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人体の可能性に思いをはせる

10月。マラソン大会にエントリーした。二度チャレンジして二回とも中止されてしまったフルマラソンの大会。三度目の正直だ。

しかし、最近走っているのは週に10キロ。42キロ完走はまだまだ夢物語だ。
ここで作戦会議。ここから完走までに必要なのは? 答えは自明だ。走る距離を伸ばせばいい。決めた。休日は20キロ走って、余裕があれば追加で歩こう。


決心してからはじめての土曜がやってきた。ひもを結ぶ。家を出る。
地面を蹴る。前に進む。これの繰り返し。ペースはいつもより控えめで。倍の距離だから命大事に。

1時間すぎた。10キロ走った。足はまだ元気。でもひざがひかえめに痛みを訴えている。うん、これぐらいならまだいける。いつも1周で終わるランニングコースに再び足を踏み出した。

長針がもう一周回る。20キロ走り切った。ちょうどいい疲れ。足を止める。止まらなかった。足が震えてる。まるで生まれたヤギの足。一度気づくととたんに足が重くなる。こんなに走ったのは9か月ぶりか。心地よい達成感が身体を満たしていく。

次の日、再びひもを結ぶ。今度はウォーキング。散歩だ。電車に乗って前から行きたかった街を、神社を、公園を歩いた。ところが、身体に違和感が。
横断歩道を渡っている途中で信号が点滅した。走ろうと踏み出した足が動かない。まるで10キロ太ったような重み。ふらふらなんとか20キロ歩いた。これはつらい。でも、フルを完走したいんだ。


あれから1ヶ月がすぎた。ハーフの距離を走ったのも4回。20キロ歩いたのも4回。身体に変化があった。めちゃくちゃ体力ついてる。
20キロ走っても足が震えない。まだ走れそうな余力が残っている。走るペースも自然と早くなっている。
さらに、走った次の日に疲れが残っていない。20キロ歩いてもまだ余力がある。疲れを気にせず散歩を楽しめるようになった。

今、人間の身体に可能性を感じている。
人間って、鍛えればこんな体力つけることができたのか。筋トレにハマる人の気持ちがようやくわかった。
さらに距離を伸ばしてトレーニングをしたらどこまでいけるんだろう。ウルトラマラソンにハマる人の気持ちがようやくわかった。やろうとは思わないけど。

人間という種族が生まれたころ、獲物をひたすら追い続ける狩りをしていたという。疲れるのを待ってからとどめを刺していたとか。
となるとランニングをすることは、人間の本能的なものなのだろうか。体力がついた万能感も根源的な何かなのだろうか。


ランニング、深い。このままコツコツ続けて、目指せフルマラソンだ。まずはサブ4ぐらいいけるといいなと思いながらも、無理しない範囲で続けていくぞ。

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