を一人食べた。雨の中の運転にも神経を使って、「つかれた……」というつぶやきがため息とともにこぼれた。
子どものお風呂は、いろいろ察した相方が入れてくれた。

四月四日(木) 曇り

朝、起き抜けに子どもがわたしの手をにぎり、「せかいいちかわいい手」と言った。
横を向いて寝ていたわたしは、子どものほうを向いて自分の手をみてみた。すると不思議と「世界一かわいい手」に思えてくる。
わたしも、子どもの手を握りかえし、「せかいいちかわいい手」と言った。

今日の服。黒のセントジェームスのカットソー、カーキ(グリーン)のパンツ。

子どもの学童はおやすみ。朝からドラえもんを読んだり、動画を観たり、気ままに過ごしている。

学校にいるとつねに「何かをする時間」が決まっていて、その決まった枠のなかで行動することになる。子どもを安全に預かってもらえることはとてもありがたいのだけれど、ぼんやり無目的にすごす時間も大切だから、できるだけそういう時間もつくってやりたい。

とはいえ、今日はピアノ教室で、二曲も発表することになっている。午前中に一度、午後にも一度、練習を促すと素直にがんばっていた。
「おちば」という曲がすごく難しい。けれど、もうすこしでできるところまできている。集中力が切れそうになるところを、声かけでなんとかつなぎとめる。つまずくところを繰り返し、繰り返し。なんとかできそうだ。

三時のおやつをピアノ教室の近くのスタバで食べることにして、はやめに家を出発した。スタバに着くといつもどおり人が多かったけれど、子どもが良い席を見つけてくれて、無事におやつを食べられた。モバイルオーダーしたドーナツと飲みものをささっと。開始時刻にぎりぎり間に合った。

発表本番。練習不足感はあったけれど、「おちば」という悲しい曲と、もう一曲の楽しい曲のコントラストがきちんと表現できていて感心する。

子どもの「おちば」には悲しく寂しい気持ちがのっているように聴こえる。(本人はいっしょうけんめい弾いているだけなのだが)
この子はピアノが抜群に巧い、というわけはないけれど、ピアノで表現する力がある。悲しさや楽しさを表現する方法を、言葉や表情のほかに身につけつつあるのかもしれない、と思った。

帰宅後、お願いしてもう一度弾いてもらったら、やっぱりきちんと悲しくて(そして教室で弾いたときよりも上手に弾けていて)感動し、ちょっと泣いてしまった。

あなたはピアノで表現する力を持ってる。それはとてもすてきな武器だよ、と言うと、「ぶきー?」と変なの、という風にいうので、「それは強みだよ」と言い換えた。

四月五日(金) 晴れ

五時半。子どもの「へい、Siri!いまなんじ?」という声で目覚めた。(わたしが答えた。)今日はキャンプに行く。行き慣れたキャンプ場で、チェックインは昼。早起きをする必要はないと伝えていたのだけれど。たのしみで目がさめてしまったらしい。(案の定、子どもはこのあと暇をもてあましていた)

朝食を食べ、ゆっくりと準備をし始める。いつもながらキャンプに行く朝とは思えないのんびり具合だ。キャンプ道具は一階の納戸に納まっている。そこからデッキに運び出し、横にとまっている車に積む(相方が)。あとは着替えと洗面道具をそれぞれ準備するだけなので、さほど時間がかからない。

以前はアウトドア用品が一カ所におさまっていなかったので、一階からあれ、二階のあそこからあれ、という風に必要な道具をピックアップしていくのも大変で、忘れ物も多かった。一階にまとめたことで、積むときだけでなくおろした後もラクになった。
荷物の積みおろしのハードルが下がると、キャンプに行くハードルもぐっと下がるなと思う。

子どものリュックは、なにを入れたのか知らないがぱんぱんだった。(本、お絵かきぬりえセット、折り紙、望遠鏡などだった)

