幾何学模様の青い柱から、気持ちを汲みあげて、言葉にする。細い管を、手探りで捧げ持って。空に弾けることはできなくても、例えば棚のものを少しずらすような、そういう…
今の空を君が、何処かで同じように見ていたとして、それだけのことで君との間に繋がりを感じられるほど、僕は心が綺麗ではないし、広くもない。そしてきっとだからこそ、…
いつでも歌が聞こえるような気持ちになるのは、本当にそうであることを望んでいるからなのだろう。誰かに自由でいてほしい、そういう権利を、期待できる世界であってほし…
どうして君の声だけが、世界から浮きあがって聴こえるんだろう。鳥のさえずりとも、鈴の音とも少し違って、けれども川のせせらぎと、会話ができてしまいそうな声。そのこ…
窓の隙間から滑りこむ、遠くの車の音を聴いていた。タイヤのゴムとアスファルトが、互いに相手を引っかき合って、海鳴りの様に泣いていた。潮の香りが恋しくて、ベランダ…
どうしてもと君が言う時、僕の世界に、美しい海が広がる。水平線を柱にして、赤や黄色のビー玉が散らばって、足の裏に白い砂が、温度を持って溢れ出す。願いごとも、軽口…
どんなに暑い季節でも フローリングは冷たいし 雨が降れば 風が吹いて 人間の体と 心はもろい 色々なものを背負わされて 色々なものを 捨ててきた帰り道と…
このままきっと冬になる 僕が選んだひとつの道から 僕以外の全てが全力で 反対の方向へ 手首を引いて その力の 源も意味も 見つけられないまま そ…
君の街におりる夜のとばりを 僕の、この手のひらだけが ひけるとしたら、 他には何ひとついらない、 役目も よろこびも、 朝日でさえも。 君の心から …
3人の僕が 別々の方向へ 歩いてゆこうとする 幻をみた わざとじゃないから 引きとめられない 誰も 選べないから 何処にも行けない 眠れない夜は …
鳥居の先の長い石段に 吸い込まれてゆく様な日常を 多分僕も 君も 心の何処かに ぽつんと置いていて けれども 意識に登らないそれは 静かに ひっそりと…
散らばる雲の端々に 淡くにじむ 夏の夕暮れを 僕は見るたび 大切に思って そうして全て 忘れてきた 夜の気配が 街に染み込んで 紫色の香りがする 僕…
君が心を打たれた 小説の一節よりも 百均で見つけた 雑貨だとか 友達と食べた スイーツだとか 君の思う イケメンの定義だとかの方が ずっと 他人の…
天気雨に洗われた 夏の手前の夕方の空が 透きとおって きらきらして 少しだけ歪んだ 硝子瓶みたいだった 自分を生きられない 誰かの影を 美しい夜が拭い去…
全ての人の心に それぞれの交差点があって、 僕のもっている交差点は 酒屋さんのある小さなところだ。 君の持っている 交差点はきっと、 高いビルに囲まれ…
リコ
2019年7月30日 08:50
幾何学模様の青い柱から、気持ちを汲みあげて、言葉にする。細い管を、手探りで捧げ持って。空に弾けることはできなくても、例えば棚のものを少しずらすような、そういう意志をもつだけで、回路が誰かと、繋がる瞬間だってある。待っている。小さいけれども何故かこんなに溢れている、そういうゴミを、思考の先の編み目のひとつが、散らしてくれる瞬間を。
2019年7月10日 23:09
今の空を君が、何処かで同じように見ていたとして、それだけのことで君との間に繋がりを感じられるほど、僕は心が綺麗ではないし、広くもない。そしてきっとだからこそ、僕は空を眺めている。君が好きだと言っていた、あの青に溶けてしまいたいと、そんなことばかり考えている。 知らなかったのだ、誰かを好きになった時、消えてしまいたい気持ちになるなんて。
2019年7月9日 22:05
いつでも歌が聞こえるような気持ちになるのは、本当にそうであることを望んでいるからなのだろう。誰かに自由でいてほしい、そういう権利を、期待できる世界であってほしい。気づいている、無いからこそ、欲しくなるのだということに。 欲しがることも、諦めることも、正解も失敗も、選びきれないまま、結局夜は明けてゆく。
2019年7月8日 23:46
どうして君の声だけが、世界から浮きあがって聴こえるんだろう。鳥のさえずりとも、鈴の音とも少し違って、けれども川のせせらぎと、会話ができてしまいそうな声。そのことに、まだ誰も、気がついていない声。僕だけが、知っているままならいいのに、と思う。いつまでも、最後まで。
2019年7月7日 23:19
窓の隙間から滑りこむ、遠くの車の音を聴いていた。タイヤのゴムとアスファルトが、互いに相手を引っかき合って、海鳴りの様に泣いていた。潮の香りが恋しくて、ベランダの硝子戸を少しだけ開けた。何処にも届かない行為で、何処にも届かない願いだった。ただ、人間ひとりのひとりごとを、聞き流すみたいに受けとめるには、うってつけの閉じられた夜だった。
