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【ドラえもんのターゲット層とは】Samantha Thavasa Petit Choice×ドラえもんタイアップより

こんにちは。バナナ星です。

2024年は藤子・F・不二雄先生の生誕90周年ということで、F作品関連のグッズ・イベントが盛り沢山の1年になりそうです。激アツ。

特に、衣料品ブランド×ドラえもんのタイアップが多いですね(90周年記念なのか、「ドラえもん」単体の力なのかはわかりませんが)。

Samantha Thavasa Petit Choice × ドラえもん
ANREALAGE × ドラえもん
など、中~高価格帯ブランドがコラボしています。

ふと疑問が浮かびました。
これらはどのターゲット層を狙ったタイアップなのでしょう
というのも、私自身タイアップのニュースを嬉しく感じると同時に、
「自分は買わないな」と思ったからです。
かわいいとは思うのですが、色合いが自分のファッションに合わせづらかったり、キャラクターの主張が強くてやや恥ずかしいことがネックだと思いました。

私はこのように感じて購入を断念しましたが、他のドラえもんファンの方々にはどう映っているのでしょうか。

きちんとした企業のタイアップですから、需要の見込みなしだとは思えません。IP(知的財産)の利用にはお金がかかります。確実な利益を見通して手を組んだはず。

そこで、今回はSamantha Thavasa Petit Choiceとのタイアップについて考察し、それぞれのターゲット層を考えていきます。

具体的には、マーケティングのフレームワークの一つである「STP分析」を用いて考察します(マーケティング素人による個人的解釈ですが…)。
STP分析については軽く後述しますが、詳しく知りたい方はこちらの解説が参考になるかと思います。

それでは、興味のある方は続きをどうぞ。


Samantha Thavasa Petit Choice × ドラえもん

出典:Samantha Thavasa Official Online Shop

Samantha Thavasa Petit Choiceとは

株式会社サマンサタバサジャパンリミテッドの系列ブランドである。
当社は「女性の永遠のパートナー」をコンセプトに、バッグやアクセサリーの製造・販売を行っている。

その中でSmantha Thavasa Petit Choiceは、「バッグの中も可愛くコーディネート」「私らしさの発見」をコンセプトに、女性向けの財布・ポーチなどの小物アイテムを扱うブランドである。

「私らしさの発見」には、「ずっと変わらない好きなもの」との出会いが含意されている。その点、幼少期の記憶を蘇らせるようなIPとのタイアップ商品はブランドイメージに適うと言える。

これまでも、ディズニーキャラクターやミッフィーなどのIP商品を発売してきた。IP以外にも、CanCamや西武ライオンズなど幅広いジャンルとのタイアップ事例がある。

商品のデザインは可愛らしさと落ち着きのバランスが取れた雰囲気のものが多い。価格帯は大体3,000~30,000円である。
ブランドイメージと価格帯から推測するに、ターゲット年齢層は20~30代だと思われる。

タイアップ商品情報

ドラえもんやドラミをモチーフにしたバッグ、財布、チャームなどが発売された。既にSOLD OUTの商品もあり、人気ぶりが伺える(2024年2月28日現在)。
商品の価格帯は4,400~25,300円。

詳しい商品情報はこちら

STP分析

STP分析とは「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の3ステップのモデルである。
3モデルの分析を進めることで、マーケティングの指針を立てることができる。
各ステップの説明は以下の通りである。

  • Segmentaion:市場を細分化する

  • Targeting:狙う市場を決める

  • Positioning:自社の立ち位置を明確にする

今回はこのフレームワークを応用して分析する。

Segmentation

まず、タイアップの顧客は「そのIPを好きな人」が想定されるため、
オタク度(ドラえもんの好き度合い)・年齢層の2軸でセグメント分けを行った(図1)。

なお、ブランドの性質上、男性客はかなり少ないと考えられる。よって、今回は女性に絞って議論する(男性ファンの方、申し訳ありません。)。

図1

Targeting

次に、上記のセグメントの中から今回のタイアップにおけるターゲットを絞った(図2)。


図2

まず、オタク度については中~重度のファンを想定した。

その根拠は、タイアップ商品の価格帯にある。
決して低くはないが学生でも払える絶妙な料金設定。「かわいいし珍しい」という理由で買う人もいれば、「ドラえもんグッズを集めたい!」という確固たる意志をもって買う人もいるだろう。

