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晴れ男と雨男が出かけるとどうなるか実験してみた

僕は典型的な雨男だ。小学校の入学式で傘をさした写真が残っているし、富士登山にも悪天候で2回断念している。参加したマラソン大会が台風が来る中強行されボロボロになったこともある。別の登山では雨がひどくてようやくたどり着いた温泉のおかみに「なんで来たの」と言われたこともあった。

雨男の反対は晴れ男。1年前のある日、晴れ男の友人に誘われた。「上高地に行きませんか」と。上高地。調べてみると観光スポット自体はあまり広くない。登山をしようという話になった。

当日の天気はくもり。微妙だ。霧がかっていたが雨は降っていない。これが晴れ男の力か。これならきっと雨に降られずにすむのでは。

時間は早朝。出発だ。今日登る山は焼岳。登ってみて誤算があった。思ったよりきつい。長く続く急斜面がところどころガレ場になっていて気を付けて歩かないと危ない。さらには20メートル近いはしごとくさり場。

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はしごは事前に知っていたが足ががくがく震えた。手を離さなければ落ちることはないと頭ではわかっている。でも怖いものは怖い。

やっとの思いで山頂に着く。360度広がる雲。静謐な空気感。でも空を見上げると厚みのある雲。達成感。あの怖い場所をまた帰らないといけないという不安。

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晴れ男と雨男が登るとくもりになる。うーん、普通。

帰り道、友人の体力が尽きた。話しかけても返事が来ない。登山用のステッキを貸した。歩けているので一応大丈夫だが心配だ。気遣いながら山を降りる。道を間違えて滑り落ちかけたりもあったが、何とか無事下山することができた。

灰色の雲を眺めながら上高地の観光路を歩く。夕方前に泊まる宿に着いた。服を着替えて温泉に入りようやく一息。やってやったぞ。今日はなかなか楽しい冒険だった。友人はどう思ってるかな。

友人を見る。寝ていた。それはもうぐっすりと。あまりに疲れがたまっていたようだ。

突然窓の外からゴーゴー音が聞こえてきた。何だろう。外を見る。地面に水が跳ねている。雨が降り始めていた。しかもかなりの勢い。ゲリラ豪雨をちょっと弱くしたぐらい。もう一度友人を見る。やはりぐっすり。

雨は一晩降り続けた。そして驚くことに、友人は夕方から次の日まで(起こして夕食を食べに行ったとき以外)ひたすら寝続けた。

翌朝。友人は回復。身体に疲れはあるもののいつも通りになっていた。朝の散歩に外を出ると思わず歓声が出た。

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宿から出たら迎えてくれたのがこの景色。上高地が人気のスポットである理由がよく分かった。

いや、それよりも天気だ。横には景色を満喫する晴れ男。元気になるとここまできれいに晴れるとは。ありがとう。この瞬間ばかりは友人に感謝せずにいられなかった。

ということで結論。

晴れ男と雨男が一緒に出かけると、互いの元気さによって天気が変わる!

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