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TEENSけーすけさんの「発達障害×メタバース」AVOS活用例2|お悩み相談所

こんにちは。前回の記事では、株式会社Kaien 教育事業部TEENS けーすけさんのAVOS活用例1「クイズ大会」についてご紹介しました。新しい発見があってとても面白かったので、ぜひ下のリンクから読んでみてください。

さて、今回もけーすけさんにAVOS活用例を伺っていきます。この記事に関するインタビューの様子はYouTubeでもご覧いただけます。よろしければご視聴ください。(フルバージョンの動画はこちら

AVOS活用例2「お悩み相談所」

前回ご紹介したAVOS活用例1「クイズ大会」のお話の最後に「動きがあると表現できることが変わってくる」とおっしゃったけーすけさん。AVOSを活用して実施している「お悩み相談所」というプログラムの中で、メタバースならではのメリットを発見したそうです。

けーすけさん発表スライド抜粋
けーすけさん発表スライド抜粋6

「お悩み相談所」は、発達障害を持つお子様同士がお互いの悩みを解決していくプログラム。「仲の良い友達ががクラスでふざけすぎちゃってどうしよう…。」「苦手なクラスメイトがいるけどどうしたらよい?」「どうあがいても道ゆく人に肩をぶつけられてしまいます。」といったお悩みが続々と出てきます。

例えばこの「どうあがいても道ゆく人に肩をぶつけられてしまいます。」というお悩みに対して「これをどうかわすか!」という解決策にはカラダの「動き」が必要ですよね。けーすけさんはお子様に対して「僕が通行人になるからかわしてみて!」と提案し、アバターを使ってシミュレーションしながらお子様たちの考える力や想像する力を引き出していったようです。

このようにメタバース上では3Dの世界ならではの「動き」をつけられることで、できることの幅が広がったのだとか。空間を自由に動き回れるメタバース、今後の可能性を感じられますね。

(ちなみに…、上のお悩みは解決したのでしょうか?)

プログラムに参加したお子様同士が議論する中で「かわそうとするんじゃなくて止まったらいいんじゃない?」「止まってぶつかってきたら相手のせいだし、障害物だと思われているのならかわすはずだから、自分がかわすんじゃなくて相手にかわしてもらおう!」といった声があがりメタバース上でアバターを使って訓練しながら解決策が見つかったそうです。そしてお悩み相談をしたお子様からは、実際のリアルな生活で「自分から行かないようになったから(肩がぶつかる回数が)ちょっと減った」と嬉しい報告が!お悩み相談所での議論や訓練が実際の生活にいかされていて素晴らしいですね。

メタバース上では「動ける」ことで支援の幅が広がる

株式会社Kaien 教育事業部TEENSの「しごと未来塾」では、様々なプログラムを通して、将来の就職や自立した生活につながるスキルを身につけるサービスを展開されています。社会で必要なマナーやコミュニケーション術をはじめとする仕事力のほか、学校生活や家庭での過ごし方、ネット・ゲームとの付き合い方など自立に向けたスキルも学ぶことができます。(しごと未来塾ホームページより)

例えば上でご紹介したような「通行人と肩がぶつかるのをどうしよう?」といったお悩みに対しては、「人がぶつかってきそうだから◯◯しよう」ととっさに判断する力や、他の人に相談してその意見をとり入れる力を身につけるといった訓練をされていますが、AVOSを使い始める前は「意見を採り入れて終わり」だったところ3Dならではの「動き」があることで、意見を採り入れた後に「やってみよう」というところまでつなげられるようになったのだそうです。

これによって、TEENS川崎の事業所でリアルに行っている教育支援の一部をオンラインでもできるようになったとのこと。従来のオンラインでの支援に加えて対面でできる支援も加えられるようになったことがAVOS、メタバースを使うメリットとなったようです。

けーすけさん発表スライド抜粋
けーすけさん発表スライド抜粋7

リアルの現場とメタバース上での教育支援の違い

リアルの現場では小学1年生から高校3年生まで幅広い年齢層が集まります。年上の先輩を目の前にして一歩引いてしまうといったお子様の反応もありますが、逆に年齢によってコミュニケーションを変化させる支援につなげられるそうです。

これに対して「年齢や性別に関係なくみんなが平等になれるのがメタバース」とけーすけさんは考えておられます。自分を含めて誰の年齢も学年も本名も分からないところから始まるコミュニケーション。リアルの現場とメタバースではまったく異なる教育支援ができるそうです。

