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アプリ紹介① 工程別不良チェックシートアプリ

初めまして。株式会社オートシステム システム部に2023年の6月から入社しました「ひっぽー」です。

今回は弊社内で実際にkintoneで開発し運用しているアプリについて紹介します。

■工程別不良チェックシートアプリとは?

弊社の事業の一つであるワイヤーハーネスの製造ですが、その製造過程では作業ミスなどにより「不良」が発生します。システムで例えるとバグでしょうか。

今回ご紹介するアプリは、この不良発生時の不良内容入力に使うアプリとなります。


アプリの新規入力画面

製造工程で発生した不良部材は、修理工程のある不適合品エリアに集められます。そして、不良部材の発生工程原因などの詳細を記録し、管理しています。これは品質管理・品質向上のために大切なことですね。

不良部材の入ったコンテナは"不適合品置き場"に集められます
図面を見ながら不良箇所を特定し、アプリから新規入力中
入力が完了すると、手直し中の帳票が出力されます
手直し帳票のサンプル
コンテナに帳票を貼り付け、各工程に運ばれ手直しされます

■ 開発者インタビュー

開発したシステム部のマロン顧問にお話を聞いてきました。

■ マロン顧問
勤続年数:6年半(製造 ⇒ システム)
好きな食べ物:和菓子(特にあんこ系)
おすすめ:今宿にある「日本一たい焼き」の小豆あん

笑顔が素敵なマロン顧問。
若さの秘訣は「毎朝の卵かけごはんと、奥さんと元気よくケンカして負けること(笑)」とのこと

Q1.アプリ開発前の運用・状況について教えてください。

マロン顧問:以前は紙の帳票で運用していました。不適合品置き場に集められた不良部材について、製造部門の社員が「工程別不良チェックシート」というA4サイズの帳票に手書きで記入します。

以前運用していた、手書きのチェックシート

そのチェックシートはバインダーに保管し、2週間ごとにエクセルファイルに転記します。そして、報告用に1か月ごとにデータをまとめていました。

また、不定期に「最近の不良発生状況の詳細を教えてほしい」という要望があがるのですが、情報がバインダーとエクセルに散在しているためデータを集めるだけでも時間がかかり、すぐに詳細な状況が報告できない状態でした。

Q2.アプリ化のきっかけを教えてください。

マロン顧問:製造の担当社員の間で、エクセルへの転記が大変だという話は小耳には挟んでいたのですが…。 いつからか、担当社員の作業負荷が高いということで、エクセル転記の作業が私の元にやってきたんです。

実際にやってみると…、まあ大変でした(笑)

元データは手書きですから、人によって表記のばらつきもありますし、誤記もありますよね。 それをそのまま転記したり、自分がタイプミスしたり、入力漏れも発生して…。エクセルにはまとめましたが、正確なデータとはいえません。

何より時間がかかりました。月に3日間は転記作業にとられていたと思います。 このエクセル転記作業をどうにかしたいな、と思っていたところに社内でkintoneの導入が決まり、アプリ開発につながりました。 kintone導入も良いタイミングでしたが、実際に自分がエクセル転記の担当になったことが大きいと思います。

——なるほど。いざ、自分の作業になって初めて気づくということですね。

以前、利用していたエクセルの表

Q3.開発にあたり、工夫したこと・苦労したことなどあれば教えてください。

マロン顧問:新規入力画面では、帳票に記載のあった項目はすべて引き継ぎました。

そのうえで、誰でも使えることを意識して、入力データはバーコードリーダでの読み取りや、項目も可能な限り選択式にして、直接入力箇所(キーボードを使う作業)を減らすよう工夫しました。

「不良発生工程」と「不良内訳」を順番に入力するのですが、不良発生工程によって、選択できる不良内訳を絞り込みました。

例えば、「圧着不良」という不良内訳は、不良発生工程が「手動圧着」の場合は選択できますが、 不良発生工程が「ケーブル切断」の場合には選択可能なデータとしてリストに表示されません。 単純に選択式にしても、選択データが多すぎると選ぶのも大変なので、表示させるデータを絞り込みました。

