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WORKS_これまでのおしごと

わたしはこれまで、フリーでウェブ制作を行いながら書くお仕事をしてきました。「本業はあくまでウェブ、書くことは副業」そんな感覚でいました。

ですが、歳を重ねるごとに書くことがどんどんおもしろくなってきて、「書くお仕事の方に軸足を移したい」と考えるようになりました。(ウェブもおもしろいのですが、わたしにとって書くことはそれを上回るおもしろさがあります)

そのために何から始めればいいのか……?と、一瞬考えましたが、よくわからないので、ひとまずわたしがこれまでやってきた「書く」お仕事をまとめてみます。


KEMONOTE ケモノート

誌面の写真は副編集長でもあるカメラマン中村紀世志さん撮影

福岡県の南端にある小さな動物園、大牟田市動物園を勝手に応援するフリーペーパー『KEMONOTE(ケモノート)

立ち上げから、企画、編集、取材、執筆、デザインまでを行っています。
2015年に創刊し、最新号は7号。福岡市内の書店、カフェなどを中心に配布。設置店の一つであるジュンク堂書店福岡天神店では設置するとすぐに無くなってしまうほど好評をいただいています。
2016年には「日本タウン誌・フリーペーパー大賞 新創刊部門最優秀賞」を受賞しました。

オモテ面には表紙となっている動物の記事を
ウラ面には飼育員さんのインタビューを掲載

今ではずいぶん浸透してきた動物福祉のための取り組みにいちはやく向き合って来られた大牟田市動物園の椎原園長、そしてスタッフの皆さん。その誠実さと謙虚さに取材に行くたびに感動しています。

大牟田市出身ということもあって、ご縁をいただきこの企画を形にすることができていますが、住んでいた頃よりもずっと「大牟田市動物園のある」大牟田のことが好きになりました。

ケモノートを手にした人が、動物だけでなく飼育員さんに会いに大牟田市動物園を訪れたくなる。そんなフリーペーパーを目ざして制作しています。

スワン通信

vol.2 の表紙は、写真家いわいあやさんによるもの

こどもびいる」などで知られる佐賀県小城市の飲料メーカー友桝飲料さんの社内報『スワン通信』の立ち上げ、企画・編集・取材執筆・デザインと撮影を行っています。(「こどもびいる」始め数多くの友桝飲料さんの商品企画・デザインを手がけるウィローさまからご依頼いただきました)

読者はおもに社員とその家族。(就活者向けの説明会でも配布)
中で働いている人には見えづらい会社のチャームポイントを、部外者として、また飲料の素人として見つけ出すことを大切にしています。

2016年に創刊し、今年 1月に22号を発行しました。(現在23号を制作中)

人気企画の一つが、毎号一人ずつ、社員を紹介する「トモマスの人」です。
よくやりとりする、名前だけは知っている、社内の「あの人」がどんな思いで仕事をしているのか・・・どんな大変なことがあって、どんなやりがいを感じているのか。同じ会社で働く人のそういった「いきさつ」を知る機会は案外ないものだと思います。

読んだ人だけでなく取材を受けたご本人にも、何かが心に残るような記事を目ざしています。

Webコラム 「にこりの物語」

にこりを立ち上げた松丸実奈さんとにこりを利用された3家族にお話を伺いました

医療的ケアが必要なお子さんをお持ちのご家族とそのお子さん自身に寄り添った福祉サービスを行う、福岡県岡垣市にある「NPO法人にこり」さんのWebコラム『にこりの物語』を取材、執筆しました。
(「にこり」の素敵なWebサイトを制作されたy2さまからのご依頼)

代表の松丸実奈さんに、にこりを立ち上げることになったきっかけの出来事や利用者のご家族との思い出を伺い、そのお話の中に登場したご家族、お子さんにスポットを当てて取材しています。

中には亡くなったお子さんもいらっしゃいますが、その子が亡くなったことについてではなく、確かに生きていたこと、その人生がとても豊かなものであったこと、今もご家族や関わりを持った人たちの中に生き続けているということを書きたいと思って取材に臨んでいました。

取材させていただいた方たちと何かが通じ合うような、貴重な経験をさせていただきました。

Neverland Diner 二度と行けない福岡のあの店で

 2023年2月に発刊されました

『Neverland Diner 二度と行けない福岡のあの店で』は、都築響一さんが、100人の記憶の中の「二度と行けないあの店」をまとめた『Neverland Diner 二度と行けないあの店で』のローカルスピンオフ企画です。

