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【ドラマ】「夕暮れに、手をつなぐ」に見る今そこにある老害 (77/365)

評判のドラマは初回を一通り観て、視聴を続けるかどうか決めることにしています。年中行事、趣味みたいなものです。

こんなドラマが始まりました。今をときめく若手女優とジャニーズのタレントの共演。映像も音楽もよい、ちょっと期待して観てみました。

ここから先は個人的見解です。

びっくりしました。わるい意味で。

非現実的なキャラクター設定
ステレオタイプな状況の設定
奇天烈な人が何人も出る異常
大河ドラマかと思う謎の方言
大東京で、何度も出会う偶然
暗に差別的思考が匂うセリフ
唐突に出る若者言葉の違和感

ファンタジーとして観てみようと努力もしてみましたが、無理でした。違和感ありすぎてまったく没頭できません。主演女優さんの熱演が、頑張っているだけに痛々しく感じました。2話以降は見ないと思います。

そしてエンディングロールで最大の驚きが!バブル期のトレンディドラマで一世を風靡した大物脚本家の名前がそこに!!

すでに制作発表時から、「主人公の名前が、実の娘のペンネームと同姓同名」とか、ドラマの私物化ではないかと炎上していたんだそうです。

このドラマ、映像編集とか、音楽とか、水準以上なのでなおさら残念です。

さて、ドラマ批判はこのあたりにして、私の感じたことを述べます。それは、企業や社会に蔓延する「老害」の本質についてです。

「老害」というと、高齢化社会と紐づけて考える人もいて、街に怒りっぽいお年寄りがあふれるとか、若者に年金の責任を押し付けているとか。

でも、そういう市井のお年寄りたちのことを問題にしているのではありません。企業や行政機関、業界内で、決定権、強い影響力を持ったお年寄りたちのことを問題にしています。

もちろん、これは人によるので、ほとんどの方は「年の功」で経験を共有し若手を支援しているのだと信じます。あえて、信じます(笑)

しかし一部の人は、全盛期、おそらくバブル期の成功を引きずって、世の中の環境変化を軽視し、過剰な自信で、独りよがりな経営判断、政策提案、企画提案を行っているのです。

もちろん、若手がこれに異を唱えたり、もっと新しい提案をすることが必要ですが、他責思考の現代の組織では、そんな面倒なことは選択せず、結果、忖度を積み重ねて物事が進んでいく

これが私の考える、「老害」問題の本質です。当の権力者は自分が害をもたらしているとは露ほども思っていません。バブル期に醸成された、根拠のない過剰な自信で、むしろ「世間は私についてこれてない」と思っていることでしょう。

先の脚本家の例だと、ネットの炎上もむしろ「有名税」くらいに思っているのではないでしょうか。

この状況を打破するには、「王様はどうして裸なの?」と言える若手を育て、支援していかなくてはなりません。世代交代こそが、時代の変局を乗り越える唯一の方法ですし、我々シニアの最大の貢献軸だと思います。

幸いテレビドラマの世界にも新風が吹き込み始めました。以下の記事でとりあげたドラマはいずれも若い制作陣によるもので、新しい風と時代を感じさせてくれる良品です。

今日はドラマを題材に話をしましたが、これはかつて隆盛を誇った日本の大企業の衰退にも重なります。優秀な研究者、技術者がいたにもかかわらず旧態然とした経営と忖度組織が事態を悪化させました。

企業再生の鍵も、原点回帰によって強みの本質をあぶりだし、思い切って若手を登用して改革を図ることだと考えます。

今日はひとつのドラマをきっかけに、「老害」の本質と、変革には世代交代が欠かせないということをお伝えしました。

ドラマの脚本家になんの恨みもありませんが、あまりに象徴的だったので題材とさせていただきました。ご気分を害した方がいればお詫びします。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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