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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】学校教育入門「キャリア教育は日常生活の中にある」

「キャリア教育」という言葉、
たしかに私たち大人が子どものころには、ありませんでした。
では、大人世代は学校でキャリア教育を受けていないのか、
というと、必ずしもそうではありません。

子ども時代の体験を「キャリア教育の観点」で分析してみると、
「キャリア教育とはなにか」の理解が深まるかも・・・
今回はそんなお話です。

●キャリア教育は「仕事に関する学び」だけじゃない!

 「キャリア」という言葉のイメージから
 どうしても仕事に関する勉強なんだと思われがちですが、
   (もちろんそれも重要な要素です)
 実はそれだけではないのです。
 キャリア教育はそもそも、
 自分の人生を自分で切り拓いていくための学び。
 人生を構成するのは仕事だけではありませんから、
 自分がどう生きるのか、社会にどう参画し貢献するのか、
 まわりの人たちとどんな関係をつくって暮らしていくのかなど、
 人生にはいろいろな要素があります。
 キャリア教育で育む力は「基礎的・汎用的能力」
 という言葉でまとめられていますが、
 この中には、
  ・人間関係形成能力
  ・社会形成能力
  ・課題対応能力
  ・自己管理能力
 といったものも含まれています。
 人が社会の中でどう自分の生き方を見つけていくのか、
 そのための基礎的な部分を小中高でやっておこうというのが
 キャリア教育なのです。

●学級活動や学校行事はそもそもがキャリア教育

 キャリア教育を通して育みたい「基礎的・汎用的能力」で考えると、
 学校生活の中には、たくさんのキャリア教育の機会があります。
 係活動や委員会活動は、社会の中で役割を担う擬似体験とも言えます。
 学級活動の中でクラスメイトと協働する体験も、
 人間関係形成能力につながる部分です。
 小学校でよくある「縦割りクラス」などの異学年交流も、
 多様な年齢の人と関わり、その中で役割を果たす経験になります。
 修学旅行などの班行動は、
 自ら計画を立てて、課題を解決しながら行動していく、
 まさに課題対応能力が養われる場面になります。
 ご自身の経験をふりかえってみると、
 課外活動(部活)もキャリア教育だった、
 という方もいるかもしれません。
 このように、私たち大人が子ども時代に経験していた
 学校の中のいろいろな活動は、
 先生たちが「子どもたちが社会に出るために」と
 工夫をこらした学びの機会だったのではないでしょうか。
 キャリア教育という名前がなかっただけで、
 学校の中ではずっと大切にされていたのだと思います。

●家庭でもできることがたくさんある

 こうして考えると、学校だけでなく、
 家庭の中でもできることはたくさんあるのではないでしょうか。
 家族やきょうだいは、最小単位の「社会」であると言えます。
 社会の一員としてどのように役割を担うのか、
 子どもたちも、課題解決の担い手として
 主体的に参加できる場面がたくさんあるはずです。

「キャリア教育」って、
ちょっと馴染みのない言葉かもしれませんが、
自分の経験してきたこと、自分の身のまわりに、
できることがたくさんある学びなのだと思います。


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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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