見出し画像

しょうてんがい

私とサルバドール・ヱビ氏は鳥取にいた。
鳥取県は日本で1番人口が少ない。
当然のことながらチンとマンの数も日本で少ない事は
言うても言うまでも無いことである。

私はヱビ氏にごく普通の事を話した。
「やっぱり鳥取の商店街は閑散としてますね」
ヱビ氏は即座にこう答えたのである。
「しょうてんがいって、昇天の方の?」

おお、サルバドールよ。
あなたはわが着想の救世主なのであろうか。
もしくはワイのビョーキが感染してしまったのか。

その瞬間ワイの着想は爆発し、
ワイの頭の中で昇天街と言う名の宇宙が生まれた。

わいの昇天街の構想をお話しよう。
昇天街とはつまり、昇天に特化した街もしくは1エリアである。

全国どの地方都市にもある、あのいかがわしいエリアのことである。

昇天街に出店しようとするお店は、
ミスターセンクスの厳しい審査を通ることが要求される。

試験の内容はシンプルである。
ミスターセンクスを昇天させることができたら、出店オッケーなのである。

そうして出来上がった昇天街は、
その質の高いサービスが話題となり、
あっという間に全国に広がるであろう。

世のオジサンたちの明日への活力となり、
日本のGDPをぶち上げるのである。
その発起人となったミスターセンクスは、
3年以内に総理大臣からセンクス状をいただくことになるだろう。

昇天街が今までの歓楽街と圧倒的に差別化しているポイントをご説明する。
それはずばり「昼の集客がずば抜けて高いこと」である。

サザエさんを思い出して欲しい。
昼下がりにマスオがサザエに言う。
「ねえサザエ、しょうてんがいに行ってきても良いかい〜?」

サザエさんは断るだろうか?
断るわけがない。
「帰りに白菜買ってきて〜」
なんて快く送り出してくれるはずなのだ。

これが昼間の集客をぶち上げるシンプルで力強いメソッドなのである。
おじさんたちの言い訳をダブルミーニングというテクニックで創出する。
隠語でもなんでもない、立派な言葉だ。

今年の流行語大賞は「令」だったらしいが、
来年は「しょうてんがい」でいただきである。

絶対にひらがなでなくてはいけない。
言葉に発するから発動するものであり、
書くときは絶対にひらがなでなくてはいけないのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?