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TEENSけーすけさん「発達障害×メターバス」AVOS活用例3|雑談の会

こんにちは。前回の記事では、株式会社Kaien 教育事業部TEENS けーすけさんのAVOS活用例2「お悩み相談所」についてご紹介しました。

今回の記事では、お子様のニッチな会話欲求を満たしながらコミュニケーション力向上につながるAVOS活用例「雑談の会」についてご紹介します!この記事に関するインタビューの様子はYouTubeでもご覧いただけます。よろしければご視聴ください。(フルバージョンの動画はこちら

AVOS活用例3「雑談の会」

発達障害をお持ちの小中高生を対象に教育支援を行うTEENSでは、AVOSを使って「雑談の会」を開催されています。これはどのようなイベントなのでしょうか?

けーすけさん発表スライド抜粋9
けーすけさん発表スライド抜粋9

「雑談の会」は、ビデオ通話ではカメラをオフにしたりドキドキして話すのが苦手なお子様でも人と話す訓練ができるよう、テーマだけ決めてメタバースでみんなで話そう!というイベントです。

月に5回、週替わりでテーマを設定していきます。テーマによって参加人数はまちまちですが、平均して5〜10人くらいのお子様が集まるそうです。雑談をするのにちょうど良さそうな人数ですね。「雑談の会」に参加するお子様は、皆さんお話ししたいことがたくさんあるようで、司会者は置かずにみんなが自由に発言をしていきます。

リアルの現場では見つけられない趣味の仲間と出会える

「鉄道がテーマの回には絶対に参加するけれどゲームの回には絶対に行かない!」というように興味の対象が一つに特化しているお子様もいれば、「アニメもゲームもアイドルも好き!」というように散漫しているお子様もいて特性は人それぞれ。すごい子だと知識量が半端なく、マニアックと呼べるくらいに趣味を極めているお子様も多いとのことです。

そうなると、周りにいる同年代のお子様とはなかなか話が合わなくなってきます。そこで、マニアックなことでも話せる場を設けることで、お子様たちの話したい欲求を満たすことができるのだそうです。なるほど、同じ趣味について分かち合える仲間と「話したい欲求」を満たしながら、同時にコミュニケーションスキルも身につけていくことができそうですね。

また、オンラインで全国、海外どこからでも参加できる点もAVOS、メタバースの強み。リアルの現場で出会えない仲間たちと場所の垣根を超えて、対話しながら切磋琢磨できるのですから使わない手はありません。可能性を十二分に秘めたメタバース。けーすけさんも、まだまだ思いついていないけれどできることがたくさんあるはずと期待を寄せていらっしゃいます。

今後AVOSを使ってやってみたいこと

そんなAVOS、メタバースに大きな期待を寄せていただいているけーすけさんに、今後やってみたいことを伺いました。

けーすけさん発表スライド抜粋10
けーすけさん発表スライド抜粋10

まず、「しごと未来塾」は「TEENSで行っているお子様の働く力を養う支援を、地方の方でも自由に受けられるように」という思いがきっかけで始まりました。現在TEENSには、働く職場を体験する「お仕事体験」というプログラムがあり、パフォーマーとして「マジシャン」をやってみたり、経理やカメラマンなど様々な職種を体験できるそうです。これらお仕事体験をメタバースでもできるはず!とけーすけさんは考えておられます。

「お仕事体験」で様々なスキルを身につけよう

そもそも、お仕事の内容によって意識しなければならないことって違いますよね。けーすけさんご自身もカメラマンをしておられますが、実は相手を笑顔にさせるコミュニケーション力が大事だったり、編集後の見せ方が大事だったり、「お仕事体験」では仕事によって意識する点や見えるものの違いを教えていくのだそうです。

そして今後メタバースを使えば、今リアルでやっていることもできそうだし、メタバースならではのお仕事体験もできるだろう、とけーすけさんの期待は膨らみます。

ちなみに、マジックはお子様たちの間で大変盛り上がっているそうですが、実際にはマジックができるようになることが目的ではなく、指先を動かす練習になったり、相手を楽しませるためのトークを考えたり、失敗した時に誤魔化す力を身につけるといった訓練なのだそうです。う〜ん、奥が深いですね。

「部活動」で話す力を養ってほしい

TEENS「しごと未来塾」では、発達障害のお子様の働く力や生きる上で必要なライフスキルを育んでいます。今後けーすけさんは、お子様の部活動として、パブリックスピーチや話すことに特化した講座もやってみたいと考えておられます。

例えば、話すときに必要な「相手の目を見て話す」スキル。ビデオ通話ではカメラに向かって話すことになりますが、メタバースではアバターを操作して相手に体を向けたり相手に視線を合わせることができます。

このようにメタバースならではの操作性を有効活用しながらより専門的に学べるプログラムを作っていきたいそうです。人との対話が苦手なお子様がまずはメタバース上で練習しスキルアップした後に、リアルの現場で実践するといった段階的なプログラムが組めそうですね。ぜひ実現していただきたいです!

