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エアラインパイロットになりたいと思ったら 読んでほしい note ①

アビオンエアラインスクール
パイロットになりたいひと応援プロジェクト!

自己紹介
うらまつかずこ: 
パイロット養成に関する教育、アドバイザー、コンサルティング会社・㈱エーサップ代表。アビオン・エアラインスクールにてパイロット志望の方への特別コース開催中。


皆さんこんにちは! パイロットになりたいひと応援プロジェクトリーダー・うらまつです。
航空業界はコロナ禍で巨大赤字とか、社員の出向などのニュースでパイロットを目指す方々には不安な日々が続いていますね。でも、いずれはコロナ前と同程度に物流も人流も回復することでしょう。
2030年問題といわれるパイロット大量リタイア時代が目の前ですから、養成に時間がかかる操縦職採用・訓練拡大の足音が聞こえてきています。

私は永くパイロット教育や航空局試験官をしてきた経験から、多くの優秀な学生さんに航空業界、それもパイロットを目指してもらいたいと思っています。
パイロットについて漠然としたイメージしか持っていないけど、職業として考えてみたいという若い方々に読んでいただければ嬉しいです。
加えて、パイロットという職業のやりがいや楽しさもお伝えしましょう!

第1回目の今回、元ANA機長の宮本憲一さんへのインタビューからスタートしたいと思います。
宮本さんは機長職含め、操縦教官、SIM教官として多くの若いパイロットを育てていらっしゃいます。エアラインパイロットの素顔もよくご存じです。私の質問に、ざっくばらんにお話ししていただきました。


エアラインパイロットという職業の魅力はズバリ?

やっぱりはっきり言えば給料がいいことですよね。
社会的地位もあるし、充実感、達成感もあります。給料が高くなければ、こんなに責任の重い仕事はできませんね。エアラインパイロットになる人は、「飛びたい!」ということより、職業としてのパイロットを考えています。

魅力はやはりいろんなところに行けること。特に国際線の場合、世界の主要都市に身を置けることはすごく魅力ですし、楽しいことですね。

仕事の魅力で言えば、やはり達成感でしょうか。
多くのお客様を目的地に安全にお連れするという責任を果たすという達成感です。
年末年始の雪の中を苦労して着陸して、「ありがとうございました!」と声をかけていただくことは無上の喜びでしょう。やっててよかったと心から思います。

勤務時間が不規則なイメージがありますが、お休みはきちんととれますか?

航空会社は国の勤務管理が厳しいですから、ブラック企業ではありえません。休日のスケジュールは前の月に決まります。休みの希望はその前に申し出ればかなえられることが多いし、休みがつぶされることは基本的にないでしょう。
私がシミュレータ教官をやっていたジェットスター・ジャパンのパイロットには、スペインやニュージーランドに住んでいた人もいました。フライト時に会社に来てくれればいいわけです。
スペインに住んでいたパイロットは日本滞在中、勤務時間外に合気道の訓練に通っていましたよ。
休みも多いですし、まったくフリーですから、趣味に没頭している人も多い。私はテニスとグライダーでした。


その分訓練や自己管理が大変でしょう?

定期的に訓練と審査があるので、その時は休みもなく勉強に励むというのが特殊な仕事といえるでしょう。その時は家庭を顧みずに頑張るしかない。
機種の限定拡張訓練や機長昇格訓練、定期審査はかなり本気にやらないといけません。
落ちるわけにはいかないプレッシャーが半端ない。やはりすごく努力しました。

結果に出るから努力する、努力したら結果に出る。これはすごく大きいことです。
営業職などは努力しても結果に出ないこともあるでしょうが、パイロットは努力すれば結果になります。
私はすべてフライトのためと努力できました。毎日イメージして、潜在意識に叩き込む。毎日それをやりました。

イチロー選手はデータを蓄積してそれを実践し続けて活躍したと聞いていますが、私たちも同じ。データを蓄積し、無意識にできるようにする。それを積み重ねるのがプロかな。


パイロットは女性に優しい職業でしょうか?

運航に合わせた勤務体系ですので、不規則といえばそうですし、特に国際線は時差との戦いです。しかしCAさんもそこは同じですよね。今は女性エアラインパイロットもすごく増えています。もちろん家族の支援も大事でしょう。妊娠・出産での運航中断というハンディはありますが、きちんと復帰へのプログラムも組まれています。

責任が大きい仕事だといわれますが、ストレスは溜まる?

ストレスの多くは人間関係だと思いますが、この部分は少ないかな。仕事が終わったらおしまいです。これも大きい利点のような気がします。
緊張からくるストレスはありますが、いやなストレスではない。緊張感はあるけど、終わった時の解放感もあります。
パイロットになるまでの訓練のストレス、機長昇格までのストレスはかなりあると思いますが。

エアラインパイロットに必要な素質とは何だと思いますか?

地道に努力できて、明るい性格なども大切です。会社に採用してもらわなければなりませんからね。
でも、もう少し突き詰めてみると、運を持っているというのも大切かなと。
どんなに努力しても人間の力でどうにもならないことがある。私も長いパイロット人生で、「運がよかった!」と思ったことは何度もあります。
大谷翔平選手はあいさつや掃除で運を引き寄せていると、テレビ番組で紹介されていました。道具を大切にするとかで、自ら運を引き寄せる努力を昔からしているとのこと。夢をつかむには運も大切だということってあるんじゃないかと思いますよ。

なかなか興味深いお話が聞けました。次回はもう少し具体的にパイロットへのアプローチについてお話ししましょう。
次回のnoteをお楽しみに。


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