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遅いインターネット②

〜今日の一枚〜

瀬戸内海を一望できる場所から。夕日の優しい光とくっきり映える雲のコントラストがとても綺麗でした。

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こんばんは、今日は昨日の記事の続きです。

宇野常寛さんの「遅いインターネット」を読んで、色々感じることがあったので、忘れないようにメモを取る感覚で、書いております。

ただ、読み返した時に思い出しやすいよう、できるだけわかりやすくまとめますので、応援よろしくお願い致します。笑


さて、前回はインターネットの普及によって生まれた弊害について書きました。

人々は「書くこと=発信すること」が容易になったことで、情報を表面的にしか取り入れられなくなり、感情に任せて「好き」「嫌い」で意見を発してしまう生き物になってしまったという話でした。


その事態に対処するために、筆者である宇野さんは、

「遅いインターネットが必要である」と書かれていました。


じゃあ「遅いインターネット」って何かを説明するには、

まず前提として、インターネットの「速さ」は表面的な特徴でしかないという点を理解する必要があります。

瞬時に情報にアクセスできるその「速さ」をインターネットの特徴と捉えている人が多いと思います(事実私もそう思ってました)。

ただ、それは特徴の一部のみにフォーカスしているだけで、インターネットの本質ではないんです。


その本質とは「情報に触れる速度を自由に決めることができる」という点にあります。

例を挙げて説明すると、

全くの初心者が新しくカメラを買いたいと、ネットで調べるとします。


その時によく出会うのが「初心者にオススメのカメラはコレ!」みたいなまとめサイト。「画質が綺麗」「有名なメーカー」「値段がお手頃」などの情報から、「これでいいや!」と購入する人は割といます。


が、中にはそこで調べることをやめず、例えばカメラの仕事をしている知り合いにSNSで質問したり、カメラの専門用語についてネットで更に調べたりして、自分が求める性能のカメラはコレだ、と確信を持って購入する人もいます。


この場合、やはり後者の方が、自分に合ったカメラを購入することができる確率は上がることは、皆想像つくと思います。



このように、インターネット上にある様々な情報を素早く取り入れることもできれば、一つの事象をインターネットを駆使して様々な観点から調べ、ゆっくりと理解しながら触れることもできる。


そして、その情報をゆっくりと消化し、自分の考えを織り交ぜながら意見を発信する。それが私たちに必要とされていることであり、

それこそが「遅いインターネット」であると本の中で述べられています。


いつの間にか、私たちはインターネットのおかげで簡単に「答え」を手に入れることができるようになり、スマホさえあれば、カメラの使い方や美味しいハイボールの作り方を簡単に知ることができます。

今まで出会うことのなかったモノに触れる感覚は、もはや当たり前となりました。

ただ、その手軽さゆえに、それは時に私たちから「考える」という行為を奪い取り、稚拙な言葉を発信するよう人間を退化させてしまっているという側面を持っているんです。


この本はその危うさを私たちに伝え、「情報を自分の頭で考えて、自分の言葉で伝える」ことの大切さを説いています。


そして更に、今の状況を前に進めるための解決策は、まさに「遅いインターネット」の中にしかないとも語られています。


ある問題に対して正面から向き合い、わからない部分があれば理解するよう知識を付け、そこから解決に進めるために行うべき処方箋を提言する。

そんな遠回りな活動を、全国民がインターネットを通じてしあうことができれば、少なからず現在よりは日本という国を前に進めることができる。


そんな強い意志を、この本から感じ、学ぶことができました。


最近、noteを更新するようになり、発信する機会が増えるにつれ、

表面的にいい言葉を並べて、人に好かれようという気持ちで書いていた部分がやはりあって。

今考えれば、それは「自分が伝えたい言葉」ではなかったかも、とこの本を読んで感じました。


では、「自分の言葉」を発信するには、どうしたらいいのか。本当に伝えたいことはどうやったら生まれるのか。

その答えは、まさしく「遅いインターネット」の中にしか答えはないように思います。


このnoteを通じて何かを考えるきっかけになる、そんな記事を書けるようこれから少しずつ努力していこうと思います。


皆さんもぜひ「自分の頭で考えて、より良い未来を提案する」力を一緒につけていきましょう。


それでは、おやすみなさい。




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