見出し画像

【Queen良作】「'39」和訳〜SDGsのテーマ・ソングにしたい!西暦xx39年の地球、科学者目線のラブ・ソング~【ブライアンの代表曲】

この曲はライブではとんでもなく明るい。

ブライアンが超絶うまいアコギをかきならし、バレエシューズのフレディが絡みながら歌い、メンバーは全員舞台前に勢揃い。

いつも奥にいるロジャーが前に出てきて、バス・ドラム?というのか、足で踏んで鳴らす式のドラムを鳴らし、手にはタンバリン。高音パートも見せ所。

唯一のエレクトリカルな楽器、いつものベースはディーキーさんだが、あまり他のアコースティックな楽器を邪魔しないでいい感じ。

どうしてもタンバリンとかは音が小さいので、エレキ系に負けてしまうから。

いつもはエレキ・ギターとドラム・パーカッションに隠れがちなベースに酔いしれるのもよし。


調和というものを感じる。

あぁ、アコースティックっていいな、と思わせる。

何よりショーのようで楽しい。

ちょっと前はリロイ(レロイ)・ブラウンがこの役割だった。1920年代みたいなメロディに、ほぼ歌無し。ジャズちっくなピアノとギターサウンド、シンプルなドラム、ブラのウクレレ、ドゥビドゥバーの合唱とか。最後はセリフ「戻りたい!」で終わる。


この歌も表面はかなり楽しげ、一方で内容は同アルバムの「預言者の唄」並に人類への警告を発する。

これは地球が使い物にならなくなり、火星かなんかに移るようなSFというか、警告映画。

いかにも科学者っぽい。


科学者は100年以上警告を鳴らす。

アインシュタインは地球からミツバチがいなくなったら地球は滅びるという。

レイチェル・カーソン女史の沈黙の春。

ミナマタを取材した白人の人。

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんは国連で批難したとき12歳だった。


著名でなくとも他にもたくさんの科学者が口を揃える。


しかし人間の欲望は止まらない。

というか、もう手が付けられない。

まるで核戦争やキューバ危機のように、指を咥えて見るしかない。


昔から、北斗の拳とか、ガンダムとか、荒廃した地球を舞台にしたフィクションは多い。ハリウッドの古いB級映画(質が悪いという意味ではない)もそう。

ブライアンはSF小説や映画も好んだ。

この曲は彼の愛読者ヘルマン・ヘッセの作品に影響されたとクィーン全詩集の山本安見さんが書いていた。


フレディはわざと明るくして、この科学者の気持ちを布教させたのでは?

どうせ無力なら、人生楽しんじゃえ、ともとれる。


歌について

それでは内容だ。 

物語の始まりは、

1939年という地球のパラレル・ワールドなのか、2039年という、当時の65年後なのかわからないが、

地球には住めなくなり、移住先を見つけに行く。

映画「アルマゲドン」みたいな設定。ドラゴンボールの人造人間編のタイムマシンのトランクスみたいな。

音楽自体はスキッフルというイギリスで1950年代に流行ったフォークの走りみたいなジャズ。ブライアンの敬愛するビートルズも当時取り入れてた。

1920年代にアメリカのニューオリンズでおこったディキシーランド・ジャズ(イギリスではトラッド・ジャズ:トラディショナル)が、50年代にリバイバルしたというので、もとはトラッド・ジャズかも。

だから'39なのかも知れない。あの時代をしのんで。あの年上の二人は結構、20年代とかノスタルジック好きだから。クラシック・ディズニーも?

ちなみに、デビューアルバムから数え、39番目の曲という意味らしい。


相対性理論を組み込んだSFで、

宇宙の1年が地球の100年とからしい。

それがわかって行ったのか、それどころじゃなかったのか、悲劇の香りが。

つまり、主人公の有志の宇宙飛行士は孫の時代に帰ってくる。

しかし、もっと孫かも、200年後とか300年後かも。

とにかく、2番では'39年に帰ってくる。

背景がわからないとなかなか分かりづらい曲。

ドラゴンボールでいう精神と時の部屋ですね。

彼がなりたかったが、叶わなかったという宇宙飛行士(もうすぐ叶うかも)になったつもりで

楽しんでいきましょう♪


和訳

’39
Written by Brian May

In the year of '39
Assembled here the Volunteers
In the days when lands were few
Here the ship sailed out into the blue and sunny morn
Sweetest sight ever seen
And the night followed day
And the storytellers say
That the score brave souls inside
For many a lonely day
Sailed across the milky seas
Ne'er looked back, never feared, never cried

