#2-12 プロジェクトの目的を決める
「ヒト」に関するテーマが長く続いていましたが、今回から「プロジェクトの目的」に関するテーマが続きます。
プロジェクトに集められたメンバーはそれぞれ、プロジェクトの活動をするにあたり、目指す方向性を一致させていく必要があります。
そのためには、プロジェクトの目的が何なのかを明確に定義して、それをメンバーに共有する必要があります。
以前も、目的を明確に定めることの重要性についてまとめていましたが、目的の定義って、本当に大事です。
個人レベルにおいてはどんな目的でも問題になりませんが、ビジネスのプロジェクトマネジメントにおいては、下手な目的と上手な目的はハッキリと分かれます。
ビジネスにおいては「利益を出す」という命題が前提で、具体的な目的まで上層部が既に指定している場合もあれば、そうでない場合もあります。
では、上手なプロジェクトの目的は、どのようにして決めていけばよいか。
これは、いくつかのフレームワークはありますが、決定的な方法があるわけではなく、正解のない問題です。
そして、プロジェクトが存在するためには、目的は誰かが必ず決めないといけません。
(PMがその役割を担うこともありますが、業界や企業によって変わります)
「プロジェクト」は「独自性のあるプロダクト(製品)やサービスを創造するための有期的な活動」です。
独自性のあるということは、何かの作り方を全て真似して創造することは出来ません。
一部を参考にしたり、アイディアを掛け合わせることはありますが、それでも、最終的なゴールは未知なモノです。
不確実性のある未知なモノを創造するので、目的の決め方にも、多少の未知な部分は含まれます。
とはいえ、歴史上、数多のプロジェクト活動の知見が溜まっていることで、フレームワークや目標の決め方のセオリーを学ぶことは非常に参考なります。
ステークホルダーの要求事項の確認
ステークホルダーの要件事項は、ヒアリングして把握しておくことが重要です。
会社の偉い方々はそれぞれ何を求めているか、ということを把握し、その要求に応える目的でなければ、会社の中のビジネスとして成り立ちません。
↓ ステークホルダーについては、下記記事
各ステークホルダーの要求の内容が衝突する場合は、優先順位をつけて、応える要求を選定します。
SMARTの法則
以前、状況を言語化するためのフレームワークとして「SMARTの法則」を紹介しましたが、「SMARTの法則」も有効です。
ゴールから考える
どんなプロジェクトでも、プロジェクトの活動によって、それまでにない”何か”を創造する、という点は共通しています。逆に、現時点では、その”何か”がないために、プロジェクトは生まれます。
プロジェクトが成功した時点と現時点のギャップを埋めるのが、プロジェクトの成果物であり、プロジェクトの存在意義です。
また、目的が決まったあと、実際の活動が上手く進まない際にも、ゴールから逆算して、今出来ないことや足りないことをどうすれば達成できるか考えて、制約や課題をクリアしていくことも重要です。
6W2H
5W1Hは良く聞くと思いますが、それにWhomとHow muchを加えた6W1Hを考えることで、目的がより明確になります。
What :何を
Why :なぜ
When :いつまでに
Who :誰が
Whom :誰のために
Where :どこで
How :どのように
How much :いくらで
6W2Hの中でも、一番重要なのはWhyです。
Whyが変わると、他の5W2Hも変わってしまうくらい根幹になるものです。
これ余談なんですけど・・・
プロジェクトの目的の決め方について、ChatGPT(3.5)に質問してみたのですが、かなり適切なアドバイスだと思いました。
まず、「後輩への説明」という条件で質問してみました。
▼ChatGPT3.5先生
『PM BOK』の内容を学習したのでしょうか、教科書のお手本のような回答です。次に、「小学生でもわかるような簡単な内容で」という条件を付けました。
▼ChatGPT3.5先生②
小学生のクラスの目標決め方みたいですが、「上手な目的な決め方」は、プロジェクトマネジメントに限らず、どんな分野でもとても大事なことですね。
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