2019年7月6日 23:48
2019年7月6日 21:21
どうしてもと君が言う時、僕の世界に、美しい海が広がる。水平線を柱にして、赤や黄色のビー玉が散らばって、足の裏に白い砂が、温度を持って溢れ出す。願いごとも、軽口も、約束に繋がるからだと思う。何かを契った思い出が、記憶の裏で色づいている。そしてそれは、見えないからこそ、あまりにも鮮やかだ。たった今目の前にいる、君の瞳よりも、ずっと。
2019年6月25日 23:19
どんなに暑い季節でも フローリングは冷たいし 雨が降れば 風が吹いて 人間の体と 心はもろい 色々なものを背負わされて 色々なものを 捨ててきた帰り道と 休日の夜に浴びる夜風は どうしてこんなに違うのだろう 君なら 答えられますか もしも 答えてくれるのならば 君が 答えられない問には 僕が 答えても構いませんか 人間は とても あやふやで 曖昧で だから そ
2019年6月24日 23:59
このままきっと冬になる 僕が選んだひとつの道から 僕以外の全てが全力で 反対の方向へ 手首を引いて その力の 源も意味も 見つけられないまま そして 今度は 有耶無耶のうちに 春になる だから多分 もうずっと 僕は夏が恋しいのだ 生まれてから 今に至るまで 幻の季節を追いかけて 幻の、海を 太陽を 思い出を 光だけを、追いかけて
2019年6月23日 23:46
君の街におりる夜のとばりを 僕の、この手のひらだけが ひけるとしたら、 他には何ひとついらない、 役目も よろこびも、 朝日でさえも。 君の心から 導きだされた囁きが 現実の大地を切り裂いて、 ながて君の足もとをすくう、 乾いた風が 僕の内側を駆けめぐる、 僕はまた、君という不思議が 花ひらくのを、観察する。
2019年6月22日 23:07
3人の僕が 別々の方向へ 歩いてゆこうとする 幻をみた わざとじゃないから 引きとめられない 誰も 選べないから 何処にも行けない 眠れない夜は かつて 遠くへ 歩きだした君を 思い出す 歩きだした 僕を 思い出す 意識の気配が 夢に漕ぎだして 星のまばたきだけが ちらちらと 落ちてくる頃に アルミでできた大きな月が くるくる 満ち欠けする
2019年6月21日 23:19
鳥居の先の長い石段に 吸い込まれてゆく様な日常を 多分僕も 君も 心の何処かに ぽつんと置いていて けれども 意識に登らないそれは 静かに ひっそりと廻りつづける 夜がきて 夢をみて 目の前以外が塞がれて 願望と 傷跡だけに 引きずられている間ならば それはゆっくりと顔をのぞかせて 僕を 飲みほしてくれるのかもしれない
2019年6月20日 23:59
散らばる雲の端々に 淡くにじむ 夏の夕暮れを 僕は見るたび 大切に思って そうして全て 忘れてきた 夜の気配が 街に染み込んで 紫色の香りがする 僕が閉じこもる 小さな箱の 四隅に星が 染み渡る 記憶の向こうに 何千ページ 何人分もの 物語があって 星が 夜が 夏の温度が 他の季節を 少しだけ多く 塗りつぶす その全てが いつか 宇宙の色をした 君の 瞳
2019年6月19日 23:38
君が心を打たれた 小説の一節よりも 百均で見つけた 雑貨だとか 友達と食べた スイーツだとか 君の思う イケメンの定義だとかの方が ずっと 他人の興味を引けることに 多分 君はもう 気づいてしまっている それでも 君が 最後まで手放さないものは きっと 人に見せるために 集めてきた何かより ずっとずっと 小さな たったひとつきりのものだ 君の心に何
2019年6月18日 23:21
天気雨に洗われた 夏の手前の夕方の空が 透きとおって きらきらして 少しだけ歪んだ 硝子瓶みたいだった 自分を生きられない 誰かの影を 美しい夜が拭い去る 私は 私のサンプルを 均等に集めて 休日を待つ 嘘の甘さより 無味無臭の本当が欲しい 全てを 空白で塗りつぶす そんな生活を、人生を 私は 今日も待っている
2019年6月17日 23:24
全ての人の心に それぞれの交差点があって、 僕のもっている交差点は 酒屋さんのある小さなところだ。 君の持っている 交差点はきっと、 高いビルに囲まれた オフィス街の風景で、 街中だけれど緑もあって あまりごみごみしていないところ、 だと思う。 ヒールをカツカツ響かせて 歩く姿勢のすらっとしている時や、 けれども穏やかに微笑んで 僕の話に相槌を打ってくれる時、