厄年・節分についてー鬼は外、福は内ー
昨日は節分でした。なんでも、2月2日に節分が来るのは数百年ぶりみたいですね。細かい数値は興味がなくて覚えられませんでした^^;;;;;
「鬼は外」
「福は内」
と叫びながら豆を撒く。なんなら鬼のお面をかぶったお父さんに豆を投げつける、みたいな絵面が定番になっているので、なんとなく
「家の外にいる何か邪悪なもの(鬼)が家の中に侵入してこないように追い払って、何か良いもの(福・福の神)だけ家に居てもらおうって魂胆(笑)で、豆まきをしている人が結構多いと思います。
・・・最近は恵方巻だけ食べて、豆まきはしないのかな?
高層マンションとかに住んでいる人は、窓の外に豆を投げられないですもんね。
さて。
この、鬼または福って何なのか。
平安時代なら、百鬼夜行みたいな概念がありましたし、外に何か目に見えないけど恐ろしいものが居るって感覚があったと思います。
ただ、本当に目に見えないものであれば、多分、物質的な肉体を持たないので、玄関とか壁とか、関係ないですよね。と、元も子もない事を書いてしまいました。
では。
節分無駄なのか、と言えばそう云う訳でもないんです。
神社でも、節分の日には節分祭をします。また、厄除祈願も年始から節分にまたがって位の時期がとても多いです。
それは何故なのか。ひとつづつ解説していきます。
★節分とは
日本は長い歴史の間、太陰暦でした。
月の満ち欠けで暦を作るのが太陰暦で、海の潮の満ち引きと大いに関係し、潮の満ち引きを地球の呼吸になぞらえるとすれば、そのリズムにあった暦で生活していたことになります。
その太陰暦で、節の変わり目とされていたのが、節分になります。
節の変わり目を時代の流れの繋ぎ目と解釈し、綻び(間≒魔)が入りやすい、という考えから、気を引き締める意味を込めて行事としての節分が生まれたものと考えられます。
★厄年とは?
気にする人も居れば気にしない人もいる。それが顕著なのが厄年です。一般的には、何か災厄が身に降りかかり易い星周りの年齢、みたいに捉えられているかと思いますが、実は神社側から厄年についての説明を一言で言うと
「人生の節目にあたり、褌の紐を締め直すタイミングですよ」
という感じです。女性の場合は何を締め直しましょうか。今の時代、男女とも褌は履いていないですね^^;
厄年とは、人生の節目を言います。厄年が定められた時代は今とは少し人々が生活する上での事情が異なりますが、男性の場合は社会的な立場が変化し易い年齢で、還暦も厄年に含まれています。女性の場合は出産に関わる体調変化がし易い年齢に当たっています。
ですので、災厄が降りかかる怖い年と考える必要はありません。むしろ
「さて、このタイミングで今後の人生をどう生きてゆこうか。」
と自分自身の今までとこれからに焦点を定める、大切な年廻りだと言うことです。
ですので、神前にて御祓を受け祈願をする行為を、自分自身の心の中と向き合う大切な時間として過ごして頂くと良いのではないかと思います。
★鬼は外・福は内?
以上の説明を踏まえた上で、鬼は外、福は内の実態を書いてみます。
先日、私のインスタでもこう書きました。
「あなたに知って欲しい。鬼は外側に、福はあなたの内側にあることを。」
鬼は家の外、福は家の中、と思われがちですが、鬼はあなたの心の外側に、福はあなたの心の内側に。
これは決して、あなたの中の鬼の部分を外に追い出せと言うことではないんです。
あなたが生きていく上で一番大切なものは、あなたの外側ではなく、あなたの内側に見つかるものなんだ。
ということ。
繰り返し伝えたい。
あなたの外側に自分自身を合わせる苦しみ=鬼
と
あなたの内側に自分自身を保つ喜び=福
が存在することを。これは、他人との関係性の話でもありません。
自分自身に起きて居ることの全てに於いて、これが起きて居るのです。
★例え話をしましょう
大好きで大切な人の優しい気持ちを受け取った、それも自分の外側にあるから鬼なのか?
と、あなたはこれを読んで訝しく感じるかもしれません。
でも、この事は他の人との関係性の中で起こるものではないのです。
あくまで自分自身に起きること。
大好きで大切な人からの優しい気持ちを貰った時、自分がどうなるか。
私が嬉しく感じてそれを大切にしたくて(自分の気持ちベース)喜びの気持ちで受け取るのか。
大好きな人に嫌われたくなくて(相手の気持ちベース)受け取り必死でお返しをしようと考えるのか。
判断基準、行動基準、それが内にあるのか外にあるのか。
それが、「鬼は外」「福は内」の実態なのです。
これは、息をするように自然に意識が外側を向いて居る人が多いため、そしてその事が素晴らしい事だと教えられて育った人が多いため、なかなか伝わりにくいかもしれません。
厄年も節分も、自分自身を大切にするため、そして自分の身の回りの大切な人たちの大切な気持ちを喜びの気持ちで受け取り、喜びの気持ちで周囲の人たちに大切な気持ちを渡すために、ぜひ、あなたに伝えたいことです。
福は、あなたの心の内側にいつもあり、あなたをそっと見守っています。