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元カレに「そんなことかよ」と言われた精神科通いの話

「なんだ、そんなことかよ」

この言葉が6年経った今でも、あの人と付き合ってた時を思い出す度にふと蘇る時がある。

思い返せば自覚があったのは小学6年生の頃。

特別なにがあるわけでもないのに、なんだか胃がムカつく感覚で授業中に保健室に行くことがあった。

それから中学生になり、卒業を控え毎日の卒業式練習にまた同じ感覚を感じ、緊張してるのかもと思いながらこっそりポケットにミンティアを隠し、心を落ち着かせるかのように食べていた頃。

高校生になると、あんまり覚えてはいないけど同じような感覚があって何度か保健室で休憩する日があったり。

特に、AO入試(今では幻の入試になったのかもしれない)で夏休み中に大学合格をしてしまってからは学校へ行く意味が分からず、余計に気持ちの浮き沈みが激しかった。

そのくせ皆勤賞だったけど。

そうしてあっという間に大学生。

引き続き、胃がムカつく感覚が一定の期間あったりなかったりを繰り返し、その期間が徐々に短くなっていった大学3年生の頃。

お腹が空いて仕方がなくて、いざ食べるぞと意気込んで数口食べると急にくるひどい満腹感。パンパンに残っているご飯を見て、おかわり出来ちゃうかもくらいに思っていたのになぜと残りの多さに更に胃がムカつきギブアップ。

電車に乗っていて、何も食べてないのに胃がムカムカする。

メガネ屋のバイトでお客さんが来ない時間にいきなり胃がムカムカする。

ひょっとして、これは何か普通じゃないかもしれないと
本当はとっくに気付いていたのに、気付いてないふり、気付きたくないを続けていた、ようやく観念した私は精神科に行くことを決めた。

なんやかんやあり、具体的に鬱とも言われなければ、何かしらの精神的な病名を言われるわけでもなく、考えすぎ疲れすぎの蓄積ですねと言われたわけで、薬を飲んで通院した時もあれば、薬をお守り代わりにして、なくなったら病院へという何となくのルーティンを繰り返していた。

精神科へ初めて行ってから約1年後に10歳年上の彼氏が出来た。

その前に付き合っていた人は、私が精神科へ初めて行った日から私のことを知っていたので、非常に頼りにしていたし、まさか相手から別れを告げられるとも思っていなくて、今でもあの人は間違いなく人生で1番の大恋愛だった。(その話はまたいつか。)

10歳年上の彼氏はバイト先の社員さんで、バイト先の中で1番私生活が謎で女の陰が一切ない人だった。

今まで付き合ったことがない新しい人種でそれはそれで楽しかったけど。

付き合うまでに2回ご飯を食べに行き、3回目で告白という流れで私が精神科に通っている話はしないまま付き合った。

今でもそうだけど、
「私、実は精神科通ってたことあるんだよね」というと

「え!?そうだったの!?」と100%言われるくらいには表では特別その気が出ないタイプではあったので、もちろん元カレも知るわけがなかった。

付き合って半年ちょっと経った頃、私は大学を卒業し実家を出て東京での1人暮らしが始まった。

実家から彼のアパートまでは車で5分、お互いのシフトが合わなくともすぐに会いに行ける距離だったけど、東京に引っ越したら月に1、2回会える程度になった。

引越し当日、彼も手伝ってくれるということで東京の家に来てくれて引越し作業が終わった。

夜勤明けで疲れていた彼は昼寝を挟み、起きて少しした時、私はこのタイミングだと半年言えなかった自分の精神的なことについてを伝えた。

もしかしたら、それが原因で振られるかもしれない、彼から私への見え方が変わってしまうかもしれない、冷められる?引かれる?

いろんな負の感情を抱きながら、心臓が飛び出る勢いでドキドキしながらやっと伝えることが出来た。

「なんだ、そんなことかよ。なんで、もっと早く言わねぇんだよ。」

答えがこれだった。

この文字だけ見れば、ちょっとポジティブに捉えられるかもしれない。

あ、意外とこの人気にしない人なんだ、よかったってね。

でも、自覚があった小学6年生の頃から10年以上、そんなことにランダムで苦しめられている自分からしたら、とんでもねぇこと言いやがったな。と

逆びっくりな言葉だった。

そんなこと=しょーもないこと

に聞こえた私は、その後なんて返したかどんな反応したかは忘れたけど、
この人には分からない世界にいるんだなということに気付いた。

それから1年後に同棲を始めて、なんやかんやで私がその渦中のシーズンにいるとそれなりに受け止めてはくれてたし、ありがとうではあるけど、

未だにあの言葉は、交わらないなって気付いた言葉だったなと。

今も、”そんなこと”は時と場所とレベルがランダムで邪魔しにくるわけだけど、私にとってあの人の”そんなこと”って何だったんだろう。


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