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「違うこと」をしないこと(マガジン3)

プロポーズを断られてから、半年ほど経った頃。
ヨガに週2、3通って、自分の感情を見つめることにも慣れてきたし、
玉砕したショックも、随分やわらいできた。
そんな時に大好きな吉本ばななさんの、
『「違うこと」をしないこと』という本を読んだのが始まりだった。
この本から、フィンドホーンへの流れができた気がする。

”本来の自分と違うことをしていると、人生はどんどんズレていく。
だから自分の直感にそって、流れにのっていくことが大切”


”流れに乗っている時は、なんの準備もしていないのに、自然と行く流れになっていたりする。「気づいたら、そうなっていた」みたいなのが、本当の流れじゃないか”

そんなことが書かれている本の、最初の対談相手がプリミ恥部という方。
「プリミ恥部」?
しかも、やってるのが「宇宙マッサージ」。
説明を読むと、
「愛のエネルギーをつかって、人が制限しているエネルギーのゲートを駆除して、宇宙と繋げて本来の生き方ができるようにする」
…。
あやしい。。。
でも、なんか面白そう。


検索したら、約2週間後に宇宙マッサージをするイベントがある。
よし、行ってみよう。と、ふと思った。
即座に申し込みを済ませた。

イベント当日。
小さなライブハウスには、100名くらいの女性がぎっしり。
そこで、近くにいた女性が話しかけてきてくれた。

「今日は新潟出張だったけど、プリミさんのイベントだったな〜と気づいて。早く戻ってこれたから、宇宙タイミングだな、って思って来たんです。」

新潟からの出張帰りに、わざわざ来たの??
しかし、彼女はプリミ恥部さんについて熱く語るわけでもなく、
うふふ、と笑っているだけ。
ゆる〜い雰囲気に、私もちょっと緊張がゆるんだ。

列の配置の関係で、私はその彼女と一緒に宇宙マッサージを受けた。
目を閉じてプリミさんの前に立つと、1、2分ほど背中に手を置かれる。
するとなんとなく、体がゆらゆら揺れ始める。
「これ一体なんだろう?」というおかしさや楽しさがこみ上げてきて、
目を閉じまたまま、私は笑顔になっていた。


彼女とはイベント後も一緒で、LINE交換をして。
同じ方面ですね、と話して駅に向かっていたのだけど、
途中で彼女は「なんか、タクシーで帰りたくなっちゃった。またね!」と、
軽やかに道路を渡って去って行った。
唐突すぎてあっけにとられた後、私はちょっと笑ってしまった。

思いつきでイベントに参加するのは、久しぶりのことだった。
そこで知らない人と話して、なんとなく仲良くなるのも、久しぶり。
さっきの彼女のマイペースな雰囲気、憧れるなぁ、と思った。

すごく、自由な感じ。
まだ知らないものに出会う感覚。

私は、高校時代、イギリスに短期留学した時を思い出した。


普段は聞き役の自分が、英語だと、どんどん喋れる。
初対面の海外の人にも話しかけちゃえる。
イギリスではお弁当がリンゴとパンだけだったり、
雨で服が濡れたら、「ダンスして乾かすわよ!」と皆で踊ったり。
日本じゃあり得ないけど、これもアリなんだ!
新しい発見をする楽しさ、好奇心が止まらなかった日々。

プリミ恥部さんの宇宙マッサージは、
本来の自分を発掘して、磨き上げるもの。
私の場合は、10代の頃の、
世界にワクワクときめいていた感性が、
出てきたのかもしれない。

その状態のまま、翌日、とある作家さんの講演会へ。
私が大学時代から大好きな、憧れの作家さん。
その彼女が昨年、深く傷つき、人間不信に陥ってしまった時、
スコットランドにあるスピリチュアルな共同体「フィンドホーン」に行って、そこで素晴らしい経験をした…
と話をしてくれた。

フィンドホーン?
行くと、人生に変化が起きるの?

まず、思ったのはそれだった。
昨日のワクワクがよみがえってくる。
フィンドホーンについて聞いたのは初めてだったけど、
「行ってみたいかも」と感じた。

ものは試し…と調べたら、
通訳付きでフィンドホーンまでアテンドしてくれる人のHPが見つかった。
10日間ほどの滞在なら、仕事は調整できる。
来年からは収入が減るから、お金に余裕があるのは今だけだ。
…行けるんじゃない?行くなら今じゃない?
どんどん気持ちが高まって、
翌月、私はフィンドホーンに行く申し込みを済ませてしまった。

フィンドホーンが、世界でも有名なスピリチュアルの共同体であることも、どれだけの智慧にあふれているかも知らないまま、
「なんか面白いかも!」
という、ひらめきだけの行動だった。


つづく


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