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点字のついた絵本のはなし

久しぶりに足を運んだのは、教文館8階にある、子どもの本のみせ ナルニア国。

銀座にあるこの教文館へは、ちいさいおうちの「バージニア・リー・バートン展」や11ひきのねこの「馬場のぼる展」など、絵本の原画展をたびたび見に行っていた、心落ち着く場所だ。

今日6年くらいぶりに訪れたそこで、たまたま出会ったのは「さわって楽しむ絵本展」という展示。


点字のついたベストセラー絵本たちや、どんな方法でこれらの絵本の校正を行っていくのかなど、実物とともに、展示されていた。


ここに並んでいる本は、決して見えない人用に作られたものではありません。見えない私たちは点字を読み、絵をさわって、想像を働かせて、その絵本が持つおもしろさを存分に楽しみます。見える人は、目で見て、手で触って、見るだけでは得られなかった手触りやひとつひとつの絵のおもしろさを味わっていただけたらうれしいです。

岩田美津子

説明書きの横に「点字付きの触る絵本のことをより多くの人に知ってもらうために、この展示の内容のことをどうぞほかの人にお伝えください。」と書いてあった。

私も、もっと広まればいいな、と心の底から思ったから、いまこの文章を書いている。

今日、たまたまこの展示会に出会ったから、点字付き絵本のはじまりの物語を知った。

ひとりの盲目のお母さんが、目の見える我が子と一緒に絵本を楽しみたい。我が子が読んでともってくる絵本を読んであげたい。
そんなひとつの家族の物語から始まったという。

「点字つき絵本の出版と普及を考える会」さんのHPに現在出版している点字つき絵本のリストが載っているそう。
必要とする親子には点字付きの絵本の貸し出しも行っているそう。
本当に素晴らしい活動だと思う。

そして、「点字付きの触って楽しむ絵本」は、点字の訳が付いているだけでなく、絵自体も透明のフィルムで凹凸を表現していて、触って楽しい。
こどもたちも触って楽しむことができるんじゃなかろうか。

見えるひとも見えないひとも、一緒に楽しめる。それが素敵なコンセプトだと感じた。


私の身の回りには今すぐこれが必要なひとは思い浮かばない。
でも、これから先、必要とする人に出会うかもしれない。
一緒にこの絵本を楽しみたい人に出会うかもしれない。



忘れたくないから、記しておこう。

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