見出し画像

#1-17 「プロジェクトのスケジュール」において大事なコト

一言に「プロジェクトマネジメント」といっても、業界や会社などで実際の業務内容は振れ幅があります。

また、プロジェクトマネージャーという役職でなくても、プロジェクトのマネジメントをしている方もいますし、ビジネスの領域ではないところでもプロジェクトマネジメントの活動は行われます。

私は「プロジェクトマネージャーは問題解決屋」という持論があるのですが、リソースのマネジメントという仕事は、どのプロジェクトでも発生します。

リソースとは「資源」という意味で、具体的には「ヒト」「モノ」「カネ」「時間」「情報」です。
今回は、今回は時間マネジメント、すなわち、スケジュールについてのお話をします。

プロジェクトとは、「ユニークな成果物(モノやサービス)を創造するための有期的な活動」と、プロジェクトマネジメントの教科書には100か所くらい書いています(ウソです)。
有期的というのがプロジェクトのアイデンティティなので、必然的に時間的制約がプロジェクトの創造活動に関わってきます。


日本は、サービスにおける時間マネジメントが、世界的にみても断トツでレベルが高い国です。

よく例に挙げられるのが電車ですね。
秒単位で管理されてます。
形には残らないですが、ピッタリ予定通りに駅に到着するのは職人技だと思います。

また、日本は遅刻に関しても敏感な国民性です。
私は、今はリモートワークなので出社する機会が少ないのですが、以前は天気が悪くて電車が遅れそうだったりするとき、いつもより20~30分早めに家を出るのを無意識に行っていました。

一方、皮肉として「日本の会社は、始業時間には非常に厳しいのに、退勤時間には非常にルーズだ」なんて言われたりもしますね。


スケジュールをきちんと守ること・守ろうとすることは大事です。
しかし、プロジェクトマネジメントにおいて、「スケジュールは遅れるものだ」という考え方を持つことは、非常に大事です。

正確には、予定していたスケジュールは遅れるものとして、スケジュール管理をすることが大事、ということです。


プロジェクトマネジメントにおけるタイムマネジメントは、作物を植えて収穫する農家さんのタイムマネジメントと近い部分があります。

種子を植えて芽が出るまでピッタリ「何日」と決まっていないように、プロジェクトの活動のアウトプットも、「〇日で完成させよ」と指示したところで、必ずしも〇日後に完成するわけではありません。

自然がコントロール出来ずに、いつ種子から芽が出るかわからないように、様子を見守るゆとりが、プロジェクトマネジメントには必要なのです。

けど、農家さんが何もスケジュール(予定)を立てないか、というと、そうではありません。
種まきの時期、毎日の水やり、収穫の時期などを作物に合わせてきちんと決めていると思います。

スケジュールは遅れる前提ですが、それでも「スケジュールを立てること」には、非常に重要な意味があります。
遅れるからといって、スケジュールを立てなくて良い、という話ではありません。

スケジュールがあれば、チームの目的の指針になったり、チームワークが取りやすくなったりします。
プロジェクトは有期的な活動なので、成功か失敗の目安にもなります。


しかし、繰り返しになりますが、スケジュール通りにピッタリ物事が進むことがありません。

大事なのは、「スケジュールは遅れる」という前提で全体のスケジュールマネジメントをしておくことです。


早く終わることも遅く終わることも両方ありますが、プロジェクトの活動において、早く終わることは基本的にメリットしかないので、気にするべきは遅れることです。


例えば、さつまいも🍠は、植え付けから約110日~150日が収穫の目安なんだそうです。1ヶ月以上、振れ幅がありますね。


さつまいも農家さんが、自家製のさつまいもを誰かにプレゼントする約束をしていたとします。

プレゼントするには、直接会う日を決めなくてはいけません。
植え付けから111日後に指定することは、少しリスクが高いですよね。
かといって、170日後だと新鮮さが少し減っているかもしれません。

また、収穫予定日に会う約束をしても、朝から晩まで収穫作業に追われて、プレゼントの梱包をする時間が取れないかもしれません。

どのようにマネジメントをするかは人それぞれですが、例えば、植え付けから110日後に、電話をするという約束をしておくのも一つのマネジメントです。
その110日後の電話の際に、改めてさつまいもをプレゼントする日を決めよう、というタスクを新たに設けます。

植え付けた時に比べると、110日目の畑の様子で収穫時期を判断してプレゼントを日を決めた方が、より確実ですよね。


このように、リスクや不確実性は、プロジェクトの時間が経つほどに減っていきます。
一度に全ての物事を決めるリスクが高い場合、分解することも有効な手段です。

最初から完璧なスケジュールを作ることが大事なのではなく、未知な変化をどれくらい受け入れられるスケジュールなのか、ということの方が大事です。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?