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#2-3 ステークホルダーの特定

前回(昨日)の記事で、「ステークホルダーの特定」のプロセスを早い段階で行うことが大事、という話をしました。

「ステークホルダーの特定」で利害関係者をの全貌を明確にしたのちに、「プロジェクトチーム構成」という流れになります。

この図で記載されているのは、一般的な例なので、実際の事業会社でどのような方々がステークホルダーとして定義されるかは個別に決まってきます。

しかし、共通する内容として、役割によっていくつかのカテゴリーに分けることができます。一例ですが、下記に記載します。

顧客
:プロジェクトの成果物を承認する。ここで言う顧客とは、モノやサービスの利用者ではなく、プロジェクトにモノやサービスの開発を依頼する発注者の方です。

スポンサー
:資金や資源をサポートする個人やグループのこと。会社にもよりますが、取締役会など、会社のエライ方々を指すことが多いです。

PMO(Project Management Office)
:プロジェクトマネジメントを支援する組織。プロジェクトに関連したガバナンス(管理体制)やプロセスを標準化し、資源・セオリー・ツールなどを提供する。



プロジェクトマネジメントの世界においては、利害関係者をの全貌を明確にして、ステークホルダーとのコミュニケーションを効率的に機能させるために、ステークホルダー登録簿というのを作成します。
プロジェクトの活動期間中は、このステークホルダー登録簿を活用してステークホルダーマネジメントを行います。

ステークホルダー登録簿の作成のために行うステップがステークホルダーの分析です。

分析の方法はいくつかありますが、オーソドックスなのはマトリクスによる分類です。

「プロジェクトへの興味・関心(関心度)」と「プロジェクトへの影響度(権限レベル)」という二つの軸で4つに分類します。

ステークホルダーのマトリクス分類

この図は権限グリット(Power Grids)とも言われます。

一番重要なのは、「プロジェクトへの興味・関心」と「プロジェクトへの影響度」が高いエリアに属する方々です。

常に最優先で良好な関係を維持出来るようにマネジメントをします。
別の言い方をすると、それなりにコストをかけます。

反対に、「プロジェクトへの興味・関心」と「プロジェクトへの影響度」が低いエリアに属する方々には、比較的コストはかけません。基本的に様子を見つつ、必要があればコミュニケーションを取ります。

「プロジェクトへの興味・関心」が低く、「プロジェクトへの影響度」が高い方々は、満足な状態を保つ必要があります。そのため、この領域の方々の要求事項を達成することにはコストをかけます。

「プロジェクトへの興味・関心」が高く、「プロジェクトへの影響度」が低い方々は、プロジェクトに興味は持ってくれているけど、プロジェクトに関する権限を持っていないので、常に情報を伝えるという関わり方をします。

この分析の結果をエクセルなどで一覧図にしたものが、ステークホルダー登録簿です。

ステークホルダー登録簿例

マトリクス分類にはない情報として、「賛成」しているかどうかや具体的にどのような「対応」をするか、についても記載します。
他にも、「期待」「関心領域」「内部or外部」といった項目が追加されることがあります。
決まったフォーマットがあるわけではないので、会社やプロジェクトに応じてフォーマットが決まっていきます。

プロジェクト立上げ時に、作成するステークホルダー登録簿ですが、プロジェクトの進行に伴い、ステークホルダーは適宜変化し、関心度や影響度も変わってきます。
変更が発生した場合は、登録簿を適宜更新して適切なコミュニケーションを取って、プロジェクトの継続を支援してもらえる状態を保ち続けます。


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