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フランスから、食関連ニュース 2021.02.24

今週のひとこと

フランスの人気YouTuberのお笑い芸人のコンビで、フォロワーが600万人も超えるMcflyとCarlitoに、エマニュエル・マクロン大統領から挑戦状が出されました。パンデミックから国民を救うため、ソシアル・ディスタンスをテーマにしたクリップを作成して欲しい、もしもそのクリップが1000万回の再生回数を獲得したら、McflyとCarlitoをエリゼ宮に呼び、彼らの番組の一つ「Le concours d'anecdotes/逸話チャンピオン」に出演してもいいという挑戦状。「Le concours d'anecdotes」には、今までに、俳優で監督であり、マリヨン・コティヤールの伴侶であるギョーム・カネや、世界的なDJダヴィッド・ゲッタ、ミュージシャンのパトリック・ブリュエル、さらにはラッパーのウィル・スミスなど、有名人がゲスト出演しています。番組では、McflyとCarlitoが対戦相手となり、各々が合計8つの逸話(自身に起きた逸話)を出し合って、その逸話がウソかホントかを当てるというもの。McflyとCarlitoのキャラだからこそ引き出せる、公では見られない有名人ゲストの素の姿も面白く、私もかなりはまっています。「Le concours d'anecdotes」で負けると、ゲストはなんらかの約束を用意しなくてはならないのですが(例えば監督なら、端役起用の約束もありました)、もしもマクロン大統領が、「Le concours d'anecdotes」で負けたら、何を約束してくれるか。どんな逸話が飛び出すか。クリップが発表されたのは先の日曜日の朝。現時点で再生回数はすでに957万回に上っており、1000万回は間近。「Le concours d'anecdotes」では、McflyとCarlitoは、もちろん政治的要素は絡めない、いままでも絡めてこなかった信条を守ると約束しつつ、彼らの高揚感がライブでも伝わってきます。クリップはこちら。« Je me souviens » (clip gestes barrières)で検索ください。

McflyとCarlitoにマクロン大統領から白羽の矢がたった理由にはいくつかあります。1つには人気のあるユーチューバーとして、昨年のロックダウン時に真っ先にフランスの医療機関への寄付を目的としたチャリティキャンペーン「Maradon/マラソンとdon(寄付)を掛け合わせた造語」を1日限りで開設し40万ユーロの集金を達成したこと。もう一つは、若者たちのMcflyとCarlitoへの支持が非常に高いことも評価の一つと思います。若者たちに向けた性教育番組、また、ユニークなフランス語辞書の出版もしています。フランスでは若者たちの集団間の闘争による暴力事件がここのところ相次いでおり、SNSによる簡易なコミュニケーション、コロナ禍での鬱屈など、さまざまな状況がもたらす原因が問われています。社会情勢が混沌とする中、フランスでは2022年に大統領選を控え、各候補者の戦略に目が離せません。

今週のトピックスは今週のひとことのあとに掲載しています。【A】ミシュランがバックアップ、レストランのテイクアウト支援「Tiptoque」。【B】9月開催「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」、フランスチームの資金支援に、マウロ・コラグレコらがスペシャルメニュー発表。【C】スペイン3つ星「カン・ロカ」によるショコラトリーオープン。【D】海由来のガラス製品誕生。【E】デリバリー会社Juste Eat、配達人の雇用体系を見直し。

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