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インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第4回 柏葉幸子&杉田比呂美『霧のむこうのふしぎな町』

【Rina Sawayama, Elton John - Chosen Family】

実は本文のヒロインとは体型が違うというのが、ある意味現実味があるのだ。

 インリン「アイちゃん、今日は児童文学? 素朴な表紙ね」
 アーモンドアイ「今回は柏葉幸子さんの本文と杉田比呂美さんの表紙絵と挿絵の『霧のむこうのふしぎな町』(講談社青い鳥文庫)です」
 インリン「解説は翻訳家の金原瑞人さんという事は、要するに新版ね」
 アモアイ「はい。初版は1980年に出版されました。明智紫苑さんは小学校高学年か中学校時代に、学校の図書室でこの本を借りて読みました」
 インリン「当時は『リナ』という名前は日本人女性の名前としては珍しかったよね?」
 アモアイ「そういえば、80年代の日本のアニメでは『サラ』という名前をチラホラ見かけますね」
 インリン「紫苑さんの本名は『サチコ』だけど、良くも悪くも昭和らしい名前ね」
 アモアイ「まあ、あの『リング』の貞子さんもいますが」
 インリン「この話は80年代の『清里ブーム』を連想させる雰囲気の町が舞台ね。日本語で言う『ハイカラ』という形容詞がぴったり」
 アモアイ「この小説のシチュエーションは映画『千と千尋の神隠し』の世界観に影響を与えたらしいですが、あちらが和風の雰囲気なのに対して、こちらは洋風の雰囲気の作品です」
 インリン「この本といい、アニメの『クリィミーマミ』といい、80年代の日本が豊かでキラキラしていたのを思い出させるけど、今はレトロな感じの内容ね」
 アモアイ「今はリナちゃんの娘さんがこの町に行っているでしょうね。良い意味で異世界です」

【Rina Sawayama - Imagining】

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