バーチャルインタビュー風景
バーチャルインタビュー風景

「じぶん研究講座」をメタバースで!

しごと未来塾」のメイン講座である「じぶん研究講座」。障害や病気をオープンにしながら自分について考えていこうという講座です。けーすけさんはこの講座をぜひメタバースでもやってみたいとのこと。「じぶん研究講座」を前回の記事でご紹介した「お悩み相談所」のテンションで実現できれば、もっともっと皆さん自分のことを話せるだろうと考えておられます。

というのも、発達障害の方には「なんで自分だけ?」と思う方が多いそうなのです。しかし他の方とお話しすることで「彼もそうなんだから自分だけじゃないんだ」「一人じゃないんだ」と知ることができます。これを、より対面に近いメタバースで実現できたら、きっと今以上にお子様の支援につながるだろうとけーすけさんは考えておられます。

また、この他にも、不登校の方が自宅から参加できるプログラムも色々考えていきたいとのこと。けーすけさんがお話ししてくださった内容は、発達障害に限らず子育てや教育現場、職場などでも参考になりそうなものばかりですね。それにしてもここまでお話を伺ってきて、けーすけさんの発達障害のお子様支援に対する情熱と温かいお気持ちがとても伝わってきます。お話を伺っていて勉強になることばかりです。

AVOSを利用したお子様たちの声

AVOSを活用して発達障害のお子様にさらに寄り添い、支援を続けていらっしゃる株式会社KaienのTEENS、そしてけーすけさん。AVOSを利用したお子様たちからはどんな声があがっているでしょうか。

けーすけさん発表スライド抜粋11
けーすけさん発表スライド抜粋11

イベント中のチャットに「やった〜、メタバースだ!」という声が投稿されたのは印象的でした。そのほかは「自由が利くっていい」とか「その場でお悩み相談するのが楽しかった」といった声があがっています。

けーすけさん曰く、例えば以前からもお悩み相談はしていたしやっていること自体は変わらないけれど、メタバースだと「この場でみんなに相談している」感覚が強くなるとのこと。特に発達障害のお子様は没入しやすい特徴があるためか、メタバースとの相性が良さそうです。

「仮想空間では自由に動けて家にいることすら気づかなかった」という声もありましたが、「動ける」「メタバースである」ということだけでお子様たちにとっては「楽しい」という感覚が先に来るそうです。何よりもお子様たちに「楽しい」と感じていただけるのは嬉しい限りですね。

この点について、けーすけさんたちは決して授業をしている訳ではなくお子様たちに考えるきっかけを提示しているとのこと。そのため、まずは考える場としてお子様たちにAVOS、メタバースが「楽しそう!」と思っていただける点がとてもありがたいとおっしゃっています。やはり楽しくなければ続きませんし、けーすけさんご自身も楽しみたいんです!とのこと。運営側も参加側もみんな楽しい、そんな世界が今後もAVOS、メタバース上で広がっていくことでしょう。

AVOSの改善点、より期待したいこと

さてここまで、AVOSやメタバースの良い点をたくさん伺ってきましたが、AVOSがもっとこうなったらいいな、と思う改善点についても伺ってみました。

「今話している人が誰なのか、もっとはっきり分かると良いですね。そうすると、話している人の方を向くこともできます。また、チャットにコメントを入れた際は誰がコメントをしたのか吹き出しが出ると発言者が分かって良いですね。そうすれば、発言をせずにチャットでコメントをする人ももっと会話に参加している感覚を持つことができます。これらができるようになるとよりリアルに近づけると思います。」

おっしゃる通りですね!声を出して参加する人もチャットで参加する人も、みんなが会話に参加している感覚を持てるという視点は目から鱗でした。

「他には、管理機能としてブレイクアウトルームを作ってまた全体の場に戻せる機能があると良いですね。部屋分けをして小グループでの会話を楽しんでもらいつつ、集合ボタンで皆さんをまた元の部屋に戻せると良いです。」

ご意見どうもありがとうございます!ぜひ今後の開発の参考にさせていただきます。

次回予告

さて、今回はTEENSけーすけさんのAVOS活用例3「雑談の会」やメタバースを利用したお子様たちの反応などについてご紹介しました。いろんな工夫が詰まっていてとても勉強になりました。次回はインタビュー会場に集まった視聴者さんとのQ&Aの様子をご紹介します。ぜひ次回(最終回)の記事も読んでみてくださいね。


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