十時半頃、相方がおいしい肉を買いに行きたい、と言い精肉店に出かけていった。十一時ごろ帰宅。

ねこのごはんや水のチェックなど、最終確認をして、十一時すぎに出発。途中サニーに立ち寄り、飲み物とおやつ、お昼ごはんを買う。

昼過ぎに到着。前回とおなじ場所にテントを立てる。平日なので、前回よりも空いている。前回は、強風でなかなかタープが立たず大変だったが、今回風はなく暑くもなく、スムーズに立てられた。

設営後の食事はほんとうにおいしい。田舎のキャンプ場に行った時には、だいたい近くの道の駅でおにぎり弁当なんかを買う。地元のパン屋さんのパンとか。ちょっと感動するほどおいしいく感じる。

相方の友人クリとその息子のYくん(中2)は15時半ごろやってきた。
関東から帰省していて、明日もどる予定だという。

二人は昼食を食べておらず、おなかがすいた、というので、相方が七輪で肉を焼き始めた。ひとしきり食べたあと、紙飛行機大会が始まった。相方が紙の束と紙飛行機の本を出し、
「さて、だれがいちばん飛ぶ飛行機をつくれるでしょうか!」
と言うと、なぜか色めきたつ男子たち。まったく理解できない。やっぱり男性と女性は脳が違うんだろうか。七歳とティーンと五〇近くのおじさんたち、みんなめちゃくちゃ楽しそうだった。

子どもは最終的に紙をぐしゃっとまるめて、「みて!ごみひこうき!」と言ってなげとばしていた。

男たちが夢中で紙を折ってとばしているうちにコーヒーが入ったので、おやつタイム。あっという間に時が経ち、一八時ごろ、二人は帰って行った。Yくんも車のなかから大きく手をふってくれた。

日はかたむいているけれどまだ明るい。相方は焚き火の準備を始めた。
先日「切りすぎ事件」でもめごとになった庭木の枝を、相方がほどよいサイズにカットしてまとめていたのをいくつか持参していた。薪といっしょにくべるとよく燃える。なんてエコなんだ。

夕飯は引きつづき焼き肉。お米も炊きあがり、白米といっしょに。どのお肉もおいしかったが、野菜を買いそこねていたことだけが残念。次のキャンプでは葉物野菜がほしい。

夕飯を食べているうちにすっかり日が暮れ、肌寒くなってきた。子どもに上着を着せ、焚き火を再開する。炎が小さく、「太い薪に火がなかなか燃え移らないね」と相方が言った。
その言葉と、枝の様子を見て、なにかがピンと閃くように思い出した。
わたしは、実は、焚き火が得意なのだった。
燃えている木や枝の隙間に細かい枝をくべ、隙間をうめていく。

火が燃え移りそうなところに燃える「機会」をつくっておくのだ。せっかく火がついても、そこに「機会」がなければ燃え広がらないのだよ、というようなことを語り始めるわたし。

わたしは子どものころ、よくキャンプにつれていかれていた。
ほとんどがグループキャンプで、親戚を中心としたそのグループには、いつも謎のおっちゃんが参加していた。謎のおっちゃんは焚き火マスターで、子どもたちに焚き火の極意を伝授していた。わたしも、その使徒のうちの一人だ。
ということをふいに、ものすごくひさしぶりに思い出した。

枝をすきまなくくべ、うちわで風を送るとぼわっと大きな炎があがった。子どもは驚き、相方は「炎の魔術師」といった。悪い気はしない。

持参した庭木の枝二束は、あっという間になくなってしまった。
あたたかい焚き火に夢中になっているうちに、普段の就寝時刻である二十一時をすぎていた。

四月六日(土) 晴れ

深夜二時、子どもがトイレにいきたいと目をさました。とても機嫌がわるい。眠くて行きたくない、けど我慢できない、でも寝たい、そして足もなんか痛い、とのこと。
なんとか靴をはかせ、テントの外にでた。

夜の山の空気は、すこし湿っているのにすーっとしてきれいな感じがする。子どもに「はい、だっこ」といって両手を出すと、素直にだきついてきた。冷たい耳が頬にあたる。子を抱っこした時の、この感触がすきだ。
「星、見える?」と声をかけながら、125cm以上ある子をだっこでなんとかトイレまで運ぶ。テントが少なかったから、足下がみやすくてよかった。

