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イーストヴィレッジとオジサン 002

ニューヨークに引っ越す前は私の頭の中のニューヨークのイメージはドラマで言うとセックスアンドザシティやフレンズがイメージだった。引っ越してからはドラマで言うとブロードシティ。

東京でも中央線界隈や浅草辺りのサブカルチャーが大好きだった私には思っても無い嬉しいサプライズ。

勿論アッパーウェストサイドにゴージャスに暮らす人は沢山いる。

私の住んでるイーストヴィレッジは昔から何十年も住んでるようなお年寄りから若いヒップスターまでごちゃ混ぜが楽しいエリア。80年代の映画と変わらないような街並みも大好きで6年間引っ越しもあったけど好きでイーストヴィレッジから離れられないのです。

そんなイーストヴィレッジらしい出来事が先日トレーダージョーズに買い物に行った時にあった。

買い物を済ませてレジに並んでた私。案内されたレジには首までタトゥーが入ったおじさん。話し方はラフだったけどすごく丁寧に商品を私の持ち帰り用のふくろに入れてくれる。ニューヨークのレジの人達はお話好きな人が多いんだけど、この人はその最上級だった。

How are you?から始まって雨で嫌気がさすわーって文句言った私にオジサンは何でか人生を語り始めた。
オジサンはトレジョで働いて6ヶ月。14stでホームレスしてた所をこのままじゃダメだってドラッグも辞めて、職を探してトレジョが雇ってくれたらしい。オジサンはそんなトレジョにとっても感謝してて、14stにたくさん居るホームレス仲間にも同じように頑張って欲しいから助けられないか仕事終わりに話に行くらしい。トレジョが仕事をくれたおかげで家もまた借りられたし、こんな雨の日も心配しないで寝れるって。

最後まで綺麗に商品を並べて入れてくれて、丁寧な対応してくれて何だか自分にも知らないうちにバイアスで世の中を見てたなぁと改心させられた。この人を雇った人事はすごい。

まさかこんな話をレジで聞くとは思わなくてジーンと感動もしたけど、いつもながら私の後ろに長く続くレジ待ちの列を全く気にせずなが〜く自分の話を話せるニューヨーカーの図太さにも感心したひと時だった。

まだまだ知らない事だらけ。

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