【2022J2リーグ】群馬vs岡山【第33節】

ザスパクサツ群馬vsファジアーノ岡山

2022.08.28
実況:永田実
解説:佐藤勇人
主審:小屋幸栄
DAZN(Live)+見返し

【まえがき】

前節、非常に非常に悔しい敗戦を喫した岡山。コロナの影響でベストメンバーが組めない中でも奮闘し、首位横浜を追い詰めながらも0-1。詳しくはこちら。

一週間空いてどのくらい選手が戻ってくるのか、そしてリバウンドメンタリティを持って挑めるか注目したい。

一方の群馬は前節、3位ベガルタ仙台に1-0と勝利し、上位相手に連勝を狙いに来る。Jリーグ公式のスタッツでは群馬がシュート15本、仙台が1本となっている。一体何が起きたのか。前々節の横浜FC戦は見ていたが、追い風の中の後半は横浜FCをかなり押し込んでいた。

【スタメン】

ザスパクサツ群馬
監督:大槻毅
442

GK櫛引
DF岡本(2003)、城和、畑尾、小島
MF長倉、風間、細貝、高木
FW北川、加藤

ファジアーノ岡山
442

GK堀田
DF成瀬、柳、バイス、宮崎智
MFムーク、輪笠、佐野、宮崎幾
FWデューク、齊藤

【試合の感想】

岡山は442の入りに見えたが、試合後の監督のインタビューでは「442?なんでもいいんじゃないですか、システムなんて」との事。このコメント大好き
宮崎幾が左WBに入り532の時間帯も多く見られ、相手に合わせて立ち位置を変えているので、あまり初期配置には拘っていないのかもしれない。
前半の入りから岡山が積極的に前へ出ていた印象だった。デュークや齊藤がサイドに流れて起点になり佐野や宮崎幾、ムークがサポートに入る。
11分に最初のチャンスが岡山へ。左サイドで下りてきたデュークから同サイドの裏へ走り出した齊藤へのパス。齊藤が少し運び中央の佐野へ繋ぎ、佐野のミドルシュート。わずかに左側へ外れた。
13分には岡山の決定機。バイスのロングフィードが左サイドの宮崎幾へピンポイント。トラップしてすぐに低いクロスを中へ、デュークが左足で合わせて枠内へ。
29分、岡山先制。GK櫛引がグラウンダーのパスを縦につけようとしたが、まさかのパスミスでボールはデュークの元へ。デュークが落ち着いて狙い無人のゴールへ流し込む。櫛引はボックスの外に出ていたので手を使うことが出来ず。
31分、齊藤のクロスにデュークが頭で合わせて枠内へ。ここは櫛引が意地の反応。
34分にも岡山にいいシーンが。輪笠が横パスをカットしデュークへ繋ぎ、追い越して前へ。デュークから右に流れたムークへ繋がり、ダイレクトでボックス内へ。走り込んだ輪笠が合わせるが枠内に飛ばすことは出来ず。
37分くらいまでにシュート9本、うち枠内6本(DAZN調べ)と岡山ペースで進んでいた印象。しかし、38分の長倉のシュートシーンあたりから群馬が立て続けにチャンスシーンを作る。左のハーフスペースで加藤が受けた41分、42分に左サイドを攻略された印象。最後の部分はやらせなかったが。

前半の左サイド攻略を後半も見せる群馬。木山監督が成瀬に対して指示を送るシーンがあったのでハーフタイムの修正だけでは足りなかったのかな。53分で加藤が下がったのは意外だった。
岡山は541のブロックを敷いてより固く。ただ佐野やムークは飛び出して圧はかけていたし、それに連動して輪笠や河井、なんなら柳も高い位置でボールを奪いに行っていた。中でも、佐野が本当にすごい。60分の左サイドでの突破のシーンも良かったが、試合終盤でも逆サイドまで出張して時間を稼ぐなど運動量を見せつけてくれて頼もしく感じた。
群馬が圧倒的に押し込んだ後半だったが、ゴールラインを割らせることなくしっかりと弾き返し続けた。
そして、岡山が群馬に1-0で勝利。群馬とは相性がとても悪く、「岡山銀行」などと書かれていたが、敵地でしっかりと勝ちきった。

