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定時のためならえんやこら

世間では働き方改革なんて話が騒がれているが、
我々のような広告業界には衝撃的な内容である。
広告業界、それは噂通り残業が多い業界だ。

アイデアの作り方の著者、ジェームス・W・ヤングさん(何回も出てくる)は、
アイデアは生産的なものだと話している。
そう言った意味で、アイデアはFORDの生産ラインと同様だと。

まーそんなわけにいかないのである。
ヤングさんの言葉を借りれば、
アイデアには脳の隅っこで熟成する期間が必要だ。
その熟成期間については、
クッキングのように1時間寝かせましょうとかそういうシンプルなものではない。
科学的に何分!と決められないものがある。

そんなことを業務時間にやっているのだから、ちっとも効率的ではない。
かと言ってひらめきなしに企画やデザインを作ろうもんものなら、
ミジンコみたいなアイデアしか出てこないのだ。

アイデアの生産工程である熟成期間は終わらないが、
プレゼンの資料は今日中に仕上げなきゃあかん。

朝から考える。
うーんうーん、
あー、こうか?いやこれだとこれとあれが繋がらない。
Google先生に答え書いてないかなーポチポチ。
昼でも食べながら考えるか。
今日のラーメンは美味しかったな。
なんて考えてたら眠くなってきたぞ?
あー頭がぼーっとする。
でも寝たら怒られるし耐えよう。
あ、ポテチ食べよう。
・・・・・
はぅ!もう18時じゃないか!
とりあえず企画書を書こう!
考えるな、感じろ!
と思ったけど全然進まない。
はぁもう22時か。
少し仮眠を取ろう。
や、やっとできた!これがミジンコみたいなアイデアだ!
ドヤァ!

おそらくアイデアの製造工程で他人任せにしなければならないのは、
熟成の期間だ。
①自分の熟成期間はどのくらいかを計算すること。
②より良い熟成環境を作ってあげるよう努力すること。

①を自分の最大値としてスケジューリングすれば、
おそらく徹夜みたいなことは生じない。
※スクランブルみたいなことは覗く

②がうまくいくと、短い熟成期間で良質なアイデアが浮かぶだろう。
しかしそれはスキルが上がったというわけではなく、
たまたま早まったと思っておくべきである。

熟成期間をコントロールするには熟成期間とは何者で、
体の中でどのようなことが起こっているのか、
そのトリガーは何なのかを明確にする必要がある。

つまり熟成期間を再現できるようにならないとコントロールできない。

ある日私は決めたのである。
熟成させるのは仕事以外の時にしようと。
熟成期間の終わりを告げる合図は圧倒的に会社のデスク以外が多いのだ。
トイレやシャワーで閃く人は多いと思う。
そういうことだ。
より良い熟成環境とは、
限りなく意識の端っこであり、無意識が自由に入り込める場所だ。

それは仕事のことで頭がいっぱいになる会社のデスクではない。

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