思春期に受けたいじめに対して大人になった今、思うこと。

私は、高校生の頃に部活内で後輩からいじめを受けていた。
大人になった今、当時のことをたまに振り返ることがあるが今だから思うことを書いてみる。

私は中高一貫校で中学から運動部に所属していた。訳あって中学の途中で退部してしまったが、高校に上がってからまた再入部した。
中高一貫校だったため、私が所属していた運動部は中学から高校に上がってもメンバーは変わらず中学1年生や高校1年生の新入部員だけが新しく入ってくる感じだった。
そんなに鬼のように厳しい部活でもなかった。

再入部した高校生の頃、気の強い後輩が2人いた。1学年下の後輩と2学年下の後輩だ。
この後輩2人は部活内外でも仲が良かった。

私の学年には私以外に部員が数名いた。
しかし、生徒会や塾などで忙しくしていたため部活には途中から参加することも多々あった。
そのため、私は下の後輩たちと練習をすることが多かった。
私は人に強く物事を主張できない性格だ。
たぶんそこに目をつけられたのだろう。
1度退部して再入部し、競技の実力も下の人間でも先輩として扱わないといけないことにその後輩たちはイライラしていたのだと思う。
私は後輩たちと対等に向き合いたかったため、先輩ヅラして上から目線で話すこともなくどんな相手に対しても平等に接していた。

後輩2人は私がどんな人間なのか様子を見ていたのだろう。初めはなんら変わりのない後輩と先輩関係であった。
たまに「先輩ってさぁ~」とタメ口のような聞き方をすることもあった。
同学年の仲でも、いじられキャラだった私は周りをよく和ませていた。
(注:同学年の仲のいじられキャラはいじめではなく和ませるという意味合いである。)
それを見てか、後輩もよく私をいじるようになってきた。
「先輩ってさぁ~」から始まり、
「ねぇ先輩」と後輩2人から私へのタメ口が増えていった。
「ねぇ先輩これ持って」とか言う、人として間違ってるなと思ったことは後輩に指摘していたが時すでに遅し。

後輩2人の暴走はエスカレートしていった。
特に1学年下の後輩。
2学年下の後輩はまだいじりはするが、人としてやってはいけないことはやらない子だった。

1学年下の後輩は、
・横並びで筋トレ中に、間違ってぶつかってしまったフリをして思いっきり足をぶつけてくる。
・練習メニューが記載された紙を自分で持ったまま内容を見せない。
・部室の扉に足をかけて室内に入らせない。
・部室内で上履きを隠す。
・冬場は雪合戦を部員で遊びの一環でやっていたがその後輩だけは本気で投げてくる。
・大会で貸したTシャツは卒業した今も返されていない。

書き出したらキリがないが…。
私もはっきり止めてくれと強く言えなかったのがいじめをエスカレートさせた原因の1つだったと反省しているが、当時の私にはそんなことを言うのは無理だった。
たぶん今もそうだろう。
そういう人がいじめのターゲットになるのだから。

私と同学年の部員は、その頃何をしていたのか。私に対して後輩がやり過ぎていたのは、口頭での私と後輩2人との会話からなんとなく知っていたが、実際に蹴ったり上履きを隠したりする現場は見ていなかった。また何よりも後輩2人は次期ルーキーになるポジションでもあったため、あまり強くは言えなかったのだと思う。私も同学年の部員の立場だったら、きっと同じ行動をしているだろう。

顧問に助けを求めたり、また退部することは考えなかったのか?
正確に言うと助けを求めなかったのではなく、求められなかったのだ。
また1度退部して再入部していたため言いにくかったのもあった。
以前この運動部は1つ前の私の先輩の学年で問題があり、少し部内がギクシャクしたことがあった。
今回、私の一件でまた部内環境が悪化するくらいなら私1人が耐えれば事は丸く収まると思ったのだ。

両親には、いじめを受けていることを言えなかった。
言ったら目の前で泣いてしまいそうで、親の前で泣く自分をプライドが邪魔をして許せなかったためだ。

1番辛かったのは、
登下校時に使う下駄箱に色々な悪口を書かれたA4の紙がぐちゃぐちゃに丸められて入っていた時が一番堪えた。

そんな思春期のいじめ話である。

こうして、たまに過去のことを大人になってからふと振り返る。

思春期に受けたいじめに対して、
大人になった今、思うことがある。

それは「辛いと思ったら全力で逃げることも大切だ」と言うことだ。

当時の私にはそれが難しかった。

学校という狭まれた組織の中で、
誰かにSOSを出すこと。
どんなに勇気がいることか。
でも、
学校を休んででも、
誰かの前で泣いてでも、
『助けて』と一言叫ぶことが自分を救う最後の砦。

もし、あの当時の自分に会えるなら

「辛いと思ったら全力で逃げることも必要だよ」って伝えたい。

どんな手を使ってでも。




おわり。

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