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あれは俺の甥だ

ミスターセンクスはアバ郎に乗り
毎朝スターバックスへ向かう
当然のことだが
大抵の場合同じ道である

向かう時間が登校時間だったりするもので
交通量の多い交差点なんかには
ボランティアで大人が立っており
子供たちを安全に横断させている

スタバに向かう途中で
比較的交通量の多い交差点があり
そこにおじさんが立っている
おじさんと言っても
見ず知らずのおじさんではなく
父の妹の旦那さん
つまりリアル叔父である

叔父は週3くらいで
ボランティアをしているようで
交差点が赤信号だったりすると
お互いに気づき
会釈したりしちゃったりする

そんな日々を過ごしていた
ミスターセンクスと叔父であるが
正月に聞いた話によると
どうやらエピソードがあった

ミスターセンクス及びアバ郎は
あの交差点でちょっと有名な存在らしく
あのうるせえ車で知られているらしい

交差点につき
かっとばしているわけではないのだが
うるせえから目立つ

先日叔父と一緒にボランティアしている
叔父友のおじさんが
あのうるさい車毎日通るねぇ
そう叔父にぼやいたらしく
叔父もそれを認識

叔父はその叔父さんに対して
伝説のカウンターを浴びせた
あれは俺の甥だと

それからそのおじさんはうるせえと言わなくなった

冗談でうるせえと言ってるのか
本気でうるせえと言っているのか
その真意は定かではない

他人のふりもできただろうに
俺の甥だと答えたおじさん
センクスでございます

叔父はどんな気持ちだったのだろう
よぎっただろうか
他人と言おうか甥と言おうか

どちらにしても叔父には
余計な気を使わせてしまって
スマニュエルな気持ちである

明日からその交差点においては
エンジンを切り手押しで通過するつもりである

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