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2019年5月の記事一覧
『ヴィータ大量失踪事件』プロローグ
「で、話ってのは何だ?」
アジトに戻ってやっと一段落、思い思いに羽を伸ばしていた面々だが翌日の朝にはまた呼び出されていた。済まなさそうに謝るソロモンに対し、そんなことは構わん、とブネが話を進める。
「それが、王都から調査依頼が来たんだ」
「へえ、シバから」
バルバトスの表情から笑みが消え、一気に真剣な顔つきとなる。
「なになに!? キノコの調査ならあたしがあたしが!」
「そんなわけないでしょ」
『ヴィータ大量失踪事件』第1話
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「見えてきたぞ、あれが例の町だ!」
ソロモンが指す道の先、多くの建物が並んでいた。遠目に見る限りでは王都には遠く及ばないものの、それなりに大きな町に見える。
「けっこうデカい町じゃん? 美味い肉にありつけそうだぜ!」
「ちょっと。目的が違うでしょ」
「分かってるって
『ヴィータ大量失踪事件』第2話
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「なっ……これは、どういう……」
町に入り、その様子にソロモンは言葉を失った。あれだけの数の幻獣、嫌でもグロル村を思い出す。だから最悪の事態は想定していた。だが時に現実は想定を裏切る。
「おかしい、こんなはずは……。一体どうしてなんだ」
バルバトスまでもが困惑する。そ
『ヴィータ大量失踪事件』第3話
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夜にラミアが振る舞ってくれた料理はどれも絶品で、ソロモンたちは心ゆくまでそれらを味わった。どの料理にもこの町で取れた食材が1つ以上は使われており、そしてそのどれもがフォトンを多分に含んでいるらしく、特にメギドたちはこの町の食事にすっかり心を奪われたようだった。
そして