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記憶の隅にいたテリーとドリー

いつもより少しだけゆっくり休むことができた今日の朝。
土曜日の朝。
寝ているわけではないのだが、起きてもいない非常に朧気な時間帯。
頭の中心からはほど遠い場所からある曲が聞こえてきた。

生きてる
生きてるってなんだろう
生きてるってなぁに?
生きてるってなんだろ?
生きてるってなぁに!

なんだかどこかで聞いたことのあるメロディと歌詞
ずいぶん昔に聞いたことがある。
朧気な意識の中で、記憶を探る度に出る。
おそらくお笑い番組だ。
私の周りにこんなに素晴らしい歌を歌える人間はいない。

そしてGoogle先生の手助けも借りた上でやっと見つけた。

フジテレビ系列の「笑う犬」シリーズ。
1998年から放送されていたお笑い番組で、
その中の「テリーとドリー」で歌われていたテーマ曲だ。

覚えていたのはフレーズだけで、番組名もコーナー名も忘れていた。
「いきてるってなんだろう いきてるってなぁに」で検索すれば
先生はすぐに教えてくれる。便利な世の中なのだ。

それにしてもこのコントは今見ても面白い。
生きることをテーマにしたという切り口もユニーク。
ドリーを原田泰造が、テリーを堀内健が演じているのだが、
「毎日同じことの繰り返しで生きてる気持ちがしない」と
ため息をつきながら嘆く陰鬱なドリーに、
テリーが様々な仕打ちをかまし、
ドリーに生きてることを再確認させてあげるという流れだ。

毎日同じことの繰り返しで生きている実感がしない。
こう感じるのは心の問題だ。
それに対するテリーの仕打ちはだいたいフィジカルなものである。

夢のような出来事を目の当たりにしたときに、
ほっぺをつねって「夢じゃない!」というやつがあるが同じようなことだ。
心と身体の関係性を見事に表現している。

おそらくこの企画をしたテレビ局の方は、
非常に哲学的な思考をお持ちの方だったのだろう。

生きてるってなんだろう?という答えのない問に関し
繋がっていないようで繋がっている心と身体の関係性を鮮やかに描き
笑いという表現で伝えている。

それにしてもなぜ今日、20年も前の歌が出てきたのか。
生きている意味を失っているのだろうか。
いや違う、おそらく歌いたかっただけなのだ。
いつかセンクスソングを作ってみたいものである。

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