蛇の棲む水たまり
■ 感想
「蛇の棲む水たまり」梨木香歩:鹿児島睦(ブルーシープ)P68
梨木さんに導かれる森の中で、鹿児島さんから生まれた水たまりの幻想を旅する至福の時間。
群れを出て森に入り、森を出て次の森に入る手前で見つけた蛇の棲む不思議な水たまり。小鳥、花、蛇、全てがまるく調和した楽園のような世界で、猫はライオンに、犬はクマに、犬はトリケラトプスへ。
ユニコーンになりたくて群れを離れた馬はその水辺から泣き声を聴き、中を覗くと…。鏡の国に通じるような世界の中で、しっとりと零れるユニコーンのなみだ。
透き通ったベールを潜り自分の本質と向き合う内在の世界で、自在に心を広げていくような心地よい時間を過ごした。
夢中で走って走ったその先でしか描いた自分には出会えない。心に溜まった澱を浄化する光溢れた聖なる泉を自分の中に譲り受けるような幸せに包まれた。
■ 漂流図書
■わたしの獣たち|在本彌生
駆けゆく馬から思い浮かべた在本さんの美しい馬が印象的な「わたしの獣たち」。
数年前一目惚れした記憶も薄れることなく、今もこの美しい馬に魅せられ続けている。
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