#1-16 プロジェクトの土台は「ヒト」
プロジェクトにおいて、一番大事な根幹部分を構成している要素、いわば土台って、何でしょう?
色んな考え方があると思うのですが、私の経験上の意見は「ヒト」です。
例えば、学校の文化祭でも、「文化祭実行委員」みたいな役職の人を集めるところからスタートしますよね。
(学校の先生が、会社で言うところの役員みたいな感じ)
『ビジョナリー・カンパニー2』という会社経営に関する本でも、人材の重要性を述べています。
スケールが大きい話ですが、シンガポールが経済発展したのも、ヒトに最大限の投資をしたからだと言われています。
資源も何もない国だったので、国を復興させるときに国家予算の大部分を教育費に充てたという国家戦略で、見事に経済大国になりました。
『なぜ? シンガポールは成功し続けることができるのか』という本で丁寧に解説されているので、シンガポール旅行のお供にぜひ。
私自身の体験上でも、上手くいくプロジェクトには必ずキーパーソンがいるし、キーパーソンが登場しないプロジェクトは上手くいきませんでした。
「人材が重要」なんてありきたりな言葉です。
しかし、実際の仕事は上からの指示で割り当てられたメンバーでどうにかするしかないという状況がほとんどなかもしれません。
(少なくとも。私はそういうプロジェクトの経験が多いです)
メンバーの増員・交代の交渉は非常にタフな業務なので、逆に言うとこれをいつでもソツなくこなせる方は、優秀なプロジェクトマネージャーであることが多い印象です。
(私は自分自身に物凄いコストを課して、増員or交代の交渉をしてしまうタイプなので、まだまだです……)
プロジェクトの土台はヒトなので、人材育成である「トレーニング」が問題解決の一つの糸口になることがあります。
そして、自分自身もトレーニングの対象です。
できれば周りの方と一緒に成長できると望ましいですが、自分自身の成長だけでも問題解決できることもあります。
「自分自身のトレーニング」と言っても、難しいことをする必要はありません。
得たいスキルが何か定めて、練習を繰り返すこと。
ただ、コレだけです。
何か好きなことだったり、尊敬するヒトのこういう能力を身に付けたい、というポジティブな気持ちからスタートできれば、より良いことかな、と思います。
環境的に「成長している」と感じれる場所なのであれば、多少困難があっても、人生の時間を費やす価値はあると思います。
もちろん、より成長がしやすい環境が、より好ましくはありますが。
私は人事の役職についたことはないので、人を見極める力があったり、コツを知っているワケではないのですが、10年程のプロジェクトマネージャーとして自分の中で、ある持論があります。
どちらかというと、「こういう人材が良い」というような考え方と逆で、「土台に入れないべきヒトの見分け方」の考え方です。
それは、仕事をする中で違和感を感じるヒトがいたら、だいたいその”勘”は当たっている。
そして、違和感を感じるヒトがいたら、少し気を付ける、ということです。
プライベートだと、違和感を感じるヒトとわざわざ付き合うというケースはあまりないと思いますが、仕事の人間関係で付き合う人を選ぶことは、なかなか難しいことです。
違和感を感じる方、イコール、仕事が出来なかったり、人格的に問題がある、というワケではないです。
違和感の感じ方はヒトそれぞれで、他の人は感じてなくても自分のセンサーだけに引っかかっている場合もあります。
違和感は感性の違いからくる「引っかかり」なので、基本的に誰に対しても感じることだと思います。
「育ってきた環境が違うから~♪」というヤツです。
その中で、自分が違和感を自覚するというのは自分センサーに引っかかっているという状態なので、センサーが自分に何か知らせようとしている、と考えて心構えをしておくのが良いのかな、と思います。
あと、センサーを感じた結果、どのような知見を得たかを自分の中にストックしていくことで、少しずつ色んな人との関わり方の練習ができると思います。
例えば、自分センサーに引っかかる方は、
・自然に任せていたら上手くいく可能性が低い傾向があるな
・コミュニケーションにそれなりのコストがかかるかもな
みたいな自分なりの心構えを作っておく。
いくら仕事とはいえ、周りにいる全ての人間と上手くやろうとするのは、自分のメンタルが擦り減る量がハンパないので、おススメしません。
若手の頃に一回トライしてみる価値はあるかもしれませんが。
(というか、私は若手の頃そうだったのですが、コレは若手の通る道あるあるなのかな)
けど、上手くいかない相性の方もいるからこそ、仕事を通じて気が合う仲間や尊敬する人に出会えた時の喜びもひとしおです。
色んなヒトと交流を持つのは大事なコトだな、と思います。
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