見出し画像

#1-14 プロマネマインド三大柱 その2「状況の言語化」

独断と偏見による「新・プロジェクトマネジメントマインドの三大柱」。
今回は、二つ目の柱「状況の言語化」についてのお話です。

プロジェクトは複数人での活動なので、どこかしらでプロジェクトメンバー間のズレは起こってしまうものです。

個人のレベルも熱量も環境も全く違うので、ロボットのように画一的で平らアウトプットが出てくる、という活動ではありません。

ズレの中でも、致命的な問題になりやすいのが、認識のズレです。

同じ説明でも、各人に想定とは全く違う受け取られ方をしてしまうと、アウトプットのズレから問題に繋がるリスクがあります。

水掛け論が始まって人間関係のトラブルになってしまうことも。

そういった事態を避けるためにも、「いかにわかりやすく伝えるか」が大事です。
そして、その中でも「状況をわかりやすく伝える」、つまり「状況を言語化すること」が非常に重要です。

「状況を言語化する」とは、
 「本質を理解した上で、
  相手側にとってわかりやすく必要な情報を、
  簡潔に伝える」ことです。

「事実を羅列すること」ではないのですが、時系列での説明になりがちなんですよね。

出来事を時系列で丁寧に説明しても、相手が正しく理解をしてくれる可能性は低いです。
「時系列で語られる内容を理解する」というのは、アニメやドラマの視聴のような集中力を相手に求めます。

一方的な説明になりがちなので、対話というコミュニケーションにおいては、よほどストーリー立てて語れるスキルがないと、かえって伝わりにくい説明になってしまいます。

主観を入れないようにしたり、感情的にならないようにしたり、簡単なようで難しいことです。(私も、克服しようとトライしている真っ最中です)

今回は、言語化のコツとして、2つのフレームワークをご紹介します。

MORSの法則

Measured :「計測」……数値化できる
Observable  :「観察」……誰が見てもどんな行動をしているかがわかる
Reliable  :「信頼」……客観性がある
Specify   :「明確」……何をどうするかが明確になっている
 の頭文字を取って、MORSの法則と言います。
MORSの要件を満たすことを意識して、言語化をします。

MORSの法則は、部下への指示の仕方のコツとして紹介されることもあります。

SMARTの法則

Specific    :「具体的」
Measurable   :「測定可能」
Assignable  :「達成可能」
Realistic   :「関連性」
Time-bound  :「期限付き」
の頭文字を取って、SMARTの法則と言います。

MORSの法則同様、SMARTの要件を満たすことを意識して、言語化をします。

SMARTの法則は、チームのパフォーマンスを評価する際に使用されることもあります。


どちらも共通しているのは、出来事を時系列で語ることではないんですよね。
出来る限り物事の本質を理解して、それを言語化することが大事です。

「現状を言語化」の良い例

個人的に「現状を言語化」で、すごく良い例だと思っている本の内容があるので、ご紹介します。

 ビバリーヒルズ高校でジャーナリズム入門を教えていたのは、チャーリー・O・シムズという先生だった。最初の授業の内容は、リード・パラグラフ(導入部)の書き方。記事の要旨を簡潔にまとめることが大事だ、とシムズは言った。いつ、誰が、何を、なぜ、どのようにしたのか。最初の数行で情報の本質を伝えなくてはならない。シムズは、生徒たちに話の要約を書くという課題を与え、次のようなストーリーを読み上げた。
「ビバリーヒルズ高校のピーターズ校長は、今朝、職員一同に研修旅行の知らせを告げた。来週木曜、職員全員でサクラメントへ行き、新たな教育メソッドに関する会議に参加する。当日は人類学者のマーガレット・ミードや教育学者のロバート・M・ハッチンズ、カリフォルニア州知事のパット・ブラウンによる講演も予定されている」
 生徒たちはタイプライターに向かい、いっせいに要約を書き始めた。
「マーガレット・ミード、ロバート・M・ハッチンズ、ブラウン州知事は、教育会議に参加し……」
「来週木曜日、高校の職員一同はサクラメント……」
 シムズは生徒たちの要約に目を通してから教卓に置き、どれも駄目だ、と首を振った。そしてこう言った。
正しい要約は、「来週木曜は学校が休みだ」。

『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン著
第6章 洞察 ー情報の本質をつかみとる

この文章を読んだとき、ナルホド!と膝を打ちました。

導入部分に「来週木曜は学校が休みだ」とあり、研修旅行についての補足説明が続く文章と、単に文章を短くまとめただけの文章だと、伝わり方が違ってくると思います。


個人的には、「大喜利」にも状況を瞬時に言語化するスキルが必要だと考えています。

本質を掴んだうえで、敢えて少しズラした答えをしていることで、笑いが起きるのだと思います。

私の場合、上手な大喜利は、ただ面白いだけではなくて、「すごい」という感想にもなります。

だから、というわけではないのですが、私はお笑い芸人さんが結構好きです。渋谷凪咲ちゃんも。(NMB48卒業おめでとうございます🌸)


この記事が参加している募集

#PMの仕事

1,216件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?