また、対面では難しいけれどチャットでなら会話ができるというお子様もいらっしゃいます。そのようなお子様にはまずメタバースで下地を作り、それからリアルでも頑張ってみようという流れを作って支援されているとのこと。

なるほど、各ツールの特徴やお子様の特性に合わせてリアルとメタバースを使い分けることで、一人ひとりのお子様に寄り添った教育支援ができるのですね。

発達障害のお子様の特徴と教育支援

発達障害のお子様が将来の就職や自立した生活を行えるようサポートされている株式会社Kaien 教育事業部TEENSのけーすけさん。そもそも発達障害のお子様にはどんな特徴があり、どのような支援が必要なのでしょうか。

「日本人はみんな思いやりがある」と一括りにできないように発達障害をお持ちの方の中にも色々な方がいらっしゃるとけーすけさんはおっしゃいます。発達障害は主に、ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム症)、LD(学習障害)の3つに分かれますが、例えば学校で授業中に座っているのが難しい…、算数は得意だけれど漢字が書けない…、など人によって大きく凸凹があるようです。

そんなお子様たちの凸凹に合わせて個別に教育できるとベストですが、大人数が一斉に学ぶ学校教育では、一人ひとりのお子様に十分に目が行き届かないのも現実。しかし安心してください!TEENSでは、お子様たちの凸凹に応じて個別のサポートが受けられる「放課後等デイサービス」というプログラムを提供されています。気になる方はこの機会にぜひチェックしてみてください。

発達障害支援にメタバースが便利なワケ

さて、そんな凸凹のある発達障害のお子様たちに対して、メタバースを使うメリットは他にも何か考えられるでしょうか。けーすけさんに伺ってみました。

TEENSの各事業所では、不登校の方の対面支援も行っていますが、そもそも学校に行けないとTEENSの事業所に行くことも難しいお子様が大半です。メタバースを使えば不登校や外出が苦手なお子様でも自宅からプログラムに参加していただけるため、より幅広いニーズに応えられる支援ができそうです。これは期待が広がりますね。

けーすけさん発表スライド抜粋
けーすけさん発表スライド抜粋8

メタバースを使うとお子様も大盛り上がり!

さて、ここまで「お悩み相談所」のプログラム内容や、メタバースを発達障害の教育支援に活用するメリットなどを伺ってきましたが、実際にAVOS(メタバース)を使って「お悩み相談所」に参加されたお子様たちはどのような反応をされているのでしょうか。

ビデオ会議を使っていた時はスタッフがファシリテーターとなり、お子様たちに手を挙げてもらい一人ずつ発表する方法で運営されていました。しかし、AVOS上ではお子様たちに自由に発言したりチャットにコメントを送信してもらっているとのこと。ルールも「他の子を発言を遮らないようにね」「否定はしないようにね」とシンプルなものだけ。

すると、お子様方が積極的に質問し合い、お互いに話し合いながら問題を解決していくのだそうです。けーすけさんが話す間もないほどお子様間で活発にコミュニケーションが生まれ、まるで大人が対面でお悩み相談をしたほどのお話が展開されていくのだとか。なんと素敵な光景ですね。

答えが一つじゃないことをみんなで解決

「お悩み相談所」のコンセプトは「答えは一つじゃない」ということ。例えば、「苦手なクラスメイトがいるけどどうしたらよい?」というお悩みに対しては、無視しても良いし、話しかけても良いし、複数の解決策があります。出てきた解決策の中から何を選ぶかも自由選択。そしてどれも間違いではないため、けーすけさんたちスタッフはお子様たちに自由な発言を促しています。

すると、「あれも良いね、これも良いね」と活発な意見交換が起きるのだそうです。まるで放課後のおしゃべりタイムのようですね。「解決策の否定はしないように」とルールを決めているため意見の対立は起こらず、こういう方法もあるんじゃない?と建設的な議論の場になるようです。大人もぜひ見習いたい議論の進め方ですね。

最後に一つ驚くべきなのは、けーすけさんたちは半年から1年間くらいビデオ会議で「お悩み相談」を実施していたそうですが、AVOSを使い始めて1ヶ月くらいでお子様たちの活発な議論が起こるようになったということ。メタバースの可能性を大いに感じられるエピソードでした。

次回予告

さて、今回はTEENSけーすけさんのAVOS活用例2「お悩み相談所」についてご紹介しました。いかがでしたか? 次回はお子様のニッチな会話欲求を満たしながらコミュニケーションスキルを上達できるAVOS活用方法「雑談の会」についてお届けします。ぜひ次回の記事も読んでみてくださいね。


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