【メモ】

0:00 岡山
柳のロングボールをデュークへ。競り勝ち、ムークへ流れる。
1:00 岡山
左サイドに流れる齊藤。
2:44 岡山
ビルドアップは後ろ3枚か。
3:37 岡山
右の高い位置でボール奪取を見せた成瀬から齊藤へ。齊藤が右サイドからのクロスをあげ中のデュークへ。合わなかったが、クリアボールを宮崎智が回収。
4:03 群馬
左の高木からのクロスに逆サイドから入ってきた長倉が頭で合わせるが枠外。長倉は横浜戦ではトップをやっていたはずだが、今節は右サイド。
6:32 群馬
城和に佐野がプレス。長倉が引いて受けてシンプルなアーリークロス。
6:59 岡山
デュークが右に流れて成瀬からの浮き球を収める。ムークを倒した細貝にイエローが出ていた模様。
7:50 岡山
ムークがボックス内で輪笠からのボールを上手く受けて反転、クロスに飛び込んだのは宮崎幾だったがわずかに合わず。佐野がセカンドボールを回収。
8:41 岡山
宮崎幾がスライディングでカウンターを潰し、宮崎智が回収。攻守の切り替えが素晴らしくセカンドボールを回収出来ている時間帯。
9:30 群馬
ゴールキックからのビルドアップ。櫛引の近くに1人置いてショートパスを繋ぐのかなと思いきや、櫛引が蹴り飛ばす。
11:31 岡山
左サイドでデュークから裏へのボール、同サイドで受ける齊藤。デュークがスプリントしてDFを引き付ける。空いたスペースで佐野が右足でミドルシュート。わずかに左側へ外れる。
12:57 群馬
FKからビルドアップ。岡本が高い位置を取るため宮崎幾がかなり低い位置までついていき532のような形。長倉が内側のレーンにいるので宮崎智はそちらに対応。
13:12 岡山
ロングボールに宮崎智が競り勝ち回収。佐野がファールを受けながらも倒れずボールを運ぶ。一度は押し戻されるが、バイスからのフィードが左サイドの宮崎幾へピタッと収まる。ワントラップしてすぐに低いクロスを選択、中でデュークが左足で合わせて枠内へ。櫛引が反応してセーブ。
14:56 岡山
セットプレーの流れから左サイドにいた成瀬が裏へ流れたムークへ繋げる。上手く身体の向きを変えて低いマイナスのパス。齊藤には僅かに合わず。
18:01 群馬
岡本がプレスに来たムークの勢いを利用するかのような突破から左足のクロスまで。岡本一真(2003.9.19)、6試合連続スタメンの高卒ルーキーらしい。
24:50 群馬
輪笠に対してしっかり寄せてくる北川。ファールにはなったが前から当たりにくる。
25:18 群馬
岡山のビルドアップ、宮崎智に入った所に長倉が寄せ堀田に返させる。柳へと繋いだ所にも加藤が寄せてパスミスを誘発。
25:34 群馬
左サイドのスローインからボールを受けた加藤が鋭い切り返しで柳を剥がして中へ、北川の足元を狙うパスだったが北川は空振り。すぐ後ろにいた長倉が左足でトラップし、振り向き様に右足を振り抜くが枠外へ。
27:04 岡山
右サイドでボールを受けたムークからのクロスをデュークが足元で収め反転してシュートまで。城和のブロックにあう。
28:26 群馬
岡本vs佐野、高卒ルーキー同士のやり合い。佐野が左サイドで仕掛け前に出ようとするが、岡本が身体を入れて奪う。
28:48 岡山
前からプレスをかけて群馬の矢印を後ろ向きに。城和へ佐野が圧をかけて下げさせる。(6分に似た形があったような気がするが、その際は城和に時間があったので長倉へのパスを繋がれた。)
28:51 岡山
佐野がそのまま櫛引へ外側から寄せる構え。櫛引の出したパスがデュークのもとへ。落ち着いて無人のゴールへ流し込んだデューク。岡山が先制。
31:11 岡山
ムークが身体を当てられながら成瀬へ繋ぎ、右サイドへ流れた齊藤へ。齊藤のクロスにデュークが合わせるがここは櫛引が反応し弾かれる。城和の前に入るフリから落下地点を予想して待つ。
34:05 群馬
群馬が時間を使って回す。解説が両チームのネガトラのはやさを誉める。
34:54 岡山
左サイドでハメて横パスを輪笠がカットしてカウンター。デュークへ繋ぎ前へ出る。デュークから右サイドのムークへ。ムークのワンタッチパスに輪笠が中央ゴール前に顔を出してフィニッシュ。決定機だったが枠外。
38:46 群馬
畑尾からおりてきた長倉へ、長倉が落として城和。宮崎幾が城和へ寄せたがワンタッチで岡本に繋ぐ。宮崎智が岡本に行くか裏の長倉を見るかとても難しい感じ。長倉が間で受けてドリブル、ボックス内バイスを交わして右足アウトサイドでシュートまで。
41:00 群馬
長倉からの横に展開するパスをムークがカットしにいったが出来ず、加藤が浮いてしまったので柳が出て対応。パスを繋ぎ左サイド高木の低いクロスに北川が合わせる。北川が触る前に輪笠が滑り込んだ事で上手くミート出来なかったか。
42:01 群馬
長倉のロングパスから逆サイドへ展開。ハーフバイタルで浮ける(受ける)のが上手い加藤、裏へ抜け出した小島へスルーパスを出す。ニアゾーンからの折り返しがゴール方向へ。堀田はCKへ逃げる。前に入られていたら決定機だったか。
44:40 群馬
加藤が引いて受ける動きには柳が出て対応。

