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言霊(ことだま)の国から来た男

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もしも内閣総理大臣が突然召喚され、魔王と戦うことになったら? 気楽に読める異世界ファンタジー小説。こんな時代だからこそ、少しでも多くの日本人に読んでもらいたい…ちょっとお間抜けな…
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記事一覧

言霊(ことだま)の国から来た男 #1

第1話 いろいろな意味で栄光のとき「藤田健一君を、本院により、第119代内閣総理大臣に指名す…

淡路こじゅ
3か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #2

第2話 敗北「ナイ……カク、何だって?」  マーカスは首を傾けた。  カールゲンの魔法は…

淡路こじゅ
3か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #3

第3話 みかん農家の子「勇者マーカスとその一行よ、まさか貴殿らまでもが魔王に返り討ちにさ…

淡路こじゅ
3か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #4

第4話 目覚める総理 悪竜ユムドギヌスは、アリアネス王国の南の火を吹く山に住まう暗黒の竜…

淡路こじゅ
3か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #5

第5話 切れる総理 ユムドギヌスは、上空で旋回しながら、彼の炎の攻撃がまったく打撃を与え…

淡路こじゅ
3か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #6

第6話 言霊の幸ふ(さきわう)国――言霊の幸ふ国  日本では古来より、言葉には魂が宿ると考…

淡路こじゅ
3か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #7

第7話 冴える調整力 また藤田は、アリアネス王国の政治にも助言をし、次第に国王ジャヌスの信頼も勝ち得ていった。藤田にとってみれば、そちらの方が本懐であったかもしれない。  ある日、農地の開発がはじまったダナーン地方の視察に同行した藤田に、ジャヌス王は満足げに話しかけた。 「ここは豊かな農地だと確信していたが、反対派の大騎士ウィリアム卿をうまく立ち退かせることができたのは、貴公の手腕だ、ソーリ・フジタよ」 「はい……そういった話は、我が国では良くありますもので」  藤田

言霊(ことだま)の国から来た男 #8

第8話 出陣  魔王が数万の魔物たちを率いてアリアネス王国に攻め込んできたという情報は、王…

淡路こじゅ
2か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #9

第9話 言葉を刃とする戦い:魔王VS総理大臣 魔王軍と勇者たちは、王都郊外のサラノスの野…

淡路こじゅ
2か月前
5

言霊(ことだま)の国から来た男 #10

第10話 序盤は好調 動き始めた敵の大軍を前にして、藤田は、仲間たちからすれば魔法の呪文と…

淡路こじゅ
2か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #11

第11話 発動しない日米安保 邪悪な巨人が投げた巨石がシールドにぶつかり、シールドが激しく…

淡路こじゅ
2か月前
3

言霊(ことだま)の国から来た男 #12

第12話 一連託生:総理は前線に立つ「ベイグン……何?」  マーカスは眉をしかめながら問い…

淡路こじゅ
2か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #13

第13話 決戦「うおぉー、最高じゃあ」  バヌスは興奮して叫んだ。  彼らは、グリフォンの…

淡路こじゅ
2か月前
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言霊(ことだま)の国から来た男 #14

第14話 決着 勇者マーカスの一行は、人間とは思えぬほどに強かった。魔王の攻撃を受けながらも欠かさず反撃し、魔王を弱らせていく。グリフォンたちの側面支援もあった。  その人外の戦いに、藤田はただ見とれていた。  けれども、魔王のスタミナは底なしであった。一頭、また一頭と、着実にグリフォンたちの数が減らされていき、勇者たちのダメージを蓄積していった。  藤田は不謹慎ながら、ゲームにしたら魔王のHPはどれほどなのだろうと、半ば呆れ、また半ば絶望する思いで考えていた。桁数は分