Don't you hear my call?
Though you're many years away
Don't you hear me calling you?
Write your letters in the sand
For the day I take your hand
In the land that our grandchildren knew

In the year of '39
Came a ship in from the blue
The Volunteers came home that day
And they bring good news
Of a world so newly born
Though their hearts so heavily weigh
For the Earth is old and grey
Little darlin', we'll away
But my love this cannot be
For so many years are gone
Though I'm older but a year
Your mother's eyes from your eyes cry to me

Don't you hear my call?
Though you're many years away
Don't you hear me calling you?
Write your letters in the sand
For the day I take your hand
In the land that our grandchildren knew

Don't you hear my call?
Though you're many years away
Don't you hear me calling you?
All your letters in the sand
Cannot heal me like your hand
For my life still ahead, pity me

(直訳+手直し)

【1節】
'39年
ここ(荒廃した地球)にボランティア(有志の宇宙飛行士)が集まった
(使える)土地がもう少なくなってしまった時代、
船は青く晴れた朝に出航しました
これまでに見た中で最も素晴らしい光景

そして夜は日を追い、(いく日か過ぎた)
そしてストーリー・テラー(地球に残された語りべ)は言う
20人の?勇敢な魂が中にいること
多くの孤独な日々
天の川を渡って航海
振り返ることも、恐れることも、泣くこともありませんでした

[コーラス]
(こちら船)私の呼びかけが聞こえますか?
あなたは何年も離れていますが
私があなたを呼んでいるのが聞こえませんか?
(火星の)砂に手紙を書いている
私があなたの手をとる日のために
私たちの孫たちが知っていた土地で

【2節】
'39年
青い宙(そら)から船がやってきた
その日、ボランティアが帰ってきました
そして彼らは世界に良い知らせをもたらします、
この度(宇宙に)新しく生まれた世界についての。
ただ、彼らの心はとても重いですが。
地球は古くて灰色です、
リトル・ダーリン、私たちは(また君=地球を)離れます
しかし、私の愛するひとはいるはずもなく、
何年もの間たっています、
私は一年歳をとっただけですが。
あなた(子孫)の目から、あなたのお母さんの目が私に泣きかけます

[コーラス]
私の呼びかけが聞こえませんか?
あなたは何年も離れていますが
私があなたを呼んでいるのが聞こえませんか?
砂に手紙を書く
私があなたの手をとる日のために
私たちの孫が知っていた土地で

【エンディング】
私の呼びかけが聞こえませんか?
あなたは何年も離れていますが
私があなたを呼んでいるのが聞こえませんか?
砂の中のすべてのあなたの手紙も、
あなたの手のように私を癒すことはできません
だって私の人生(君のいない)は、まだ続く(私は若いから)、私を哀れに思いながら


解説

これは、最後は、逝ってしまった最愛の妻を嘆いて終わります。

とても楽しく演奏する内容ではない。

アバのマンマミーアのような、ドロドロなのにやけに明るかったりするのと同じかも。


つまり、ボラプではバラードで主人公が悲しみの中逝こうとして、同アルバムのこの曲は残されたもののの悲しみを歌う。

その後のアルバム、オール・デッドにも通じる。

何か予言するような曲の応酬だ。

そして15年後、実際起きてしまった。


早く逝ってしまい、あとに残された人は嘆きながら残りの人生を生きる。

その苦しみたるや。

それを既に予感して、自分たち、残された者を慰める曲を作っていた。


グッバイ、エビバディ、

アィ、ガットゥ、ゴー、

ガッタ、リーブ、ュー・オール、ビ・ハィンド、

アン' フェイス ザ チュルース

さよなら、みなさん

僕もう行かなきゃ

あなた達みんなを残して

真実に向き合わなきゃ


その後、死にたくない、と絶唱するが、

残された方だってつらいんだよ、

ということ。

(フレディだからしょうがないが)


残りの人生をゾンビのように過ごし、

鬱っぽくもなる。

それでも人生は続く。

そして、今度は自分の問題や地球の滅亡について向き合う。


ブライアンは菜食主義者で、キツネ保護者で、色々活動してる。エイズ団体とかも支援してるはずだ。

2月からはコロナで延期していたライブも始まるという。

どうか、体に気をつけて、頑張ってほしい。


Queen Official 

Queen - '39 (Official Lyric Video)

ねこあるきさん

[ライヴ] '39 サーティナイン 和訳字幕付き クイーン Queen Live at Earls Court 6.6.1977 lyrics Remastered


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?