46:20 群馬
間で受ける加藤。この動きをどう封じるか。
47:45 群馬
左サイドでボールを繋ぎ、ダブルタッチでムークを抜く小島。うまい。
48:46 岡山
ボールを奪って運び佐野がミドルシュート。
49:58 岡山
櫛引に対してプレスをかける齊藤。成瀬に対して声かけする木山監督。
52:05 群馬
加藤がボールを受けて柳を釣りだし剥がすドリブル。
53:04 群馬
加藤→鈴木国友(#40)
加藤いい動きだった。
55:15 群馬
押し込む群馬。セカンドを回収し群馬の時間帯が続く。
56:16 群馬
鈴木のクロスに長倉がトラップしてシュートを試みるが宮崎智が対応。
57:10 群馬
長倉が受けて宮崎幾の裏を取った岡本へ浮き球のパス。宮崎幾が岡本を倒す前にボールはタッチを割っていた模様。
59:15 岡山
齊藤→河井
541にシステム変更。齊藤はまだやれそうな顔をしていたが、連戦になる(再開試合がある)ので。
59:52 岡山
左サイド、巧みなタッチで城和のスライディングを交わす佐野。うまい。デュークを裏へ走らせるボールをシンプルに使ったが、局面3vs2だったのでもう少し運んで右のムークという選択肢もあったか。ただ、このあたりは外で見てるとなんとでもいえるし、結果論だからアレだけど
61:44 群馬
北川→深堀(#11)
小島→山中(#17)(2001)
この山中も中々やっかいな選手。横浜戦でも圧倒的なスピードを見せていた印象。
62:45 岡山
柳が上がってきてボールを回収し、DFラインとGKの間に嫌らしいクロスを上げてデュークに合わせる狙い。
64:20 群馬
鈴木が収めてタメを作りオーバーラップした山中へ。山中のニアのクロスに深堀がヒールで合わせる。バイスが滑り込みブロックし堀田がキャッチ。前には入られたがしっかり対応。
66:12 群馬
岡本が落ち着いて運ぶ。ハードワーク出来て大外を取れる高卒ルーキーのSB。いい選手だ。
69:24 岡山
宮崎幾→白井
宮崎智→濱田
佐野を左WBにして白井を左SHかなと思ったが、そのまま白井を左WBに置いた模様。
71:20 岡山
カウンター対応で柳がスライディングでボールにアプローチ。ギリギリのタイミング。
73:05 岡山
デュークがスプリントで風間に寄せる。あのハードワークがあるのとないのとでは全然違う。
75:40 岡山
堀田が足を気にする仕草。本当に怪我だけは…。
76:28 岡山
ムークと輪笠で浮き球のパス交換からムークが裏へ抜け出し、ボックス内で山中に倒されるがノーファールの判定。身体は前に入っていた気がしたが貰いにいったようにも。
80:00 群馬
細貝→奥村(#27)
岡本→白石(#14)
群馬は343にシステム変更か。
83:33 岡山
ムーク→ハンイグォン
デューク→木村
木村太哉が3ヶ月ぶりに復帰。ここで戻ってきた意味はデカイ。
85:27 群馬
河井に対して奥村が激しいスライディング。ごめん、ごめん、すまん。しっかり謝れ。大槻監督の人間性が垣間見れた。河井に怪我がなくて本当によかった。
89:38 群馬
高木のクロスがどんどん入ってくるが全て跳ね返す岡山。単純なクロスなら大丈夫(だと思う)。ATは4分。
91:50 岡山
右コーナー付近で時間を稼ぐ佐野。
93:00 群馬
白石がボックス内でクリアボールを拾いシュートまで行こうとするがハンドの判定。
93:57 岡山
ハンが3度追いをしていい体勢で前に蹴らさない。
94:00 試合終了 

【試合結果】

ザスパクサツ群馬 0vs1 ファジアーノ岡山
29分 ミッチェル・デューク(岡山)

個人的に気になった選手は、群馬の長倉幹樹(モトキ)。1999年10月7日生まれ。東京ユナイテッドFC(杉山がレンタルで行ったところ)からステップアップ。しっかり収める力、抜け出す力、そしてフィニッシュワークに絡める位置取りとどれを取っても嫌な選手だった印象。バイスを交わしてシュートを打った(38分)シーンは、下りてきてはたいて、城和から岡本に入る瞬間にハーフスペースへ顔を出して間でボールを受けてボックス内に運んで…と、嫌らしさが詰まった場面だった。
群馬のチームとしてもこの順位にいるサッカーの内容ではないと感じたので、長倉の今後の活躍でJ2残留に導いて欲しい。岡山所縁の選手も多いしね。

サッカー見たぞ記録
(*敬称略)
(**あくまでも個人の感想です)

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