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授業の成果は「実現度」「到達度」で検証せよ【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

ちょっと前のことになりますが、今年度の
キャリア教育コーディネーター養成講座実践コース、
最終発表会が終わりました。
  (https://ax-factory.com
弊社の受講生だけではなく、
群馬、愛知、九州からの発表と、
リアル・オンラインで先輩たちの参加もあり、
とても濃い学びの場となりました。
参加してくださったみなさん、本当にありがとう!

最終発表に向けて、
午前中は実施した授業の振り返りをしていたのですが、
私から受講生みなさんには
こんな「ふりかえりの視点」をお伝えしました。

「企画実現度と企画到達度をわけて検証すること」

これは、私が20代を過ごした通信教育会社で、
仕事をしながらつかんだ感覚でした。

企画到達度は「ねらいが達成できたのか」。
授業を通して子どもたちにどんな変化が起きたらいいのか、
どんな声が出てきたらいいのか、
要するに「コンセプト」です。

企画実現度とは「各種施策が実現できたのか」。
コンセプトを達成させるための
いろいろな方法がきちんと実現できたのか。
この「各種施策(方法)」には、
授業の構成(タイムテーブル含む)から、
教材の設計、ゲストの選定、ゲストの話す内容、
先生への情報提供、
自分たちのプロジェクト運営まで含まれます。

とくにむずかしいのが、
先生やゲスト講師といった
「自分以外の第三者」に動いてもらう部分があること。
第三者によって意図通りに実現されていなければ、
コンセプトが達成できたのかは検証できないことになります。

企画実現度があって初めて企画到達度が確認できる。

この両方が合致しているかを確認することが、
企画(授業)の再現性に直結してきます。

授業の検証というと、
アンケートなどから見える生徒の声・感想や
授業のときの生徒の反応で評価してしまいがちですが、
たとえ、生徒の反応によって
「コンセプトが達成できた」と判断できたとしても、
前提となる「企画実現度」がイマイチなのであれば、
なぜそのコンセプトが達成できたのか、
「要因」を特定しておく必要があります。

実は今回の実践コースでの授業も、
「生徒からの感想を見るにコンセプトは達成できてそうだが
 ねらった施策の実現度はどうもイマイチ」
みたいな状況が発生していました。

結果オーライも決して悪いことではないのですが、
なぜ達成できたのかの要因が特定できていれば、
そこに「次」を考えるヒントが生まれてきます。
新しい教材や授業の手法が見えるかもしれないからです。

もちろん、すべての学校・生徒に
同じ施策が有効であるわけではありません。
だからこそ、要因分析をして
「どんな要素がどんな結果につながるのか」という
ストックを持っておくことが大事になってきます。

今年度の受講生のみなさんが
これからひとりひとりの活動をしていくいあたって、
実践から学びをひとつでも多く活かして欲しいと願っています。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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