トイレをでて、また「だっこするよ」と言うと子どもは「いいよ、ままだって足いたいでしょ」と言った。(わたしも足がつかれている)「いいの」と言ってだっこすると、こどもは行きよりもぎゅうと抱きついてきた。しかし縦に抱いては歩きづらいので、ほとんど横向きに、長めの板を運ぶ感じで子どもを抱いて帰った。

朝七時ごろ起床。若いころよりも、キャンプの時の眠りが浅くなっている気がする。顔を洗いにいった洗面所で、鏡に映っためったに見ないむくみ顔に驚く。(山の気圧のせいだろうか)

テントでは相方が朝食の準備を始めていた。相方はほうれん草と卵炒め、ウインナーを担当。わたしはコーヒーとホットサンドを担当。いつもの週末の朝食とさして変わらない内容だけれど、山で食べる朝ごはんのなんとおいしいことよ。寒くて長い夜を超えたあとだから、よけいにそう感じる。

コーヒーを飲み終え、すこしずつ撤収作業を始める。まずはテントの中を片づけ、外に出す。インナーテントをたたみ、グランドシートを干す。晴れていてよかった。

九時ぐらいから片づけをして、十一時のチェックアウトちょうどに撤収完了。焚火台の片づけもあったわりにはスムーズだった。子どもが自分の荷物を片づけたり、運んだり、ペグを拭いたり、戦力になってくれている。

昨日から子どもと約束していたので、上にある公園でソフトクリームを買ってあげた。苺とミルクのマーブルがいい、と言うのでそれを。

相方はアイスコーヒーが飲みたい、というのでスタバで、ついでにわたしもフラペチーノを買う。撤収後のフラペチーノが体に沁みわたるようだった。

おのおの食べ終え、飲み終えて、帰途につく。
車に乗りこむとき、ごく自然に「たのしかったー」と声がでた。

帰宅して軽く片づけをする。子どもはさっそくタブレットを立ち上げて動画を観ている。わたしと相方は、疲労でぐったり。体のあちこちが痛い。子どもだけが元気いっぱい。お風呂に入ってはやめに寝た。家のベッドはほんとうによく眠れる。

四月七日(日) 晴れ

今日の服。黒白ボーダーのバスクシャツ、白いデニム。

疲れて寝ていたかったが、相方の希望で早起きをして長丘のサイラーへ。先日よりちょっと遅れたけれどなんとか席についた。先日の学びを生かし、先に喫茶で席をとる。わたしと子どもは、奥の静かなほうの席へ行きたかったのだけれど、相方がざわざわした手前のほうの席を選んだ。顔を見合わせ「なぜ?あっちのほうがよくない?」とアイコンタクトをする子どもとわたし。しかし相方が先に席にいってしまったのでしかたなく席につく。子どもはずっと「ざわざわしておちつかない」と不満そうだった。わたしも同じように思った。

カイザーサンドとコーヒーはおいしかった。

帰りにイオンへ行く。新学期に必要なものを買い、無印で肌着と、レトルトカレーとナンのキット。今日の夕飯用。無印のカレーは異様においしいのだ。

金曜日にキャンプをしているとき、親友のAちんからLINEが来ていたのを思い出した。「あやちん、朝ドラをみてほしい」と。
この人から連絡がくることは滅多にない。たまーに、手紙が届くくらいだ。よほどのことだなと思って、先週分の朝ドラをNHKプラスで一気に観る。

主人公は日本で初めて弁護士、そして裁判官になった女性をモデルにした「寅子(ともこ)」。
この人の生きづらさがすごく自分みたいで、驚いた。
結婚することがイコール幸せだとは自分は思えない、だとか、女はしたたかに、と言われてがんばるけれどうまくできないし、そもそもなんで「女は」したたかでいなきゃいけないんだよ、とムカついてきたり。女性だからこうあれとか、こうしろとか、そういうことにいちいち「はて?」となるタイプ。

