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小説

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短編小説、いつか長編書きたい
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小説|駅前のビニール傘

無人駅の近くに傘がかかっていた。
普通という言葉でかたずけられるビニール傘。おそらくコンビニで買えるやつ。

普段はこんなもの気に留めないのだが、今日は気になった。
最近、妄想癖のあるわたしはふと立ち止まって妄想してみることにした。

***

ある日、スーパーからでると雨が降っていた。
行きは曇っていたので傘なんて持ってこなかった。どうしようか。
ふと隣をみると傘が5本傘立てに入っていた。

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小説 | かすみ草

わたしは疲れていた。
とてつもなく疲れていた。拳で地面を叩いたら地球割れないかな、とか本気で妄想するくらい疲れていた。

現在金曜日、時刻は午後9時。

道の向かいの居酒屋で華金だと叫ぶ声が聞こえてわたしは耳を塞いだ。だってわたしは明日も出勤、明後日も出勤。ああ、もう何連勤だろうか。華金だろうが華水だろうがなんでもいいからはやく連勤が終わってほしいと心から思う。繁忙期だからという上司の顔を思い浮か

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