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【ドラマ】最近の恋愛ドラマ事情~silent/その年、私たちは~ (72/365)

最近観た2つの恋愛ドラマについてお話ししたいと思います。

1つ目は、silent

地上波ドラマですが、SNS中心に口コミで話題が広がり、世田谷代田のロケ地探訪など社会現象にまでなりました。またネット視聴が1話あたり600万再生を超え、いわゆる視聴率一辺倒のテレビ業界に一石を投じました。

2つ目は、その年、私たちは (Our Beloved Summer)

Netflixで配信されている韓国ドラマで、こちらも口コミでじわじわ視聴数を伸ばしランキング入りしています。

製作スタッフやキャストの詳しいお話しは、他の方にお任せするとして、この2つの恋愛ドラマを観て私なりに感じたことを書いてみます。

2つのドラマにはいくつかの共通点があります。

かつて付き合っていた二人の再会からドラマが始まること
過去と現在のエピソードが交錯しつつストーリーが進むこと
お互い複雑な家庭環境を抱えていること
言葉が少なくなかなか本意を伝えられないこと
恋のライバルが二人を支えてくれること
大事件や大悪人は登場しないこと

表現としては、

映像がとても美しいこと
音楽が控えめで淡々とドラマが進むこと
そして、制作陣が若い世代だということ

です。全体的にとても静かにドラマが進んでいくのですが、静かだからこそかえって胸を締め付けられるようなシーンが多くあります。

silentは、屈託がなく無邪気な(つむぎ)と、高校の同級生で後に後天的障害で聴覚を失う(そう)が、すれ違いながらも少しずつ近づいていく、切ないストーリーです。

設定上、手話でストーリーが進行する場面が多く、テレビドラマとしては異例とも言えるくらい、静寂のシーンが多いのです。それだけに、交わされる一言一言がしっかり伝わってきました。

いま気づきましたが、二人の名前は、「想いをつむぐ」と読めるのですね。深いなぁ。

一方、その年、私たちは(Our Beloved Summer)は、学年トップの女子高生クク・ヨンスと、学年最下位の男子チェ・ウンが、あるテレビドキュメンタリーの主役になるところから物語が始まります。

その後紆余曲折あって、卒業から10年後に仕事の上で偶然再会するのですが、果たして二人はどうなるのでしょうか?という展開です。

二人とも複雑な家庭環境を抱え、それぞれある程度成功しているのにもかかわらず、実感も自信も持てない。自己肯定感が低いどころか、自己否定感にさいなまれているという設定です。しかもコミュ障で、そんな二人がどんな風に心を開いていくのか。自分らしく生きていくのか。

ドラマの中でチェ・ウンは、新進気鋭のイラストレータなのですが、元ネタはこの作者のようです。このシンプルなイラストも演出に一役買っています。

「silent」も、「その時、私たちは」も、若い制作陣の新鮮な感性が感じられる好感の持てるドラマです。ドラマの詳細は、ぜひご自身でご鑑賞ください。静かな夜に一気観するのがお勧めです。

共通点の中で、

過去と現在のエピソードが交錯しつつストーリーが進むこと

がありますが、どちらのドラマも同じ俳優さんが高校時代を演じているので感情移入がしやすいのがポイントです。やや童顔の俳優さんをキャスティングしているのもそのためかもしれません。

ピュアな高校生のやりとりが、おじさんの胸にもぐっと来ます。若いっていいなぁ(遠い目)。

この2つのドラマは、恋愛ドラマの新しい流れを代表するドラマだと思います。ドタバタしたラブコメもいいですが、こういうしっとりした、繊細で静かな恋愛ドラマがもっと増えるといいなと思います。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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