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クリスマスにヤドリギって聞いたことあるけど

ヤドリギという植物をご存知ですか?
漢字だと「宿り木」「宿木」「寄生木」
英名で「mistletoe」
見た目には木の上に作られた丸い鳥の巣の様ですが鳥さんは住んでいません。
半寄生植物というかなり風変わりな生き物なのです。
あまりにもユニーク=神秘的なので神話とか伝説とか、古くから言い伝えがあります。

クリスマスに「ヤドリギの下に立っている女の子にはキスをしてもいい」なんていうお話を聞いたことがある方も多いかも知れません。

人通りの多い場所だとトラブルのもとになりそうですけど(汗)、意中の男性を待つならありでしょうか?
いや、でも男性の方にも選ぶ権利がある訳ですしね(汗)、絶対我らはカップルだ!っていう自信がないと「え?ええ?」と人を狼狽させる事になりますから気をつけないといけませんね。
なんて伝説や神話についてはまともに考えると訳分からなくなるので、置いておいて。

このヤドリギ、繁殖の方法がスゴイのです。
ヤドリギには真ん丸に輝く宝石の様な実がなります。
その実が潰れると強烈な粘着性のある液体が出ます。
私も手に着いてビヨ〜ンと伸ばせるだけ伸ばしてみたことがありますが、どこまで引っ張っても切れない強さで、紙などになすり付けてやっと離れた、とホッとしました。
その粘着性が、ヤドリギを繁殖させるために無くてはならない性質なのです。
実を鳥が食べてそれが糞として排出される時でもまだあの粘着性が効力を持っています。
鳥さんは糞を引き離したくてお尻を木になすり付ける訳です。私が紙に手をなすり付けたみたいに。
なすり付けずに無事に落ちてくれたとしても、かなりの粘着性なので途中の木の表面にくっつく可能性は大です。
そして、そのネバネバの中に消化できなかった種があって、それが発芽して木に密着!そこから栄養を吸い上げ、自身の光合成もあってどんどん大きく青々しく成長して行くのです。
その発芽して木に吸い付く映像を見たことがありますが、もはや植物だとは思えないほどの動きとビジュアルで、まるで虫かヒルかエイリアンの様。
でも鳥さんは毎度お尻が不快でも食べちゃうくらい美味しい実なのでしょう。

そんなヤドリギ、生い立ちは随分とロマンチックからかけ離れていますが、
ヨーロッパではクリスマスになると生命力の強さから永遠のシンボルとして大切に扱われるそうです。
冬には葉が落ちてしまうのにヤドリギは冬でも青々とした葉を茂らせるので人々は「ヤドリギには特別な力がある」と信じていたということです。

日本でもヤドリギはあちらこちらで寄生しているのですが、取り扱うお店は多くないですし、軽い気持ちでは手が出にくい価格の品です。
ハウス栽培は勿論、計画的な栽培は出来ないし、どこに出来るかは鳥さん次第だし、成長には時間がかるし、高所での収穫も大変。そして球体なので梱包や輸送も簡単じゃない。
この様な条件でお手軽ではないのですよね。
だからこそ、欲しくなってしまいますが。

オランダでは、11月の下旬から少しずつクリスマスっぽい花材がお花屋さんに並ぶ様になってきました。
リースや、寄せ植え、日持ちのしそうなアレンジなどが並び、リースの素材になりそうなモミや松などのカットされた枝類も出回りました。

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そして12月の第2週ですね、遂にヤドリギがお店に並んだのを発見しました!
神聖な、永遠のシンボル、愛を深める伝説の植物。
そのヤドリギ様が

ゴロン!!

とお店の前の地べたにじかに横たわってるではないですか!
(トップ写真参照)
あまりに衝撃的で思わず写メしちゃいましたけど、この扱い(笑)。
やっぱりオランダ、ざっくりしてるわぁ。

ゴロンと転がってる中で1番小さな1本を購入しました。

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そして我が家の特等席にお座りいただきました。

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それから約1週間後の現在。
段々と水が上がらなくなってきた様で、ちょっとドライっぽくなり触るとポロッと実や葉が落ちるのでクリスマスまでなるべく揺らさない、触らない。
目に入るたびに喜びを与えてくれるこの1本を大切に見守りたいと思います。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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