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ファッション業界のゆかいな人々

長くファッションをやっていると
業界人でもいろんな人に出逢います。

私は企画(デザイン)職をやっていたので
まあまあ個性的な人が周りに多かった。

  • 毎日同じ服だけど最高に自分らしいこだわりを持っている人(あ、これ相当なプロの人)

  • お金だけはあるので流行のものに手を出しまくっている思想のない人(いわば、ミーハー)

  • 倹約家で変化がない人(あまり出世しない雰囲気あり)

  • 自分らしさを熟知していてそれをさりげなくファッションで表現している人(これぞファッション業界人)

  • 謎めいた占い師のような独自の世界観の人(バッキバキの人生観が面白い)

  • ちょっとダサい人(必要枠。)



若い時の上司(先生と呼んでいた)は
超絶チャーミングで破天荒な女性。

彼女はチーフで一番年上、
そして企画のメンバーをまとめる役割。

ファッションの知識も豊富でセンスも抜群、
仕事面ではとってもできる女。

出会った当時、私は20代前半、先生は40代後半だったかな。

時は昭和の残り香がする平成。
その頃、まだデスクでタバコが吸えた時代。

先生は若い頃バブル絶頂期を過ごした人で
まるでリアルキョンキョンのような青春期を過ごされておりました。

とにかくセンスが良くて、
ファッションを泥のように楽しんでいる人。

でも人間的にはちょっとダメ人間。

連絡なしに朝は来ないし
出社が夕方になる時も。
歯医者の予約に時間通りに行けたのを見たことがない。

でも持ち前のチャーミングさで全て
「しょうがないなあ」で済まされるという恐るべし先生。
(おおらかな時代背景ももちろんありますね、、)

社内セールで爆買いし
ISETANを庭にする
ファストファッションや109だって容赦はしない

ファッションに関する買い物は
「ゆりかごから墓場まで」。

この言葉がぴったり。笑

ハイファッションを仕事中にこっそり買ってきて
ロッカーに隠すも

誰かがそれを見つけてきて
勝手に身につけて
席で仕事をし

先生が時間差でそれを見つけて
「コラーーーー!!!」
というお決まりを繰り広げる。

先生は
ご機嫌斜めな怖い時も多々あれど
何かスキがあり

後輩たちにいつも
いじられていた。

いじる側も先生を
いじる材料に常にアンテナを張り巡らし、
怒らないであろうタイミングを見計らい、
仕事も、面白いと思うことも、
そして空気を読むことも真剣に取り組んでいた。

その時に
仕事を真面目にやること
時に大いに不真面目になること

その緩急を学んだ。
(何学んでるんだろうか。)

ファッションに対しても
日々の面白いと感じること、に対しても

真剣に取り組まなきゃ!と思わせてくれるとってもいい職場でした。
結局12年もそこで鍛錬した賜物が
今の私に生きているはず、です。

先生、60代を過ぎてまだまだ現役。
まだ、会うとむき出しのプライドでライバル視してくるだろうな。笑

歳をとっても
可愛さを失わず、人に笑いをもたらせる人。

憧れの先輩がいるって、幸せだ。


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