AB社コラム第37回:「噴水型稟議」で一気に時短する!
前回、「会社を変えるためには、まず時短から」との提案をしました。今回から、具体的に時短を進めるための具体策、Tipsを紹介していきたいと思います。
まず最初は、日本の企業で多大なる時間を食っている「稟議」のワークフローについての時短Tipsです。
関連部署の数だけ稟議書が回る。
日本企業の典型的な稟議のワークフローは、申請を現場の社員が起案し、そこから同じ部署内のチームリーダーが承認し、さらに部長が承認する。
起案する部署内での承認が済んだら、次に関連部署に稟議書が回り、そこでも現場社員→チームリーダー→部長、の順に承認します。
そしてさらに次の関連部署へ…と、承認が必要な部署の数だけ同じことが繰り返されます。
従来の稟議フロー
起案した現場社員と、せいぜい同じ部署内のチームリーダーだけでサッサと実施を決めることができればよいのですが、内部統制としては申請者と承認者を分けなければならない。
そのため、稟議書はぐるぐると回ります。部署内の部長なら稟議の目的や意図はわかると思いますが、関連部署の部長なんてよくわからない。
そのため、稟議書の内容はろくに見ずにハンコを押すだけの虚無な作業が繰り返されるのです。
しかもこれ、3つ目くらいの部署から差し戻しがあったりすると、イチからやり直しです。
最終的に承認が降りるまで時間がかかり、機会ロスにつながったりして無駄。もちろんハンコを押す作業時間も無駄。
下手すると、経理や総務など各部署からの稟議書が押し寄せる部の部長は、ハンコを押すための派遣社員さんを雇ったりします。ホント無駄。
無駄だらけの稟議ワークフローをスリム化する「噴水型稟議」。
確かにすべての書類を紙で処理していた時代は、このようなワークフローも致し方なし、だったかもしれません。
しかし、時代はデジタル。
起案者から各部署の中間管理職や部長に向けて、一斉に噴水のように承認が必要な人へ稟議書を送信する「噴水型稟議」にすれば、一気に時短になります。
一気に承認が必要な人に発射する「噴水型稟議」
もちろん、「聞いてないよ」「全然違う」となることを避けるために、他部署の現場社員にチェックしてもらいましょう。場合によっては、それぞれの上司にネゴしてもらうことをお願いしておきます。
承認に関しても「ハンコまだですか〜?」と待つのではなく、「1週間以内に異議を唱えなければ、承認したとみなす」というオプトアウト型にすれば、承認を催促する時間と手間が省けます。
単に時短になるだけではなく、スピードが求められるビジネス環境下で、いつまでもノロノロと稟議書を回すのは大きなロスです。置いていかれますよ。
さあ、今すぐ噴水型稟議を取り入れてみましょう!