この企画に、寄稿者の一人としてエッセイを執筆しました。(文喫福岡天神 ディレクター 今村さまからのご依頼)

文喫福岡天神にて発売されている冊子をお読みいただけると嬉しいです(通販で購入可能)

2005年に起きた福岡県西方沖地震の日のことを、薄れつつある記憶を辿り、また事実確認を慎重に行いながら執筆しました。

この記事を書くために足掻いていた記録が、このnoteのマガジン「書けない日記」です。(整理する前のものなので読みづらいですが、これを読んで本編を読むとまたちがった楽しみがあるかもしれません)

ごくごく個人的なことを、ここまで素直に書く機会をいただけたのはとてもありがたい経験でした。読んでくださった方たちからもとても良かったと感想をいただいています。自分でもすごく気に入っています。

fu:fu フウフ

毛糸で結び切りを作る作業は夫にやってもらいました

ケモノート、スワン通信、そしてにこりの物語。これらのお仕事をさせていただくきっかけとなったのが、2011年にはじめて制作したリトルプレス『fu:fu(フウフ)』です。

20代後半に差し掛かり、周囲に既婚者が増えてきて、嫌でも「結婚」というものを意識せずにいられなくなってきた頃。

巷の結婚情報誌にはわたしが知りたい結婚情報がぜんぜん載ってない!
と怒(いか)りながら企画したのがこの『フウフ』(別名「夫婦本」)でした。

目ざしたのは「結婚したその後の二人が結婚を続けていくための、結婚情報誌」。

写真は趣味で撮っていましたが、冊子のデザインは未経験。取材執筆もド素人でしたが、デザインの先生、取材させてくれた方、誌面に登場してくれた方、アンケートに回答してくれた方などなど、たくさんの方たちの協力を得て、2011年2月の自分の結婚に間に合うよう制作することができました。

結婚式や披露宴をしなかったので、「結婚しました」の報告代わりに家族友人に配っていたのですが、思った以上に好評で、2012年に福岡のzine・リトルプレスのイベント「10zineに出品することに。
読んだ方からたくさんの「おもしろかった!」とのお声(たまに涙声)をいただきました。

個人的なモヤモヤから始まった企画が、そんな経緯を知る由もない人たちの心を震わすことがあるのだな…と、書くこと・それをアウトプットすることのおもしろさを知ることができました。

憧れのご夫婦に取材をさせてもらった記事。
亡くなった旦那さんをずっと大切に思っている友人のおばあちゃんへの取材
「みんながどうやって仲直りしているのか知りたい」という夫の言葉から生まれた企画

ものすごく拙い文章、構成、デザインなのに何度読み返してもおもしろいのが不思議です。

この冊子を読んで結婚を決めた」という友人がいたり、「夫婦関係がしんどい時に読んでいる」という方もいらっしゃって、作者冥利に尽きます。

特に「おばあちゃんにきいてみる」という記事は、おばあちゃんから天国のおじいちゃんに宛てた手紙(スキャンして掲載)を含め、今思えば奇跡の企画だったなと思っています。

初対面のおばあちゃんに、柳川のご自宅で長時間取材をさせていただいた経験は、確実に今につながっていると感じています。
(「うちのおばあちゃんを取材してください」と情報提供してくれた当時の同僚Sさんに感謝)

お仕事まとめ、おわり

長々と読んでいただきありがとうございます。

これまでのお仕事を一つずつ思い出していたら、そこに関わってくれた、応援してくれた人たちの顔が浮かんできました。

書いたり作ったりすることは、自分一人ではできない。

普段一人で仕事をしていて、ウェブとライティング仕事の納期が重なりながらもそれをなんとか仕上げられた時、すぐに「天才……」と調子に乗ってしまう自分が、ちょっと恥ずかしくなりました。

いただいた仕事はどれも自分の作りたいように、書きたいようにやらせていただいていて、本当にわたしは幸運、出会う人に恵まれすぎていると思います。

これからも自分の書きたいことを書いていきたいので、技術はもちろんのこと、信頼してお話を聞かせていただけるよう、人柄を磨いてまいります。

文章を通して、さらにたくさんの方と出会えることを願っています。

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