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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 授業づくりに必要なのは、まずココロを動かすこと

授業プログラムってどうやったらつくれるようになるんだろう?

経験とカンに頼らない、
「共有できるノウハウ」を学ぶにはどうしたらいいのか、
ずっとそんなことを考えながら
小中高のキャリア教育実践基礎講習を開講してきました。
集合研修第2回のテーマは「教育プログラムの開発」。
今回は、その様子をご紹介しつつ、
授業づくりのポイントをノウハウを考えてみたいと思います。

授業づくりは、経験とカンの「前」に、
考えるべきステップやノウハウがあります。
集合研修の中では、
以下の3つのステップを順に追って実践していきました。

・教育資源を発掘する
・コンセプトを設定する
・プログラムを組み立てる

各ステップのポイントを確認していきましょう。

●学習手法を考える前に「コンセプト」を!

 ついつい、どうやったらおもしろい授業になるか、
 「手法」に飛びつきがちですが、
 内容や学習手法を検討する前に、
 コンセプトの設定をすることがとても大事です。
 どんな資質・能力を身につけるものなのか、
   (なにができるようになるのか)
 どんな感想が出てきたらいいのかを
 とにかく具体的に考えて言葉にしてみましょう。
 コンセプトが具体的で明確になっていると、
 教科・科目との連携を考え、学校に提案する際も、
 判断がしやすくなります。
 また、あれも・これも・・・と、
 欲張らないようにすることも注意が必要ですね。
 そして、コンセプトの設定にあたって大切なのが
 次のポイントになります。

●理論よりも、まずココロを動かすこと

 キャリア教育コーディネーターが扱う授業は、
 外部資源を活用する授業になることが多いので、
 最初のステップは教育資源の発掘から始まります。
 今回の集合研修では、
 とある職業を題材として教育資源の分析を行いました。
 その職業に関して、どんなところに感動したか、
 おもしろいと思ったか、を大切にしながら
 題材についての情報収集・分析。
 その感動ポイントを言葉にして仲間に伝え、
 お互いに感じたことを味わう時間をとりました。
 今回の集合研修では、このプロセスを経ることで、
 コンセプトの精度がぐっと上がったように思います。
 授業をつくる大人が「おもしろい!」「伝えたい!」と
 ココロが動いていないと、
 子どもに感動が伝わる授業にならないことは明白ですね。

●学習手法はコンセプトを実現するための手段

 「これを伝えたい!」というコンセプトが明確になったら、
 あとはどうやってそれを実感できるようにするか、
 学習手法の検討にはいります。
 ここでも、おもしろい手法に飛びつかないこと。
 それは本当にコンセプトを実現できるものかどうかが
 検証ポイントになります。
 コンセプトで設定した「これを伝えたい」という
 仕事のおもしろさを体験できるようにしたり、
 ゲスト講師のすごい部分を実感できるエピソードに触れたり、
 伝えたいことにあわせてアイデアを練り上げていきます。

ここで今回の集合研修に参加されたみなさんの
感想も少しご紹介したいと思います。

・教育プログラムの作り方は目的を意識すること、
    その重要性がよくわかりました。
・プログラム作成では、経験や引き出しの数が大切だなと感じました。
・教育プログラムの開発において、
    資源(登壇者)を如何に活かし切るかという視点が
 大切だということが良い発見でした。
 その視点を持つためにも、登壇者の情報を詳しく把握しておく、
 子供達はゼロベースの知識だということを前提とすることが大切だな、
   と感じました。
・教育プログラム作成の中で、コンセプト(ねらい)が、
   いかに大事かを感じました。
 作成してみて、あっちいったりこっちいったりと
    いろんなところにいってしまいがちだな
 思ったことと、なんとなく抽象的・要素も盛り込みがち
   (結局何が言いたいんだっけ)に
 なるなと思いました。
・曖昧なことというのは少なく
   できるかぎり”具体的に”がキーワードだと感じています。
・教育プログラム開発を行うにあたって、
 自分自身が面白いと思えるコンセプトを立て、学校の狙いとすり合わせること。
・教育プログラムを考える大人がワクワクしてないと子どももワクワクできない。
 学校のねらい、指導計画と結びつけるのは難しいと感じました。
・つい「何をするか」を中心に考えそうになるが、
 まずは、コンセプトをしっかりと定めることが大切であることに
    改めて気づいた。
 また、その際には、自分自身の感動が大切であることを学んだ。

基本ステップはごくごくシンプルなものなのですが、
それでも経験値は必要になってきます。
特に学習手法については、
いろいろな学習手法・ワークショップデザインの
ひきだしを持っておくことと幅が広がります。
経験とカンがモノを言うのはここから・・・ですね。

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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