意識空間を広げられるようになると、コーチングは深さが変わる【Next Voice 声のプロコース for Coach ボイスインストラクターのたんちゃんとの対談②】
コーチとして指針としている言葉の一つに
というものがあります。
これはアインシュタインの言葉とも、真偽のほどは分からないとも言われていますが、わたしたちが「問題を解決したい」と考えるときに覚えておきたい大切な視点なのではと思っています。
実際にさまざまな方とコーチングセッションでご一緒している中で、人が成長もしくは成熟・変容していく過程において起こるのは「課題の解決」ではなく「課題の解消」だということを実感してきました。
「課題の解決」というのは、「今ある課題を解こうとすること」とも言い換えられます。
一方で、「課題の解消」というのは「今課題と考えていることが課題ではなくなる」ということです。
「課題の解消」にはさらに大きく二つのプロセスがあります。
1つ目は「課題を生み出す構造が解体される」プロセス。
対話やワーク等を通じて真に大切なことに気づいたり、すでに自分にとってそれは課題ではないことに気づいたりすることが起こり、感覚としては「あれっ!?これが課題だと思っていたけれどなんだかもうそうじゃないみたい」という感じや、からだの強張りが緩むということが起こります。
2つ目は「課題を生み出していた構造に気づく」プロセス。
感覚として「課題が課題ではなくなる」だけでなく、「何がそれを課題たらしめていたのか」を自分で理解し言語化することができるようになることもありますが、これは、これまでの自分(課題を生み出していた構造)を客体化するプロセスであり、まさに意識の成長プロセスであるとも言えます。
(実際に意識が成長していくためには時間がかかるため、一つの出来事で成長が起こったと言うよりも「成長のプロセスを歩んでいる」という方が適切かもしれません)
逆に言うと、どれだけ課題を解決することができたとしてもその課題を作り出している構造に気づくことができなければ、見かけは違えど構造的に同じ課題にその後もぶつかり続けることになりますし、そこに成長が生まれているとは言えないでしょう。
「課題を生み出す構造が解体される」ことは主に「無意識」と呼ばれる領域に、「課題を生み出していた構造に気づく」ことは主に「意識」と呼ばれる領域に働きかける必要があるため、コーチは双方に関する理解やアプローチを持っていることが必要となります。
(自分がどちらに対するアプローチを持っているかコーチ自身が気づいていないというケースもあります)
いずれにしろ、「『それをつくり出した意識』とは違った意識で物事や自分を見つめられるようになっている」というのが「課題の解消」と言えるでしょう。
ではどうしたら「『それをつくり出した意識』とは違った意識」になることができるのか。
様々なアプローチがあるかと思いますが、わたしが今のところ一番、シンプルかつ安全だと感じているのが「意識空間を広げる」ということです。
ものすごく単純化して言うと「『考えごと』をしている箱の大きさを大きくする」という感じでしょうか。
小さな箱の中には限られた選択肢しか入れることができませんし、「自分」から少し距離を置いて「自分」を客観的に見ることができません。
箱が大きくなれば、その中にこれまでとは違う選択肢を入れることができますし、「自分」から距離を置いて「自分」を客観的に見つめることができるようになります。
意識の成長は無理に速く進もうとするとそこで成長が止まってしまうこともあると言われており、またわたしたちの「無意識」はどこに何が詰まっているか分からない(突然パンドラの箱が開いてしまうことがある)ので、専門的な知識や経験なしに介入者が意図して力をかけることは危険が伴います。
それに対して、箱そのものを大きくするプロセスでは、今必要なことが自分で(クライアント自身で)対応できる範囲の中で自然と起こっていきます。
一見、ゆっくりに見えるかもしれませんが、その分無理がなく、長期的に見るとより健やかに成長や変容を遂げているということにつながりやすいと感じます。
もちろん中には専門家が積極的に介入することが必要なタイミングもありますし、「バンバンお尻を叩かれるのが好き!」という人もいるでしょう。
そうだとしても、「より大きな意識空間をつくる」ということをコーチもしくは対人支援者ができることは、クライアントが本来持っている力をのびのびと発揮していくことの後押しになるはずです。
何より、言語的・意識的なやりとりはAIが代わりを担うことができるようになってくる中で、より大きな場をホールドできるというのはコーチとしてますます重要になってくるのではないでしょうか。
あなたは普段、どんな意識の状態でクライアントと時間をともにしていますか?
どんな意識空間をつくっていますか?
スキルはひとしきり学んだけれど、自分のコーチングセッションにどこか自信が持てないという方は、セッションにおけるクライアントや自分自身の意識そのものに向き合ってみてもいいかもしれません。
今回、ボイスインストラクターのたんちゃんとの対談の中で「意識空間を広げるのもコーチの役割」という話をふわーっとしていますが、その奥にある考えをもうちょっとちゃんと言葉にするとこんな感じです笑
「意識空間を広げる」というのも抽象度が高く「それってどうやるの!?」という感じですが、「声」というとても具体的かつ自分で発することができるものがその後押しになるのだということを【Next Voice 声のプロコース for Coach】を通して実感しました。
「『意識空間が広がる』ってどんな感覚!?」という方も「感覚的になんか分かる!意識空間、もっと広げたい!」という方も、ぜひたんちゃんのワークショップ等で体感してみてください。
今回は誘導瞑想のポイントにつながることもお話ししています。
コーチングの「場」や「時間」の質を高めたい方におすすめの内容です!
0:00 声をエネルギーとして使う
3:42 声を使って〜意識空間を拡げて創る
5:47 誘導瞑想について
10:04 間・無音・無言・余韻
●コーチにとってなぜ声が大切かについてお話しした動画その①はこちら
●その③も公開予定です!
また、対談の中でお話ししきれていないこととともにご紹介します!
●11月15日(火)と29日(火)の2日間(昼or夜)、たんちゃんが声のワークショップを開催します!
わたしも1日目で声や意識の変化を感じ、思わず「ぜひコーチ仲間にも紹介したい」とコミュニティ向けの開催をお願いした取り組みです。
コーチだけでなく、人と関わるお仕事の方、関わりの力や影響力をアップデートしていきたい方におすすめです!
●awai Lagunaでは10月・11月は「コーチングマインドの体現」をテーマに探究会を開催しています♪
11月・12月は「余白をつくる、ととのえる」ための実践コースも開催。こちらは人数限定ですが、今後もawai Laguna内で継続して開催するとともに、一般向けにも開催していく予定。まずは探究会にお気軽にご参加ください♪
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