「母はとても優秀で、家計のやりくりを担っているのも母だが、それでも法律上、母は[無能力]なのか」
と法科の先生に問う場面、おもしろいなと思った。彼女には、おかしいぞと思ったことについて問いをたて、言葉にできる賢さがある。わたしと寅子はとても感覚がちかいな、とは思うけれど、問いをたてられる賢さや、母に直接自分の思いを伝える素直さは、わたしにはなかったなと思う。もっとはやく寅子に出会いたかった。

夜はナンを焼いた。こんなに簡単でおいしく焼けるのか!(パンとちがい発酵がいらない)子どもも相方もおいしいと言って食べていた。
今度はバターやチーズを使ってもっとおいしいのを作りたい。

四月八日(月) くもりのち雨

今日から新学期だ。
昨晩、「あした楽しみだね!」「どんなおともだちがいるかな?優しい先生かな?きになる!」「何組だとおもう?」など話しながら寝たからか、六時半のアラームの前に子どもはぴょんと飛び起きた。

ちなみにクラス予想は、子どもは三組、わたしは二組。
気になってしかたがないので、クラスがわかったらのろしをあげて知らせてほしい、と言うと「のろし?」ときょとんとしていた。

始業式の日は学校が午前中で終わり、そのあとは学童に行くのでお弁当をつくる。
お弁当も最終日。はりきって、おにぎりと野菜の肉づめと唐揚げ、卵焼き、ブロッコリーをつめた。おにぎりは子どものリクエストでゆかり味だ。よくがんばりました、わたし。

今日の服。水色のコットンニット、ブルーデニム。

午前中、ライタースクールのおしゃべり会を聴きながら仕事。子どもが学校に行ってくれたので、かなり頭がすっきりして、仕事が捗った。子どもが目の前にいると、どうしても脳みそを子どもに使おうとしてしまうみたいだ。

おしゃべり会の中で、イオさん(師匠)が、「人の人生の物語を書くっていうのは、『詳しい職務経歴書』を書くことじゃないからね」と言った。参加していたそれぞれが、「いやほんと、そのとおりで……」という表情をしていた。
今、まさに人生を聞かせていただいた記事を書かんとしているところ。良い記事にしたい。

終了後も仕事。その後、雨が降っていたので約束通り車でお迎えにいく。
子どもにいちばんに尋ねたのはもちろん、何組だったかということ。
「2くみ!」
わたしの予想が的中。なんとなくそんな気がしたんだ。

それから、担任の先生の名前と(「ちょっとベテランってかんじ」らしい)、どのお友だちといっしょで、どのお友だちと離れたかなど。
家に遊びにきてくれたTくんとは離れてしまったそうで、残念。子どもはけろっとしている。

四月九日(火) くもり

最近の関心ごと。メダカのたまご。野良猫の妊娠。

夕方は体操教室。
開脚前転や後転が上手になっている。できることが増えている。
子どもは逆立ち(壁に足をつく)ができていなくて、教室の隅の壁でえんえんとその練習をしていたら、すこしずつできるようになっていた。数十回やっていて、腕が痛くならないか?と心配になるほどだったけど、教室が終わったあと「もうすこし練習してくる!」と言ってさらに練習していた。

終わった後、まったく疲れが見えない。息をはずませて「たのしかった!」と言っている。まったくできないというところから始めているから、指導を受けて毎回できることが増えていく。楽しくてしかたない時期だろう。

「できるようになったら、できないって状態にはもどれないからね」
いつかの中川ワニさんの言葉をまた思い出していた。

お風呂のなかで、新しいクラスの話をきく。子どもが「先生、ちょっとふざけたところがあって、おもしろいっちゃん」とうれしそうにいった。ふざけた先生、いいな。会うのが楽しみだな。

子どものことば。(クラスに新しいお友だちはできた?と尋ねたら)
「友だちつくろうとしなくていいんだよ。そのうちかってにできるんだから。」

一人でも、休み時間はとりあえず運動場に出て、前のクラスのお友だちに遭遇したら遊ぶのだそう。誰かに会えるかもしれないからとりあえず外に出る。それ、とてもいいな、と思った。

(次回は 4月24日水曜日 に更新予定です)



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