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私、ショートケーキが好きだって言ったっけかな?

「あやは、ショートケーキだね!」

ケーキを買うとき、君はいつもそう言う

なぜだろう

私、ショートケーキが好きだなんていつ言ったかな?

もちろん、ショートケーキは大好きだ

しかし、とりわけ群を抜いて好きと言うわけでもない

モンブランとか、チョコレートケーキだとか、チーズケーキとか、フルーツタルトとか

自分でケーキを買うなら、この中から選ぶかなあ〜なんて思いながら、君といる時はショートケーキを買う

13ヶ月記念日。

早いものだなあ、と私はふとラインを見返した

日付はちょうど一年前、1ヶ月記念日の日

「あやかさんは、何のケーキがお好きですか?」

まだ初々しい敬語のライン

「ショートケーキですかね!」
そう書かれた私の返信

そこで私は、はっとした
鮮明に思い出した

1年前の私は、“チョコレートケーキ”が食べたかった

1ヶ月記念日を祝うためのケーキを買おうとしていた君からのラインに

素直に“チョコレートケーキ”とは言えなかった

子供ぽいと思われるかな、何が無難かな、何だったら一緒に食べれるかな?

自分の中での最適解、それが

誰もが大好きな

ショートケーキだった

初めての彼氏、初めのお祝い、

恋愛や青春とは無縁に生きてきた私にとって
初めての甘酸っぱい経験

君との全てのことが、初めてで
ドキドキで、不安で、新鮮で。

そんな気持ちから変に考えすぎて私が言った

ショートケーキ

あの日の言葉をずっと覚えていてくれたんだ、
そう思うと心がすごく温かくなりました。

いつもありがとう


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