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そうだ 京都、行ってきた。⑥

北上の疎水

法然院をあとにして銀閣寺の坂を下りて、哲学の道に戻った。「付近を流れる白川は標高に従って北から南へ向かって流れる一方で、人工的に作られた疎水は南から北へ流れている」(京都観光Navi)。こんな記事を目にしたが、たしかにそうだった。南禅寺から銀閣寺へは北上しているのに、疏水も北へ流れていた。でも標高差は??と調べてみると、絶妙な高低差があって、南禅寺と銀閣寺では南禅寺の方が高いとのこと。南禅寺の境内に疏水が横切っているのも、計算し尽くされているのだろう。

銀閣寺はこの坂の上 
銀閣寺橋から右手が哲学の道

京都のせい

南禅寺から歩いてきた哲学の道は、銀閣寺橋で終点となる。でもまだしばらく疎水沿いに道が整備されている。もう少し歩いてみようか……という考えがよぎったのは、京都のせいだ、多分…。軽い気持ちで歩きだしたのが、とんでもなく歩くことになる。

まだ余裕で写真撮影

「京都は哲学の道がいいよ」と勧めてくれた方がいる。大阪出身の元上司だが、お元気だろうか、と思う。年賀状じまいをされてから、もう数年は経つ。とても聞き上手で、好奇心旺盛で、いつも手元に本とメモ帳がある人だった。

左手に京大農学部グラウンドの敷地を見ながら歩いていると、たどたどしい蝉の鳴き声が聞こえてきた。初蝉だった。2022年の初蝉は、京都の琵琶湖疏水分線にて、忘れない夏の思い出。

京大付近の疎水分線
蝉はこの木か

留学生

疎水と別れ、京大キャンパスに近づくと、自転車に乗る外国人とよくすれ違うようになった。京大の留学生だろう。リヤカーに乗る(!)アジア系と思わしき留学生もいた。北京に留学していたうん十年前、同じように自転車が足だったことを思い出す。

京大キャンパスを左手に見ながら、鴨川を目指す。途中、バスの停留所もあったが、日差しを受けながら待つよりも、歩いた方が早いような気がして歩く。叡山電鉄の踏切を渡りしばらく歩くと、川が見えてきた。鴨川だと思っていたが、最初に目にした川は高野川のようだ。

たぶん高野川? 川沿いを歩く
超極小ナイアガラ
鴨川の上流は「賀茂川」と書く

今日も元気だ!

下賀茂神社の入口と鴨川デルタ(高野川と賀茂川の合流地点)を横目でみつつ、道を急いだ。スマホの充電が切れそうだったからだ。阿形(夫)との合流までの時間も迫っていた。写真がないのはさみしいが、充電前の最後の一枚がこれ。はんなりな京都にして、何ともストレートな『今日も元気だ!』の標語。七夕飾りがしてあった。

「今日も元気だ!」出町桝形商店街

時間に余裕があれば、ぶらぶらしたい商店街だった。でも前を急いで、右手に同志社、左手に京都御所を見ながら歩く。京都御所の目の前に同志社がある。こんな立地に同志社が構えることができた理由は何かあるのだろう。創立者の新島襄とはどんな人物だったのか。いろいろ知っていれば、この京都御所と同志社の直線道路が長いことも、苦にならなかったはず。とにかく、ひたすら西に歩いて、ようやく通りに出た。地下鉄今出川駅から京都駅に向かう。

ゴール

ゴールは、阿形と合流する駅前のベローチェだ。阿形よりも、わずかながら早く着く。充電しながら、コーヒーゼリーを先にいただいた。ひとごこち、ひとごこち。

ベローチェのいつものお気に入り
なんだかんだ京都のシンボル・京都タワー

時刻は午後6時。晩ごはんを食べて、明日に備えて今日は早めに休もうーなんて、なかなか許さないのが私たち阿吽夫婦なのだ。夜は長い。まだまだ歩く。(うん)

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