次に、年齢層については10代後半~40代を想定した。

当ブランド自体のターゲット層に則れば20~30代がメインとなるが、
IPタイアップ商品は一般的な商品よりも若さ・ファンシーさが増すため、10代後半~20代がメインターゲットだと考えた。
ただし、重度のファンは年齢を重ねても購入する。コレクターとして購入したり、年齢問わず「アイデンティティ=ドラえもんオタク」を誇示したりという目的が考えられる。

Positioning

最後に、Targetingで絞り込んだ領域内で、今回のタイアップ商品の立ち位置を考える。
タイアップの中でも、特に衣料品・小物アイテム関連のブランドをピックアップしてポジショニングマップを作成した(図3)。

図3

マップの2軸は、衣料品・小物アイテムのIPグッズを購入する際に私自身が注目する点である。

まず、オタク感の強さ

これは、ファンではない第三者が見てすぐにIPを特定できるようなデザインかどうかを意味する。例えば、ドラえもんの総柄のバッグは一目瞭然である。

もちろん、オタク感の強弱に良し悪しはない。
個人的には、公の場で使う衣料品はオタク感が薄いものだと嬉しい。
ネガティブな理由としては、年齢的にキャラクターものを身につけていると周りの目が気になることが挙げられる。
ポジティブな理由は2つある。
第一に、「ファンにはわかる」デザインだと、より上級のオタクになったような気がする(?)。第二に、TPOを選ばず日常的に身につけられるため、キャラクターと共に生活できて嬉しい。

次に、実用品か鑑賞品か、という用途の違いである。

オタク感が薄いものや、ジャージなど家で使用するアイテムは自ずと実用的になる。
一方、オタク感の強いものや高価格アイテムは、日常使いではなく鑑賞用になりやすい。

この2軸で考えたとき、本タイアップ商品はマップの真ん中よりやや左上に位置すると考えた。

アイテムにもよるのだが、例えばドラえもんやドラミの顔があしらわれたパスケースはオタク感が強い。
しかし、長財布・折財布はキャラクターのモチーフの取り入れ方が絶妙で、遠目からではタイアップ商品だとわからないだろう。
また、バッグチャーム・ファスナーチャームはオタク感が強くても目立ちにくいため、日常使いしやすいと考えた。

出典:Samantha Thavasa Official Online Shop

以上の理由から、オタク感はやや薄め、実用性は高めだと考え、上記の位置にポジショニングした。

終わりに

本稿では、Samantha Thavasa Petit Choice×ドラえもんのタイアップ商品を考察しました。
ブランド自体のイメージや背景も踏まえつつ、STP分析を用いてターゲット層の仮説を立てました。

要点は以下の通りです。

  • ターゲット層:「中~重度のオタク」×「10代後半~40代」

  • ポジショニング:「オタク感やや薄め」×「実用性高め」

本タイアップ商品は、尖りすぎない価格帯・オタク感・機能性から幅広い需要が期待されると考えました。
ただし、デザインが若者向けであることや、商品によってはオタク感が強く出ることから、メイン顧客は10代後半~20代の重度のファンだと思います。

ブランドコンセプト「バッグの中も可愛くコーディネート」や「私らしさの発見」を「ドラえもん」で叶える…。ファンの胸が高鳴るタイアップでした。

あくまで本稿での仮説はデータ的根拠に乏しく、主観に基づく仮説に過ぎません。
実際には男性客もいらっしゃるでしょう。自分用に買うという人もいれば、プレゼント用も考えられます。異なる切り口の軸でマップを作ることもできます。

けれども、こうしてドラえもんをフレームワークに落とし込んで分析するのは面白いなあと思いました。改めて、こんなにも沢山のブランドとタイアップできるドラえもんのポテンシャルに脱帽です。好き。

今後もかわいいアイテム待ってます…!
オタク感極薄の大人女子おしゃれアイテム待機!!!!

最後までお読みくださりありがとうございました!



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