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モロコシ・キャッシング

この話はミスターセンクスの実体験である
美味しそうなとうもろこしを購入するために
コンビニのATMでキャッシングをしたことの顛末であり
キャッシュレス社会へのひとつの提言である

いつもの日曜日
いつもの公園に向かうミスターセンクス
ランニングをするために向かったので
最低限の装備をして車に乗り込む

思えば随分キャッシュレス化が進んだもので
iPhoneやApple Watchがあれば
大抵のお支払いは完了できるものだ

とはいえちょっと心配なので
ミスターセンクスは小さな財布を持ち歩いている
一向にペーパレス化しない免許証
1枚のクレジットカード
あとは小銭が少し入っているだけの
シンプルな財布である

つまりランニングに向かうミスターセンクスは
お札を持っていなかったと言うことになるのだが
今日に限って美味しそうなとうもろこしが売っていた

おしゃれにいえばポップアップストア
おしゃれに言わなければ田んぼの中のテント
当然だがそんな場所でキャッシュレスなど通用せず
ニコニコ現金取引のみ受付のショップであった

財布の中にあった小銭300円では
とうもろこしは購入できなかった
せめて1,000円あれば満足な買い物ができるが
車の中を探してもこんな時に限って
お札さんは見つからないものである

仕方なく向かいにあったローソンに向かう
ミスターセンクスはネットバンクの口座を持っていて
最近ではキャッシュカードがなくても
スマホで入出金などができるのだ

意気揚々とATMに立つわけだが
スマホで操作ができるシステムは
ローソンのATMにはまだないようだった
セブンイレブンのATMは対応している
それはわかっているのだが
近くにセブンイレブンもない

こうなったら苦渋の決断だが
クレジットカードを使ってキャッシングしかない
キャッシングという言葉自体が怖くて
ミスターセンクスは震える手を押さえながら
1,000円キャッシングすることにした

そう思ったのも束の間
キャッシングは10,000円からしかできないと
ATMが冷酷に話しかけてくる

1,000円でお釣りが来るとうもろこしを買うのに
10,000円キャッシングするやつがおるか!
そう思ったのだがもう面倒になってしまって
仕方なく10,000円をゲットし
おいしいとうもろこしをゲットしたのである

当然であるがキャッシングであるので
金利がかかるわけである
速攻でカード会社に電話し
すぐに支払いをしたい旨を伝えたことは
言うても言うまでもない

何が言いたいかといえば
最近なんとなく現金がなくても大丈夫
そんな雰囲気があるが
決して過信してはいけないということだ

ミスターセンクスの場合極端かもしれないが
ランニングにお金は必要ないと思ってしまったのだ
とうもろこしというセレンディピティを予知できなかった

備えあれば憂いなし
キャッシュレスの世界にフルサイズの財布は
それはそれでスマートではないかも知れないが
まだお札は持ち歩いた方が良いと言うことを痛感した

とうもろこしのおかげで色々と勉強になった
ただでさえ美味しいとうもろこしだが
自らの涙で塩味が増し
一層甘く感じたのは言うても言うまでもない

とうもろこしは甘くとも
人生とキャッシュレスは甘くないぞよ!
気をつけなはれや!!

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