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AIでキャリア教育コーディネーターの仕事はなくなるか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

「AIでキャリア教育コーディネーターの仕事はなくなるか?」
この問いへの答えは、YESであり、NOだと思いました。

今回は、ちょっと長文になりますが、
ChatGPTに授業プログラムをつくらせたら
どうなったかをまとめてみたいと思います。

<ChatGPTへの指示>
・システムエンジニアを題材にした
 ダミーのインタビュー記事(1万字程度)を
 読み込ませる。
・仕事の特徴、価値、
 働く人のこだわりの抽出を指示。
・教科書会社が公開している指導計画を使用し、
 特定の教科の45分の授業でできる
 プログラムの提案を指示。

さて、ChatGPTがどんなものを出してきたかというと、
そこそこな感じの授業案が出てきました。

ねらいがきちんと書かれており、
45分のタイムテーブルもあり、
それっぽい感じの体裁になってます。

それもかかった時間は、ほんの一瞬。

ただ、出てきた「ねらい」は、
キレイにまとまった文章であるものの、
具体性が足りないので、
子どもたちから出てきてほしい「声」で
表現するように追加で指示。

おお。ちゃんと出てきますね。

さらに、ねらいが複数あがっていて、
45分では到底収まりきらないものだったので、
「ねらいをひとつに絞り込む」
という指示も追加。

どういう根拠かは不明ですが、
ひとつに絞ってきました。

それでも45分間の内容が
まだまだ盛りだくさんだったので、
「体験のワークのポイントを絞り込む」
ための指示を追加。
(何に絞るかはこちらから指定)

・・・いい感じになってきました。

ただし、体験ワークの具体的な内容は
「例えば・・・・など・・・」という
ざっくりしたものにとどまっており、
それ以上のものは出てきませんでした。

ここまでほんの数分です。
正直、びっくりしました。

しかし、です。

そのまま学校や企業に提案ができるか、
というと、
強い提案力や魅力は全く感じません。

まとめるとこんなことが言えると思います。

<ChatGPTでできちゃうこと>
・文章を条件に合わせて要約し
 そのポイントを抽出すること
・異なる情報を組み合わせて
 つながりをみつけること
 (仕事内容×教科書の内容)

今回はすでに私が書いた1万字の
インタビュー材料を用いましたが、
こういう部分の文字起こしもできちゃうでしょうね。
体験ワークの具体性が足りない部分も、
おそらく、
ワークショップの手法やパターンを
裏側で情報を与えておけば、
適切なものが出てくると思われます。
このあたりはプロンプト(指示)と
与える情報次第でしょうか。

では、その一方で、
「人間にしかできないこと」とは何なのか?

こんなことが言えるんじゃないかと思います。

<人間にしかできないこと>
・ジャッジすること
・心が動くかどうかでジャッジすること
・AIに適切な指示と情報を与えること

というわけで。

「AIでキャリア教育コーディネーターの仕事はなくなるか?」
この問いへの答えは、YESであり、NO。

キャリア教育コーディネーターの仕事の
けっこうな部分がAIで代用が可能になると思います。
だから「YES」です。
ただし、これは、
「仕事をもっとラクに・効率的にできる」ということ。
うまくおつきあいすべき部分だと思います。

ですが、心を動かすものにできるかどうか、は
生身の人間にしかできない部分
です。
なぜなら、授業をつくる大人が感動していなければ
子どもたちに感動を伝えることはできない
から。
ここが「NO」にあたる部分です。

人間にしかできないこと、というか、
「人間が絶対に手離しではいけないこと」ですね。

AIとどうおつきあいしていくか、
使われるのではなく「使う」になれるかどうかは、
人間次第なのだと思いました。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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