発生工程が「手動圧着」の場合に、選択可能な不良内訳の種類

発生工程が「ケーブル切断」の場合に、選択可能な不良内訳の種類

また、入力画面で最初に「処理方法」を選択するのですが、選んだ処理方法によって必要な入力項目が違ってくるため、不要な入力項目は非表示としました。

処理方法で「仕損あり」を選んだ場合
処理方法で「仕損なし」を選んだ場合は、仕損材料コードの入力欄は表示されません

表示データの絞込や、選択項目によって表示/非表示を切り替えるなどは、kintoneのプラグインを利用し、入力ができるだけ簡単になるよう工夫しました。

Q4.kintoneアプリ導入後の変化について教えてください。

マロン顧問:まず、私が担当していたエクセル転記作業はなくなりました!
不良発生がアプリで直接入力できるようになったので、情報が一元管理され、リアルタイムで不良発生状況が確認できるようになりました。

アプリに入力された不良の一覧
データ登録と同時にグラフ化も出来ています。

この不良工程入力のアプリ化を1次開発として、その後4次開発まで完了しました。ちなみに、1次開発にかかった時間は1週間程度でした。

2次開発では、同じく紙で運用していた「持ち出し部材」のアプリ化に対応し、3次開発では、要望の上がったFコスト(※)の自動算出に対応しました。(※Fコスト・・・不良対応のために必要な手間と部品コスト)

4次開発では、本社で製造していたワイヤーハーネスの、一部の工程が志摩工場に移動することになったためチェックリストを準備することになり、その対応を行いました。

2次開発以降、複数部署間での仕様の打合せが発生すれば、その分の時間はかかりますが、実際のアプリ開発にかかった時間は1~2日程度です。

——すごい!次々にアプリ化が進んでいますね!
要望への対応や、運用の変化にも対応して、すごいですね!

現場の方にヒアリングするマロン顧問

Q5.作成したアプリの導入方法を教えてください。

マロン顧問:1次開発となった不良工程の入力アプリの導入時は、対象者は4~5名だったので一人ずつ説明しました。実際にアプリを使って新規入力を行いながら説明をし、一人10分程度だったと思います。帳票の項目がそのままだったので、スムーズに受け入れてもらえたと思います。

2次開発となった持出部材アプリについては、対象者が10名以上いました。製造責任者に了承を得て時間を調整してもらい、現場作業者の方を集めて10分程度の説明を行いました。 その際は、操作方法について画面を貼り付けた3枚程度の簡単なマニュアルも作成しました。

——一人ずつ説明するのは大変そうですが、確実に周知できますね。  
対象者の人数や、作業内容によって、今後もいろんなケースが考えられそうですね。

Q6.アプリ開発について、アドバイスなどあればお願いします。

マロン顧問:そうですね… 。今回は現在使われているアプリについてお話ししましたが、実は作ったまま使われていないアプリもたくさんあるんです。。 今回作ったアプリの中にも、担当部門と打合せをして追加した入力欄があるんですが、実際あまり使われていないというものがあります。。(汗)

使い勝手や仕様検討が必要なものもあれば、現場への周知がうまくいっていない場合もあると思います。

私もアプリを作っていて「これあったら便利なんじゃない?」と機能を追加する場合もありますが、作る人と使う人が違う場合はきちんと認識合わせが必要だと思います。 ただ、作成したアプリがうまく活用できれば、業務がスムーズになるのは間違いないと思います。

kintoneを使うとアプリ作成がとても簡単にできるので、まずは作ってみてほしいです。そして一緒に成功体験を共有したいです。

もし分からないことあれば私がサポートしますから何でも聞いてください!!

——マロン顧問、ありがとうございます!!  
明日から質問攻めになると思いますが、覚悟してくださいね(笑)

マロン顧問の開発環境

いかがだったでしょうか?

私もkintoneアプリの開発経験がゼロなのですが、なんでも、エクセルを読み込んでアプリ化するのはとても簡単だそうです。

エクセルがアプリ化されて、kintoneアプリから編集・更新可能になれば、見る場所も1つでいいし、別の人の編集も待たなくていいし、それだけでも便利そうじゃないですか?!

なんでもいいので、早く作ってみたい気分になりました!

皆さんの仕事の中に、「この作業どうにかならんかな??」「めっちゃ時間かかる。。」そんな作業はないですか??

ひょっとしたらアプリ化して効率化できるかもしれません。

そんな仕事の「困りごと」を身近にとらえて業務改善に前向きに取り組んでいけたらいいなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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