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お天気市場へ参入

ミスターセンクスは天に向けて手を伸ばし、
秘密の呪文を唱えた。
するとどうであろう。
空全体を熱く覆っていた雲が逃げるように去り、
まばゆい光を纏った太陽が現れたのである。

ミスターセンクスの妄想としては、
特殊能力で天気を操作することはできないかということである。

天気を操作できたとすれば、
人々は私の力で天気に左右されない人生を過ごすことができる。

ウェザーコントロールカンパニーせ○くす事務所は
今日もひっきりなしに電話がなっている。

本日電話がかかってきたのは、安倍総理である。
新宿御苑で桜をみるとかどうとかで、
どうしても晴れにして欲しいんだそうだ。
センクスも日本国民として、
国を挙げての行事にお力添えできるのは光栄である。
国家予算である約96億円を申し受け、
彼の悩みを叶えることにした。

次に電話がかかってきたのは、有名EDMフェスの事務局である。
夏だ!EDMだ!となっても、当日に雨が降っていては台無しだ。
彼らはどうしてもその日を晴れにしたいんだそうである。
ミスターセンクスは彼らの願いを聞き入れようと思ったのだが、
雨が降ればただでさえ薄着の美女が濡れ濡れになるということで、
当日は土砂降りとすることに決めたのである。

こういった大掛かりな案件もあるのだが、
水不足への対応もきちんとしている。
新潟県に住む田代さんは、広大な田んぼを持つ農家である。
歩いて一回りしようもんなら、
2時間ちょっとの散歩道を体現することになる。

雨不足もあってか、田代さんの田んぼはからっからである。
明日が田植えだというのに。
これでは田代さんの美味いお米が食べられない。
ミスターセンクスは田代さんの田んぼに狙いを定め、
田植えに必要なだけの雨を降らせることにした。

お代は結構である。
田代さん自体はその辺にいる気の良さそうなおじさんであるが、
田代さんの娘さんは絶世の美女なのである。
ミスターセンクスはその美女を嫁にとる代わりに、
田代さんの田んぼに雨を降らせたのである。
ついでに田代さんの美味しいお米を1年分いただいたのは、
いうても言うまでもない。

ミスターセンクスには
そのような超能力が備わっている可能性がある。
可能性があるだけで、
そういった能力を感じたことは全くないのである。

しかしそうなった暁には、
ミスターセンクスの独断と偏見でご依頼を受けることにしよう。
お題は気分次第でいただくということにする。

ちなみにこの記事に出てくる田代さんについてだが、
田代まさしさんとは一切関係がない。
ただ、まさしさんではない田代さんの娘さんは
本当に美女であることを願う。


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